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セラピスト業界のパラダイムシフト

アフターコロナで起こる急速な変化

2019年12月26日ちょうど半年前に書いた記事を読み直して、アフターコロナで起こる「健康業界」「身体価値」の急速な変化を考えている。
*上記は先日の師匠シンポジウムのオンライン打ち上げ写真

世界恐慌のようなコロナ騒動は紛れもなく、多くの人の価値観の変容が生まれたのではないだろうか。
オンライン教育は叶わないもの。オンラインで、教育はできないでしょ!
という価値観は一掃され、オンラインで教育しないといけなくなった。

たった2ヶ月余りのこの出来事は今後の世界を大きく変えた。

良し悪しは別にして、変化が出来たことは間違いない。少なからず、ビフォーコロナの状態には戻らないだろうと僕は感じている。
オンラインと対面は確かに違い、大きく異なるのは「共有」「接触」ではないだろうか。
オンラインでは視覚的、言語的な「共有」は出来ても、「匂い」や「温もり」のような嗅覚・触覚・味覚や空気感などの非言語的な感覚を共有することはできない。

逆に言えば、
対面でのメリットはまさに、嗅覚・触覚・味覚や空気感などの非言語的な感覚を与えられる点ということになる。そして、「会う」という価値が高まる

「すべてが会わなくてもいいんじゃない?」

大半のことが視覚と言語で賄われ、それと同時にオンラインでできるようになる。
対面で行うことが当たり前だった理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、医師、歯科医師、看護師などの職業にも大きく影響するのではないだろうか。

エビデンスがあるものは自動化され、再現性が限りなく高いロボティクスとなり、個々を見て判断すべきことはオンラインで簡素化される。
個々見て判断する必要があり、オンラインで伝わらない多様的なことは「会う」必要があると認識される。リハビリや運動療法も安泰ではなく、電気療法やオンライン指導などに変わってくると本当に「会う」必要がなくなる。

では、どんなセラピストだけが生き残るのか?と考えると

・個別性を判断する能力に優れた人材
・接触することでしか出せない結果を生み出せる人材
・「あなたに会う」という価値を高められる人材

なのではないだろうか。

そう感じると、僕の予想は間違ってなかったとblogを見て思った。

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以下2019年12月26日のLINE blogの引用

急速に発展しつつあるヘルスケア分野

ですが、実際には医師や製薬会社しか伸びていないのが現状です。

病院では患者様数の低下、特にクリニックや理学療法士の数はここ10年で莫大に増えていますが、いまだこれといった大きな改善はありません。
そこで今回は、僕に関わる理学療法士、柔道整復師などの代替医療、リハビリの業界における発信です。

患者様のニーズは多様化しており、今や病院はかかりつけで通うものではなくなってきました。
55歳以上の方には病院=絶対的な場所という概念がまだありますが20代にはほとんどありません。
どちらかというと、本当に困った時にいく場所(痛みや命に関わる場合)となっています。

これは僕的にはすごく良いことで、本来の命を助けるという医師にしかできない仕事を真っ当にできる流れが来ていると感じるからです。

しかし、患者様は多くの悩みを抱えています。
そして悩みは多様化して行っています。

手術適応ではない腰痛、五十肩、原因不明の痛み、頭痛、スポーツパフォーマンスの向上、スポーツにおける怪我予防、QOLの向上など

正直言って、何万通りにもニーズが存在しています。
しかし、ニーズに対してのサービスがないのが現状です。

整体院や整骨院は山ほど増え、いつしか大阪ではコンビニの新規出店より、整骨院の開業件数が年単位で超えました。
また、それと同時に閉院する店舗も山ほど増えており、今までのサービスや技術では差別化できない状態となっています。

そこで技術に特化した店舗やサービスに特化した店舗など多く存在しますが、患者様やお客様にはわかりづらくなっているのです。

「どこにいったらいいんだろう?」
「自分の状態に合った院はどこだろう?」

・・・っと。

アメリカでは、生活習慣病(がんや高血圧、メタボ、心筋梗塞)などの疾患で悩んでいる人は
1億人以上と言われており、考えてみれば
約日本人の90%に当たる人が生活習慣病ということです。

ジムや健康推進運動なども勧められていますが、なかなか予防には至っていない状況です。

このような環境下において、
僕はヘルスケア業界の過渡期とみています。

次世代型の業界になろうとしています。
いわゆる、大きな二極化を生む前ぶれが
今なお地響きのように蠢いています。

では、どのような業界になっていくのか?

まず患者様のニーズは大きく分けて2つ分かれます。

①命を助けてほしい(手術してほしい)
②〇〇をやるために健康を維持向上したい

まず①ですが、これは完全に医師の仕事です。
むしろ医師にしかできません。
だからこそ、病院は病床数がいかに効率よく回るか?を考えなければなりません。
病床数があけれないと、新たな患者様を受け入れることができないからです。

そして、そこで働くリハビリスタッフはどちらかというと術後ケアの専門となります。
医師と連携して、術後をいかに良好にさせるか?を考え、早期退院させることが必要です。

しかし、ここで問題があります。

手術を受ける患者様の多くは、QOLの向上(いわゆる、普通の生活に戻ること、またはそれ以上)を求めています。

命を助ける病院と
命が助かってから・・・ を考える患者様にはニーズの差異が存在するのです。

特に脳血管障害を患った方には、早期の退院や3ヶ月ほどの入院やリハビリは物足りないでしょう。
多様化する日常生活の細かな要望(スマホをスムーズに使いこなせるようになるなど)を叶えていくには、到底短い時間だと言えますし、何より心理的な不安が多く残ると思います。

その問題に着目した方は多くおられ、自費リハビリもだんだん増えてきました。
実際、僕も末梢神経麻痺の方に対しての自費リハビリを多く関与してきましたが、やはりかなりのニーズがあるように思えます。
また、自費リハビリがあることすら知らない人も多く存在しています。近くのクリニックでリハビリに通う人もいるでしょう。

何が良いかは価値観によるので、難しいところはありますが
患者様のニーズの多様化によって、セラピスト業界及びヘルスケア業界が発展推進していかないといけないのは間違いなさそうです。


次に②の「〇〇をやるために健康を維持向上したい」です。
政府もこの分野は公的保険外で推進していこうと2016年に発表されました。

患者様のWant to~が絡むので、さらに多様化しています。
頭痛専門や女性専門など、分野に絞った店舗やサービスが増えてきたのはここにあるかと思います。

ここで、セラピストはこの多様な患者様のニーズに応える技量が必要になってきました。
それを僕は「コーチング力」や「キャリブレーション力」「ヒアリング能力」と言っていますが、この②に関与するセラピストやトレーナーにはまず必要な能力だと感じています。
相手の目的に合わせて、解決策を提供できなければいけない能力が必要になっているのです。

従来のように、痛いから、なんとなく、という患者様は減ってきており、
多くの場所があるからこそ、目的が鮮明になってきています。

この「相手の情報を知る能力」を身につけられセラピストが二極化するこれからの業界の過渡期に活躍していく人物になるでしょう。


セラピストやトレーナーはこの多様化にいかにして自分を成長させれるか?
国家資格を取れば安泰の世の中から、資格を取ってその知識や経験をどのように活かすのか?が重要なのです。

患者様のニーズは急速に変化しています。

術前リハから術後リハ、予防医療というキーワードに見え隱れする業界の過渡期を見逃さずに、自分自身を成長させるセラピスト が増えてきたら
セラピストとしての楽しさ、身体に携われる楽しさ、患者様の人生に介入できる楽しさが生まれてくるのではないでしょうか。

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