見出し画像

〈在職者向け〉具体的な転職活動の進め方~転職エージェント+自身5回の転職経験より~

先日の投稿では、私自身の転職経験を基に、「効果的な転職活動の進め方」というテーマで、基本的な考え方をお話しました。

今回の記事では、もう少し具体的な手順についてお話いたします。
はじめて転職活動をされる方も、過去にした事はあるが、もう少し効率良くやりたいと思う方にも、参考となれば幸いです。

※ なお、本内容では、転職エージェントの活用をすすめる内容も出てきますが、私自身がエージェントをしているからそれを推奨する、という視点ではなく、私自身も、自分が転職する時に転職エージェントに何度もお世話になったことがあり、純粋に有難い存在と感じています。その観点からの一意見としてご理解いただければ幸いです。


① 登録(情報が入る状態を作る)

最初に、求人案件が見れる状態を作るため、

  1. 転職サイト(リクナビ、エン転職など”自己応募型”の転職サイト)

  2. 転職エージェント(担当者と面談を実施し、求人を紹介してもらう)

これらに登録をして、自分の目で、生の求人案件が見れる環境を作ります。
いくら「どうしよう、どうしよう」と悩んでいても、まず実際にある仕事、案件を見ないと、何もイメージが浮かんできません。

まず、どんな仕事があるのかを見てみたい、という方は1.だけを始めても良いでしょう。

転職サイトに出てこない案件(いわゆる”非公開案件”)も見てみたい場合や、現在の転職市場の状況、客観的な自分の市場価値を知りたい場合は、1.と2.をしましょう。

転職エージェントの担当者と面談をするときは、

  • まだ情報収集段階

  • 転職をするかどうかを悩んでいる

  • 転職をすること前提で考えている

  • いつまでに転職をしたいかを決めている

など、自分がどう考えているかを、最初にきちんと伝えておくと良いです。
そうすることで、まともな転職エージェントであれば、その心情に合わせて説明、紹介をしてくれます。

求職者はお金を支払うことなく無料で利用できますし、客観的な立場での情報提供となりますので、価値はあると思います。

尚、余裕のある方は、1.の中でハローワークに登録をしておくのも良いでしょう。
離職者の方が通っているイメージを持つ方も少なくありませんが、在職中の方も利用できます。登録をすれば、ハローワークの専用サイトから求人を見ることができます。

② 応募書類の作成(応募準備+経歴の棚卸)

登録が終わった後は、履歴書、職務経歴書の作成をします。

上記の登録作業をする目的の一つは、履歴書、職務経歴書のサンプル、書き方例が用意されていて、この作業に取り掛かりやすいためでもあります。

中には、サイト内にある指定の経歴入力欄に入れると、その内容を履歴書、職務経歴書としてダウンロードできる便利なサイトもあります。

また、転職エージェントであれば、依頼をすればサンプルを提供されるだけでなく、作った書類の添削をしてもらえますので、活用されると良いでしょう。

応募書類の作成は、求人案件への応募で必要になるだけでなく、まだ転職をするかどうか迷っている方についても、これまでのご自身がやってきた経験の棚卸をする、絶好の機会となります。

この棚卸によって、それまでは気が付かなった自分自身の強みを発見したり、今後目指す方向が見えてきたりします。
また逆に、一旦転職はせずに今の仕事でスキルアップを目指そう、実績を上げよう、という気持ちを持てることもあります。

▼尚、職務経歴書は何枚にまとめるのか?については、下記の記事で解説いたしました。宜しければご覧ください▼

③ 応募活動(現職の状況を見ながら実施)

履歴書、職務経歴書の準備ができて、応募をしたい求人を決めたら、応募をしていきます。
転職エージェントからの紹介案件であれば、担当者に推薦を依頼します。

どのくらいの数応募をするかは、面接になった場合、1カ月で何社くらいの面接を受けることができるのか、を起点に考えます。

普通に土日休みの会社であれば、土日に面接を実施する事はそうそうありませんので、面接は平日に受けることを前提としておきます。

また最近は、残業のやりすぎに対して規制をかけている会社が増えているため、夜遅い時間から開始する会社は少なくなっています
面接開始時間は、だいたい18時開始くらいまでの想定で考えておくと良いでしょう。

また、応募に対する書類選考の通過率ですが、転職エージェントの業界内ではだいたい30%を一つの目安としています。
勿論、この辺りは様々な要因で上がりも下がりもしますが、30%くらいを一つの目安と考えておくと良いでしょう。

もし1か月で3社くらいの面接が受けられそうであれば、応募数は9社まで。
忙しい状態で、1社かぎりぎり2社、ということであれば、3,4社位にしておき、書類選考の状況を見て、あと1,2社加える、などでもよいと思います。

④ 面接(事前準備をしっかりとする)

書類選考が通過したら、面接実施の案内が企業(または紹介したエージェント)から届きます。

そこからは、【面接日程の調整 → 面接の準備 → 面接本番】と手順を踏みます。

エージェントからの紹介案件であれば、当日の面接情報(日時、場所、持参物、面接官人数)だけでなく、依頼をすれば、その会社独自の面接ポイントを教えてもらえたり、面接のロールプレイングにも付き合ってもらえますので、積極的に活用をされると良いです。

