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学校の先生ってそれもやってるの?

教員の仕事のうち、子供とかかわったり授業で教えたりする業務の割合は3割ほどです。残りの7割は実は、必ずしも教員免許をもっている方でなくとも可能な内容です。むしろ、専門の方を雇って従事してもらったほうが効率が良い内容です。ここではそのような業務のうちの3つを紹介します。

奨学金関連全般

高校では、卒業後に専門学校や大学に進学する際に日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を借りる生徒が多いです。JASSOから学校ごとに奨学金申請書類を取りまとめるように命じられ、教員がそのJASSOの奨学金の窓口の業務を担当しています。

仕事内容は、奨学金についての説明、保護者からの問い合わせ対応、所得証明書取得等の書類準備の依頼、所得がない場合には親族からの援助などの収入源の把握、各種控除のためのレシートの整理と書類の準備の手伝い、奨学金志望理由書作成の手助け、インターネットでの入力、返済に関しての説明、等々です。

教員が校内で奨学金担当の役割を割り振られています。しかし、教員はJASSO職員でもなければFPなどの専門家でもありません。自分でもわからない内容をマニュアル片手に対処しています。

奨学金は卒業学年の半分以上の生徒が申請することも多く、100人以上の生徒の書類の不備がないかを締め切りに追われてチェックします。毎年マニュアルが変わることもあり、ミスが許されない仕事です。日本学生支援機構に、教員がタダでいいように使われていると感じざるを得ません。

ICT機器の保守

学校には、教員免許をもった教員はいても、それ以外の専門家は殆どいません。そのため、学校内外で起こる問題は全て教員が担当して解決しなければならなくなっています。その1つがICT機器の業務です。

学校は急速にデジタル化が進んでいます。一人一台タブレット等の端末が整備され、校内にはWi-Fiが通り、教室には電子黒板が整備されています。しかし、デジタル機器が整備されれば、当然、機器のトラブルが発生します。その対応も教員の仕事です。

仕事内容は、何でもありです。タブレットがWi-Fiに繋がらない、プリンターが動かない、電子黒板の使い方が分からない、アプリの使い方が分からない、タブレットが反応しない、等のありとあらゆるトラブルに対応します。エンジニアなどの専門職員は学校にはいません。教員が役割を割り振られて、マニュアル片手に自分でも分からないことを調べながら対処しています。

会計処理

学校は、保護者からお金を集めています。そして、生徒の教育活動に必要な教材、体育着や水着、行事写真、行事参加費、検定試験、等を購入しています。この会計処理は教員の仕事の一つです。

仕事内容は、保護者からの入金の確認、集めたお金の入金先口座の管理、口座からのお金の支出、支払先へのお金の振り込み、年度途中での退学者への返金、年度末の会計報告等の会計処理、卒業時の学年全員への返金処理、等です。事務職員ではなく、会計関連の知識をもった職員ではなく、英語や国語を教えている学校の教員が、会計処理をしています。

まとめ

肥大し続ける業務に忙殺される学校では、実は教員免許をもっていなくてもできる仕事が多いです。それらの仕事を思い切って精選して、教員が免許の専門性を活かして教育活動に従事できるような環境を整えることが重要ではないでしょうか。

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