見出し画像

可能性を引き出す!「コーチング 」とは? 1

こんにちは。
スクラムヒューマンパワー代表 日原 達仁です。

私の記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

ラグビーチームの監督時代、私は指導する立場よりも、
選手をコーチングする姿勢を演じようとしていました。
チーム選手には私より年配の方も、
同世代のメンバーも多くいたため、メンバーそれぞれの思考や立場を
尊重したチームづくりを心掛けていました。

「コーチング」とはどんなものでしょうか?
有り体に言ってしまえばその名前の通り、相手のコーチをすることです。
一般的にコーチングをする側の人をコーチと呼び、
コーチングされる側の人をクライアントと呼びます。
コーチというと「スポーツチームのコーチ」を
イメージするかもしれませんが、ここでお話する
「コーチングのコーチ」とは決定的に違うポイントがあります。

コーチングとは、相手の思考や捉え方を
整理する方法をコーチすることを指します。

コーチングのゴールとは、相手の思考や捉え方が整理され、
牽いては自発的行動を促進することです。
スキル・ノウハウを教えるのではなく、
クライアント自身に気づいてもらうというスタンスをとることです。


例えば高校生の部活では、指導者はティーチング(指導)を行います。
競技のルールやチームの規律など、
基礎知識や技術を学ぶ際にはティーチングが適しています。
「スポーツチームのコーチ」のイメージ通りの、
スキル・ノウハウを教えるコーチです。
余談ですが、ラグビーにはボールの投げ方、
タックル、セービングなど、様々な動作がありますので、
ひとつひとつ指導していると一日が終わってしまいます(笑)。

コーチング_1_1

しかし、ティーチングには一方的な
コミュニケーションになりがちな面もあります。
相手が受け身の姿勢でコーチに依存してしまうこともあり、
成長には繋がりにくい部分もあります。
ですので、一通りのティーチングが終わった後に、
コーチングで相手の成長の引き出しを広げてあげることが大切です。

コーチングでのど真ん中に置く思想として、
「答えは相手の中にある」というものがあります。

コーチ側から誘導して「こういうのはどう?」というアドバイスは、
ここでは適していません。
相手の思考や捉え方を整理しているのではなく、
コーチ側の思想を押し付けてしまうことになるからです。
この「答えは相手の中にある」という考えが全てであり、
コーチングのもっとも難しいところでもあります。

どういうときにコーチするのが相応しいかというと、
相手の思考がまとまっていないときはもちろん、
何かに対してもやもやっとした考えがある時も良いでしょう。
定期的に実施して、思考を整理する習慣を作るのも大切です。

コーチングでは、コーチをする前、コーチをしている最中、
コーチをした後の振り返りのすべての工程で
「答えは相手の中にある」という思想を取り入れて考えましょう。
基本的に「私は」という一人称の話を、コーチは行いません。
相手から答えを引き出すことに注力します。

最近のIT企業では、「1on1」と言う、
上司と部下で行う定期的な1対1のミーティングが取り入れられています。
もちろん1on1ではコーチング以外のことも行いますが、
コーチングの場としては最適な機会ではないかと思います。
1on1の場で定期的にコーチングを実施する文化が芽生え、
根付いてきているところもあります。
定期的に思考を整理する機会として、是非1on1を行ってみてください。

コーチングは、まず話の題材を見つけることから始めます。
「最近、何かもやっとすることや考えていることはありませんか?」
といった具合に、クライアントに素直に聞いてみるのが良いでしょう。
1on1を始める際のよくある懸念として、クライアントから
「特に話したい内容がありません・・・」と
言われてしまうことがあります。

それは上司から部下に、1on1をやるということだけを伝えた、
一方的なコミュニケーションになった事が原因かもしれません。
求めていないものを行うと、人は受け入れにくいものです。
まずは「なぜ1on1をやるのか」という背景と、目的の共有、
クライアントのための時間であることを理解してもらうことが重要です。
また、クライアントも受け身ではなく、
クライアントの自発的な行動があってこそ、
コーチングは最大の効果を発揮する
ということを
知っておく必要があります。

お互いにコーチングをやりやすい環境を作る努力も必要です。
話す内容がないということは、基本的にあまりないのではないでしょうか?
うまくいっていない事だけにフォーカスすると、
話すことがない時期もあるかもしれません。しかしうまくいった事も、
よりうまくいく方法があるかもしれないので、
最近なにを 思考しているのかを題材にすると良いのではないかと思います。

興味のあること、コロナ禍で得た新たな気づきなど、
些細なことでも構いません。
傾聴し、頷きや「なるほど」
「いいですね」「素晴らしい」といったあいづち等、
相手が話しやすいポジションで、クライアントである部下や
選手に寄り添うことがコーチングの秘訣ですね!


サポートいただけたら幸いです。 よりよい学びや情報をお届けするために使わせていただきます。