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ここが変だよ、日本の商習慣


日本国外から見て、奇妙に感じる日本の商習慣に、サブスクなどの1日締めシステムがあります。

例えば、以下のような感じ……。

  • 4月15日に契約→5月1日に更新(4月分は満額請求)

日本のサブスクに慣れている方なら不思議に思わないかもしれませんが、日本国外(または日本の商習慣に従っていない外資系)のサブスクでは通常以下のような処理となります

  • 4月15日に契約→5月15日に更新

中には月内の特定の日を締め日とするサービスもありますが、そのような場合でもproration(按分)が適用されることが一般的です。例えば4月15日に契約して5月1日を締め日にしなければならないとしたら、4月分は半月分の料金に調整されるということです。

つまり、契約日を問わず、常に同レベルのサービスが期待できるシステムとなります。

実は不公平性が高い日本型のシステム

日本式の請求システムでは、契約日によって、ひと月分の料金を一日分に換算すると、最大で30倍以上の違いが出ます。例えば、月額1000円のサブスクリプションを31日ある月の1日に契約したら、一日あたり約32円になりますが、15日に契約したら約66円、31日に契約したら1000円になります。

契約日による一日あたりの費用

このシステムには二つの大きな問題があります。

  • 消費者はサービスの開始を待たざるを得ないか(コストを優先する場合)、一日ごとの費用を高くすることを甘受し、サービスを受けることになり、必要なサービスを必要な時に契約するのを難しくしています。

  • 事業者の側から見ると、消費者がより不利な条件で契約するメリットを感じない場合、最終的に興味を失ったり、他のサービスに切り替えたりする可能性があり、売り上げの損失につながります。

さらに、事業者としても、締め日をそろえることで特定の日にやるべき仕事やお客様からの問い合わせなどが集中するでしょうから、効率的なシステムとは言えないでしょう。

解約するとすぐにサービスが使えなくなる謎のシステム

これに合わせて、さらに不可解なシステムが日本にあるような以下のような習慣です。

  • サービス解約→その場で使えなくなる。

つまり、すでに支払っているはずのサービスをそのまま取り上げる、というシステムです。これは日本国外では通常以下のような処理になります。

  • サービス解約→更新日に解約

このシステムの仕組みはとても不合理で、解約するときには、たとえば更新直後に何か起こって解約しなければならない場合でも、サービスを数時間しか利用していなくてもほぼ一ヶ月分の料金を払わなければなりません。つまり、サービス費用を全く無駄にせずに解約することは実質的に不可能なのです。解約を遅らせると、次の月の分も満額支払う羽目になります。

なぜすでに支払っているはずの更新日まで継続使用ができないのか、全く理解できないシステムです。

日本型の商習慣はとことん消費者にやさしくないシステムである

このサブスクの仕組みは、消費者の利益を考慮していないので、事業者側の立場に固執しています(事業者にとっても良い方法だとは思いませんが)。このため、日本の仕組みでは、契約期間中はさておき、契約開始時や契約終了時に支払った料金を有効に使えないようになってしまっています。

これは、消費者がもっとクレームをつけるべき問題だと思います。さらに、これが原因で日本のサービスが海外で受け入れられる可能性を減らしているとも言えます。

日本の事業者はもっと消費者の利便性にももっと配慮すべきではないでしょうか。