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三十女とミルフィーユ (140文字小説)

 三十になった。

 1Kの部屋で、一人ミルフィーユを頬張る。

 パイとクリームが幾層も積んでいる。

 重なる様は、まるで人生のよう。

 でも私は人生の甘味を知らない。

 恋が未経験だ。

 まわりはどんどんと結婚する。

 けれど、焦る感情はない。

 なるようになるさと、私は今日も気楽に一日を終える。

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