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あの頃は、臆病だった(後編) (140文字小説)

「元気にしてますか?」

 スマホにメッセージが浮いた。

 部活の後輩。何年ぶりだろう。

 俺は彼女の記憶を手繰った。

 あの頃は無謀にも、彼女に惹かれていた。

 でも自信がなかった俺は、無言で卒業した。

「元気だよ」

 気軽な思いで返信した。

 これが、彼女の薬指が煌めいた、きっかけだった。

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