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夫目線の妊娠記録(15)

前回は陣痛中に連絡が来なくなったところまででした。

(前回のnote)


結局1時間半後,本人ではなく病院から電話がありました。


陣痛停滞

病院からの電話に出ると,妻の近況報告でした。

「奥様は促進剤で誘発して子宮口はある程度広がったのですが,進行が止まってしまい,赤ちゃんの心拍が低下する状況なので帝王切開することになります。詳しくは病院に来ていただいてから医師からご報告します。すぐに来てください。」

本人は自然分娩がいいと言っていましたが,さすが大変な妊婦。思い通りには産まれてくれません。


連絡がないことで,

・妻は連絡できる状況にない
・帝王切開になる可能性がある

と考え,事前にすぐ外出できる準備をしていたので,すぐに移動。

どんな日か記録するためにいつも検診で通っていた小さな緑のトンネルを撮影。

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晴れていて,風か吹き通ると新緑の爽やかさを感じる日です。


回旋異常

病院に行くと,すぐに麻酔医から帝王切開の説明を受けました。

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診断上は,

・微弱陣痛 → 回旋異常
・分娩停止 → 帝王切開

です。

★回旋異常:分娩の時に胎児が《産道を通りやすくする為,何度か向きを変えて回転しながら骨盤内に進んでいくこと》を回旋と言います。
今回は,この向きを胎児が間違っちゃったようで通常よりも強い痛みを母体に与えていたようです。

うっかりさんなところは二人に似ています。もしも方向を間違えたなら妻の遺伝 笑


帝王切開の通常手術時間を聞いたら麻酔開始から縫合含めて約2時間だそうです。(まぁ,これよりは伸びるだろうと薄々思っていました)

手術終了までは病院の待合室で待機していてくださいとのこと。


帝王切開へ

病院到着から10分もしないうちにストレッチャー(移動式ベッド)で手術室に運ばれる妻に会いました。

…が,会話ができる状態ではありません。

・痛い
・怖い

しか言えない状態なので,手を握ったり頭を撫でながら,

・痛いね
・怖いね
・大丈夫だよ
・近くにいるよ

ぐらいしか声をかけられず,手術室に入っていく妻をただ呆然と眺めていました。

後ほど覚えているか聞いたら,「会えてよかったけど,何回も失神するかと思っていた」状態だったようです。

これほどの痛みは胎児が骨盤の変なところに入ってしまった回旋異常のためです。


手術室に入ってから1時間20分後

看護師の声をかけられて待合室を出ると・・・産まれたばかりの私達の赤ちゃん!

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直近の検診では2,900g台と聞いていましたが,思ったよりも小さくてかわいい。寝ながらも,外に出てきたから大きく腕や足をモゾモゾ動かしていました。

産まれたばかりの息子に癒されつつも,気になるのは妻の容態。看護師によると「縫合手術をしているから,あと30分ぐらいで出てくる」と。

そう言うと赤ちゃんはすぐに新生児室に連れて行かれました。

その後,新生児室で計測されて

 体重:2,636g
 身長:47.6cm

だったとのこと。


手術室に入ってから2時間後

想定どおり妻は手術室から出てきません。

その間,医師から手術室に入ってからの処置を聞きました。

・麻酔後に子宮口が開いていたので,最初は吸引分娩にトライ
・胎児の状態から帝王切開に切り替え

★吸引分娩:丸いカップを赤ちゃんの頭に当て,カップ内の空気を抜いたときの吸引力によって赤ちゃんを索引する分娩法。1954年にスウェーデンで開発。

つまり,下もお腹も切られたということです・・・大変な妊婦の大変な出産。

私の見えないところで頑張ったんだなぁと思い,妻に早く会いたくなりました。


手術室に入ってから2時間20分後

看護師と話す元気そうな妻の声が近づいてきました。
(いつも声が大きい 笑)

そしてストレッチャーで運ばれる妻の姿を見た瞬間,涙が溢れ出てしまいました。

・おつかれさま
・がんばったね
・ありがとう

と声をふりしぼって妻に伝えました。

そして妻が私の涙にもらい泣きしている中,私も自分で気づかないところで緊張感を感じていたんだなと涙を流しながらも脳内は冷静に考えていました。

ハンカチで涙を拭いていると,「少しだけ特別に」と赤ちゃんを連れてきて最初のファミリーショットを撮ってもらいました。

基本は立ち会いもできないのですが,帝王切開の時だけの特権とのことです。

看護師は優しい方ばかりなので,お産までしっかり妻を支えてくれたでしょうし,入院中もサポートしてくれそうで安心しました。


手術完了後

私はもう帰宅です。

泣き顔で帰宅中に撮ったアジサイ。

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帰宅してから妻からのLINEが再開しました。

出産日の夕方はキレイな夕焼けが見えました。

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出産後は麻酔を使ったこともあり,

・翌朝まで水分補給不可
・翌昼まで食事不可

と過酷な条件だそうです。


また,麻酔とアドレナリンがおさまってきたので,後陣痛と縫合箇所の痛みが出てきたようです。

★後陣痛:出産で大きくなった子宮が元の大きさに戻ろうと収縮する。強い痛みで鎮痛剤も効かない。

妊婦から出産後も痛みが続いてかわいそうです。


なにはともあれ,母子ともに健康でよかった。

赤ちゃんは新生児室の中でも一番元気だそうです。


大変な妊婦まとめ

急遽の出産により妊婦ではなくなったので,この妊娠記録は今回で終了です。


◾️ 出産までに起きたこと

・強い悪阻で嘔吐を繰り返し体重減
・妊娠性ポリープによる出血および切迫流産の危険で休職
・恥骨の炎症による松葉杖
・妊娠中の花粉症ピーク
・切迫流産の危険で入院して病院で誕生日
・突然陣痛前の破水で院内移動は車椅子
・回旋異常により急遽帝王切開


ここまで経験しながらも元気な赤ちゃんを出産した妻はスゴイです。

帰ってきたらいっぱい褒めてあげようと思います。


次回以降は

【夫目線の育児記録】シリーズ

を始めます。

帝王切開の場合,入院期間が1週間〜10日ですが,入院中に妻から聞いたことや私の準備状況を共有したいと思います。

↓ハジメマシタ


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