自己応募での面接の場合は、当日の面接情報は、自分で企業側に確認をします。
面接のポイントについては、ある程度教えてもらえる会社もありますが、基本は自分で準備をしていきます。

オーソドックスは準備内容としては、企業HPやその会社のネット記事などをよくチェックしたうえで、面接での想定質問として、

  • 自己紹介

  • 各社の退職理由

  • 転職希望理由

  • 志望動機

  • これまでの会社でやってきた仕事内容

  • 強み、弱み

  • その会社に対して質問したいこと

等の回答内容を事前準備をします。

準備をしたら、自分で何度も声に出して読んでおくことをお薦めします。
営業職などで、対外的に話が慣れている方であったとしても、面接の場はまた独特な場で、普段とは全く違う空気感、緊張感があります。

プロの司会者やアナウンサー、講演家など話のプロですら、事前準備を徹底してから臨むくらいですので、きちんと時間を取って、準備をされることをお薦めします。

⑤ 内定受諾(条件確認は慎重に)

無事に内定が出たら、条件通知書や、それに相当する内容を記載したメールなどで、条件を確認します。

面接の時は、どうしても条件や休みの事、福利厚生の事は確認がしにくい点でもあります。

内定が出た時点では、逆に入社後に「行っていた条件と違った」ということがないように、細かいことを聞いても問題ありません。今の日本のルールでは、条件の事を細かく聞いて、企業側の印象が悪くなり、内定を取り消される…ということはありませんので、気になる点は遠慮なく質問をして、確認をし、内容を十分理解できるようにします。

その上で、内定を受諾するか、辞退するかを企業側(またはエージェント側)に回答します。

複数の会社を受けていて、別の会社の結果を待ちたいなど、企業側の回答期限を延ばして欲しい場合は、一度相談をしてみるのも良いでしょう。

ただ、一般的には内定が出てから1週間~10日位。企業側で期限を設定していなくても、1週間での返答がマナーと言われています。
それを超える相談は、通らない可能性もありますし、内定取り消しはなくても企業側の印象が悪くなり、入社になったとしても受け入れ側の対応に悪影響を与える可能性もありますので、注意しましょう。

⑥ 退職交渉(もう一つの山)

転職活動も大詰めの段階となりますが、私は個人的には、内定受諾までが前半戦ならば、退職交渉は後半戦と思っています。

それは、退職交渉時に在籍企業と揉めたりすることが少なくなく、それが原因で内定受諾をした会社を辞退する、という事が起こるからです。

退職を切り出された会社の、その社員に対する基本的なスタンスですが、

  • その社員の後任、引き継ぎを最優先で考える

  • 有休消化や退職直前の賞与支給など、会社にとっての”無駄な”出費をしたがらない

残念ながら、このように考えておいて間違いはありません(本当に良い会社は、退職する社員を気持ちよく送り出すよう取り計らう所もあります)。
会社も前を向いて事業運営をしているので、辞める社員のことを考えるよりも、その社員が辞めた後の状況を、どうカバーしていくかを考える方を優先します。

まず、退職申し出をする際は、事前に会社の就業規則で、いつまでに申し出をしなくてはいけないのかを確認し、それを守ります(多くの会社が、30日前の申し出としているようです)。
会社としても、引継ぎ期間を確保するために、退職の申し出時期を定めているからです。

退職を申し出ると、とはいえ多くの会社では常識的な対応を取り、粛々と退職の手続きを進めていきます。

しかし時に、すんなりと話が進まない場合があります。
その際、起こりうることとしては、

  • 退職申し出を受ける上司が、話をすすめたくないがためになかなか話を聞こうとしない

  • 様々な理由や待遇改善を提示して引き留めにかかる

  • 退職日を、内定した会社が求めている入社日よりもずっと後にするよう求めてくる

  • 賞与支給日よりも前に退職日を設定しようとする

  • 引継ぎなどを理由に、残っている有休の消化を考慮してくれない

  • 退職申し出を受けたのち、なかなか退職の手続きをすすめようとしない

  • 内定をしている会社に抗議をするなど妨害をしてくる

などがあります。
少なくとも、上記は私が自身の転職時、エージェントとして求職者を支援していた時に実際にあった事です。

求職者側が取るべきスタンスとしては、

  • 内定した会社が求める入社日を守ることを前提として、話を進めていく

  • 会社側の待遇改善や昇進などの引き留めを目的とした条件提示(通称カウンターオファー)には乗らない

  • 引継ぎは大切にし、社内外の関係者に迷惑をかけないように最大限の努力をする

  • 有休は、できるだけ消化をして次の会社に入社する前に、リフレッシュ期間を確保する

などがあげられます。

退職を申し出た段階で、会社側としても退職する人のことよりも、残る人たちのことを考えるので、退職の話を進めていくこと自体は遠慮をする事はありません。

但し、上記の中でも、引き継ぎはきちんとすることが必要です。
そのためにも、繰り返しとなりますが、就業規則を事前に確認をして、ルールに則って話を進めていくこと。

こうしたところのマナーを守って、話を進めていきましょう。
また、転職エージェントからの紹介案件であれば、退職交渉で困った時にはすぐに相談をして、対処法についてアドバイスを得ると良いでしょう。


最後までお読みいただきまして有難うございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?