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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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2023年7月の記事一覧

自分が楽しむのが第一

大学に勤めていると、「どうしてそんな研究をしているんですか?」というような質問をされることがあります。もちろん研究の動機には色々なものがありますが、最も大事なのは”知的好奇心”だと思います。発明は、それまで不便だったものを便利にする具体的な行為ですが、研究は必ずしも成果に結びつくわけではありません。 研究者という人種は、自分が興味があることや、まだ明らかになっていない謎の解明などのために研究を実施しています。工学分野は、経済的なことも考慮に入れなければなりませんが、それでも

線虫の驚異的な潜在能力

線虫とは、線形動物門に属する動物の総称で、タイトル画のように基本的には細長い形をしています。英語で線虫はroundwormまたはnematodeと言います。これは線虫の断面が丸いからだそうです。線虫の大きさは、成虫でも長さは1ミリ程度なので、肉眼では観察することが難しい動物です。線虫には”虫”が付きますが、昆虫の仲間ではありません。しかし、昆虫と同じように脱皮します。 線虫の種類はこれまでに2万種以上が記載されていますが、地球上の様々な環境に適応して棲息しているので、実際に

ウナギのイントネーションについて

明日(7/30)が”土用の丑の日”ということもあって、スーパーでは大量の蒲焼が置いてあったと、買い物に行った妻から聞きました。我家は、イタダキ物の”天然鰻の蒲焼”を、鰻丼にしてお昼に頂きました。真空パックに詰められたものを、レンジでチンしてご飯に乗っけただけでしたが、ふっくらした食感でたいへん美味でした。 ところで、”うなぎ”の発音というかイントネーションの位置は、全国的には”うなぎ”という具合に、後半にイントネーションの位置が来ます。大昔は”むなぎ”と発音していたようです

超音波と犬笛

弾性波探査の授業で、様々な波動の説明をするため、音波や超音波について説明したことがありました。超音波はよく聞く名称ですが、意外と一般の人はその定義については知りません。 一般的には、超音波とは”周波数が高くて耳に聞こえない音”のことです。人間に聞こえる周波数の範囲(可聴域)は、和太鼓のような低い音(20 Hz)から、蚊の羽音のような高い音(20 kHz)くらいまでの間とされています。ところで、時報に使われている例の音は約880 Hzです。工業分野では、2 kHzや14.5

ラジオ体操と赤い三角定規

今から半世紀以上も前、小1の時に”はじめてのラジオ体操”に行きました。終業式の日に、担任の先生からラジオ体操カード(?)をもらって、次の日からラジオ体操が始まりました。 その時は『ラジオ体操』が一体何をするのかわからないまま、早朝無理やり起こされてラジオ体操に行きました。眠気眼を擦りながら会場に向かうと、地域の子供会の世話役の大人や、一年生から見れば十分”大人な”上級生たちがいました。 6時ちょうどになると、ラジオ体操が始まりました。周りのお兄さんお姉さん達を見ながら、何

ハイスペックも考えもの

ハイスペックは、高機能を表わす high-specification の短縮形である high-spec が由来です。元々は、高性能な機械やコンピュータなどに使われていましたが、最近では”ハイスペック男子”のように生身の人間にも使われるようになっています。 婚活市場での”ハイスペックな男性”とは、一般的に高年収・高学歴・高身長のいわゆる”3高”を満たしている男性を指します。この”高年収・高学歴・高身長”という条件は、昔からハイスペック男子の必須要素として考えられてきました。

こんな偶然ある? 追ウナギ

昨日の記事では、ネタが無かったので、久々に食べたウナギの話を書きました↓↓。しかし、何ということでしょう。今朝、宅配便でウナギのかば焼きが届きました。まさに追ウナギです。しかも”天然ウナギ”でした。ウナギの販売元は福井県にある海産物を取り扱っている店でしたが、ウナギは”宮崎産”と化粧箱にハッキリと書かれていました。偶然ですが、昨日の記事では宮崎県の西都市にある”天然ウナギの鰻屋さん”の話も書きました。 朝、家のインターフォンが鳴ったので「どちらですか?」と確認すると、「宅配

