見出し画像

筋収縮

筋収縮とは、電気刺激により小胞体からカルシウムが放出されることがきっかけとなって筋肉が緊張することです。


収縮の形態

収縮は、動的収縮静的収縮の2つに大別することができます。

1.動的収縮

筋の長さを変えながら張力を発揮する筋収縮形態で、等張性収縮(アイソトニック・コントラクション)とも言います。

等張性収縮には、短縮性収縮(コンセントリック・コントラクション)伸張性収縮(エキセントリック・コントラクション)の2つの局面があります。

以前は、等速性収縮(アイソキネティック・コントラクション)という分類もありましたが、これは機械的に作り出したもので、1965年以降、筋力測定やリハビリ用機器として大学や病院・研究所で専用マシンを中心に概念が広まりましたが、実際の運動との相関性との乏しいことから2012年度以降世界中のマシンメーカーが撤退を表明しています。


(1)短縮性収縮

短縮性収縮とは、筋肉が自発的に短縮しながら、張力を発揮している収縮形態で、加速を与えることができます。

(例:アームカールでダンベルを上げる局面)


(2)伸張性収縮

伸張性収縮とは、筋肉が負荷によって受動的に伸長しながらも、張力を発揮している収縮形態です。

(例:アームカールでダンベルを下す局面)

筋肉は、高速収縮時には小さな力しか発揮できず、反対に低速収縮時ほど大きな力を発揮できるという特性があります。これを、筋肉の「力-速度関係」と言います。
重たい重量物を投げる時には、力を込めることができますが、軽い羽根を投げるときは、上手く力を込めることができません。軽いものを投げる場合だと、すぐに筋肉の短縮速度を高められるため、発揮できる力が小さくなってしまうからです。

一方で、筋肉の「力-速度関係」は、伸張性収縮時では逆のことが起こります。高速時に、大きな力を発揮しやすいということです。

重たいダンベルを受け止めようとする時、当然上腕二頭筋は一瞬高い速度で引き伸ばされることになります。伸張性収縮の時は、高い速度で引き伸ばされている時ほど大きな力を発揮できるので、この時の上腕二頭筋は短縮している時よりも大きな力を発揮できています。

このように、何かに急ブレーキをかけるような動作をする時ほど、大きな力を発揮できるようになっています。


2.静的収縮

外力に抵抗して筋収縮するが筋の長さが一定で、関節運動が起きない運動で、等尺性収縮(アイソメトリック・コントラクション)とも言います。

従来、関節の角度が変わらない状態での等尺性筋力発揮では、筋の長さが変わらずに筋力発揮されると解釈されてきましたが、福永哲夫教授(東京大学)らは超音波法を用いた筋腱複合体についての研究によって、事実はそうしたことではないことが明らかにされてきました。
等尺性筋力発揮といっても、筋線維は収縮し、その分だけ腱が伸長し、全体として長さが変わらないということです。

等尺性収縮には、等尺性筋力(短縮性収縮)と耐筋力(伸張性収縮)の2種類があります。


(1) 等尺性筋力

等尺性筋力とは、能動的に発揮する最大の筋力のことです。
例 握力計、背筋力計

(2) 耐筋力

耐筋力とは、腕相撲で負けそうな時など動かさずに耐えようとする場合に発揮される筋力のことです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?