久々にウナギを食べました。

今日はチョッとしたイベントがあって、久しぶりにウナギを食べました。暑い時には食欲が落ちますが、ウナギを食べて”パワー!”を注入しました。ウナギ料理の定番は、かば焼きや、かば焼きがご飯の上に乗った鰻丼や鰻重です。福岡には、これ以外にもウナギの定番料理があります。それは、『鰻の蒸籠蒸し』です。 ウナギのセイロ蒸しは、ウナギのタレをご飯の上に、錦糸卵とかば焼きを乗せて、蒸籠で蒸しあげた料理です。私は大分の田舎出身ですから、福岡に来るまでセイロ蒸しの存在は全く知りませんでした。私は

物質の四態

物質の三態というのは聞いたことがあると思います。これは、固体・液体・気体の3つの状態のことです。物質にエネルギーを加える、物質内部の原子が振動します。エネルギーが最も少ない状態が固体で、この時には原子間のつながりが強く、原子は自由には動けません。さらにエネルギーを加えると、原子間の拘束は緩やかになり、比較的自由に動き回れます。この状態が液体です。もっとエネルギーを加えると、原子はもっと自由に動き回れるようになります。これが気化で、気化した状態の物質が気体です。ここまでは、中学

ワークマンは仕事人の救世主?

これは企業の広告ではありません。あくまでも個人の感想です。 先週末、ワークマンで夏用の作業着を買いました。これは、8月末のフィールド調査のためのものです。作業着の上下は、メッシュ入りの薄手の軽い生地でした。また、同時に”冷感”をウリにした長袖のインナーも買いました。夏場の作業でも、山の中に分け入りますし、虫よけなどの意味もあって夏でも作業服は長袖が基本です。 今日は久々に天候が安定していたので、予定していた野外実験を実施しました。丁度よい機会だったので、新しく買った作業着

福岡はハイブリッド麺料理がお好き!?

カップ麺の老舗・日清食品には、カップヌードルとシーフードヌードルのハイブリッド商品↑↑があるみたいです。実は福岡には、ハイブリッドな麺料理が色々とあります。 まずは今の季節にピッタリの、『ラーソーメン』です。ラーソーメンとは、福岡の居酒屋『ふとっぱら』の創作麺料理です。いわゆるラーメンとソーメンのハイブリッド麵です。この麵は、ツルツルの細麺(ラーメン)を醤油ベースの甘いタレにつけて食べます。私も一度だけ食べたことがありますが、さっぱりした味なので、飲んだ後の〆にはピッタリで

蝶がヒラヒラ 生物多様性ゾーン

先週の水曜日、伊都キャンパス内の生物多様性ゾーンでテスト実験を実施しました。この時の準備中に、小型の蝶であるモンシロチョウやモンキチョウ、大型のクロアゲハ(タイトル画↑↑)やカラスアゲハなどの蝶を数多く見ました。 生物多様性ゾーンは、九州大学が伊都キャンパスに移転する前の自然が残されています。元々、この地域はミカン山だったので、今でも放置されたミカンの木などが残っているのでしょう。そのため、幼虫時に柑橘系の植物の葉を好んで食べるアゲハ蝶などが、目立つのかもしれません。 私

"平均"にご注意

”平均”とは、大小・多少などの差が少なく、揃っていること。また、そうすることを意味します。統計や数学では、いくつかの数や量の中間的な値を求めることを指します。一般的には、数量の総和をその個数で割る相加平均を平均と考える場合が多いようです。しかしその他にも、相乗平均・調和平均などがあります。 相乗平均は、対数空間での平均を取るもので、バラツキの大きな数量の平均を求める時に役立ちます。調和平均は聞き慣れない平均かもしれませんが、数量の逆数の平均です。調和平均は、速度を変えて運転

山笠があるけん、博多たい!

朝起きた時に、いつものようにテレビを点けたら、NHKで『博多祇園山笠』の様子が生中継されていました。博多祇園山笠は、博多の総鎮守として知られる櫛田神社に山笠と呼ばれる作り山を奉納する神事です。この神事は、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。祭の期間は毎年7月1日から15日となっていて、最終日の未明には関係者が参列して櫛田神社祇園例大祭が執り行われます。そして、このフィナーレを飾るのが、『追い山』です。 ”櫛田入り”と呼ばれる山笠の奉納の後、『流』という近隣の町で構成