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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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2022年3月の記事一覧

新年度に向けて

今日は令和4年3月末日ですが、日本の慣習に従えば”令和3年度の終わり”になります。 日本は4月始まりですが、昔のヨーロッパでは3月始まりでした。ちょっとややこしいのですが、今の1月と2月にあたる月は昔は無くて、今の3月が昔の1月だったのです。それでは今の1月と2月の期間はどうなっていたかというと、”暦(曜日?)の無い日”だったのです。それは、農耕が発達した後にできた暦が、農業を基準にしていたからです。つまり、農作物が育たない現在の1月・2月は暦が不要な期間だったのです。

科学・非科学・未科学

 ある程度の科学的な知識が無いと、すぐに騙されてしまいます。例えば「絶対に儲かる投資」などは『確率』を知っていれば在り得ないことが理解できますし、「幸運を呼ぶ壺」も”霊的なものは今のところ証明されていない”ことを知っていれば買うことはありません。もちろん、デザインが気に入って”高価な壺”を自分の意思で買うことは構わないのですが・・・。原理や効果が明確なものは判断しやすいのですが、中には曖昧なものもあります。科学はまだまだ発展途上なので、全ての現象が解明されているわけではありま

科学で重要なのは『再現性』

 科学では再現性が重要です。再現性は科学的手法の主要な信念です。再現性というのは、条件を同じにすれば、同じ現象や同じ実験が同一の結果を与えることをいいます。再現性の対立概念は、事象が再現しないことであり、一回性や再現不可能性などと呼ばれます。  Aさんが、ある実験をして大発見をします。次に、その手法をAさんが論文として公表します。論文を見たBさんは同じ条件で実験をしますが、同じ結果がでません。これは再現性が無いので、Aさんの大発見は”科学”とは言えません。誰がやっても再現で

今日は卒業式で『巣立ちの日』

 今日は九州大学の卒業式で、多くの若者が学び舎から”巣立って”行きました。私の研究室でも、学部4年や修士2年の卒業しました。厳密にいうと、4年生は卒業ですが、大学院の場合は修了といいます。  厳しい大学入試を乗り越え、卒業研究を乗り越えたわけですから、ある程度の達成感はあるでしょう。多くの卒業生は、大学の試験や研究を厳しいと感じたかもしれませんが、実は大学は”ぬるま湯”です。このことは、社会に出てから思い知ることになります。『お金(授業料)を払って学ぶ』のと、『お金(給料)

紙の本の将来

 木版による印刷は歴史が古いらしいが、金属活字を発明したのは、グーテンベルクとする説が最も有力です。グーテンベルグは、1445年までに活版印刷技術を考案して、その機器を実用化し、自ら印刷業・出版業を創設したといわれています。日本や中国では、文字(漢字)の数が多いため、木版を含めた活字の普及はなかなか進みませんでしたが、西洋では文字数が少ないため、活字の活用には有利でした。  金属活字を使った印刷技術が普及し、それまで高価だった本が比較的安価で購入できるようになると、様々な情

ピカソの『30年と30秒』

 YouTube動画を見ていると、時々、動画視聴を邪魔をするような(?)コマーシャル動画が出てきます。いつもは、”広告をスキップ”を待って、速攻でスキップするのですが、スキップし忘れたり、興味が出てきて”惰性で”見てしまうことがあります。この話は、ビジネス書(?)の広告動画で出てくるピカソのエピソードの話です。この話が実話かどうかは知りませんが、このエピソードは色々な解釈ができるので、とても面白いと思いました。  パブロ・ピカソは、キュビスムの創始者として知られる、フランス

通勤途中の気になるお店#3 牧のうどん今宿店

 全国的には、福岡市は”豚骨ラーメン”のイメージですが、うどん屋さんも結構あります。実は、福岡ではうどん屋の数がラーメン屋の数を上回っています。有名なうどん屋さんは数多くありますが、『牧のうどん』もその一つです。  通勤途中には、この『牧のうどん今宿店』があります。この店は、前回の『日本一たい焼』の隣にあります。『牧のうどん』は”マキのうどん”というイントネーションで読むのが正しいのですが、福岡の多くの人は”マキノうどん”と言うイントネーションで発音します。私も初めて「マキ

自然災害の予測は本当に難しい

 3月11日に『天災は忘れた頃にやってくる』という記事を書いて、一週間も経たないうちに、東北地方で大きな地震が発生しました。今回は地震でしたが、津波や火山噴火も正確には予測できません。自然災害の中で唯一予測が出来て、事前準備が可能なのは台風ですが、それでも大型台風では人間の小さな力ではコントロールできません。  今回の地震で、直接的な被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。また、東北新幹線の脱線が例として分かり易いのですが、直接的な被害のあとには、それに関連した副次的な被

研究不正はダメ!。絶対!

 名古屋大学は、同大の研究チームが2019年に科学誌『ネイチャー』で発表して翌年に撤回した論文と、その関連論文の計3本について、データの捏造などの研究不正があったと発表しました。3つの論文はすでに撤回されたそうですが、撤回すればよいという問題ではありません。そもそも、研究不正はあってはならないのです。  論文は最先端の炭素素材・グラフェンナノリボンに関する論文だったようです。読んだ記事によれば、合成した物質の分子量や構造などを示す実験データの使い回しなど、3論文に載った27

通勤途中の気になるお店#2 日本一たい焼 福岡生の松原店

 通勤途中に、『日本一たい焼』という自らハードルを高めに設定したタイ焼き屋さんがあります。この店名の由来は、創業者が最初に食べたときに、「このたい焼きの味はニッポンイチたい!」と博多弁で言ったのが始まりだそうで、その時の感動を店名にしたそうです。『日本一たい焼』は、1992年、今から30年前に1号店の元祖佐賀城原店がオープンしてから、今では全国30店舗以上に拡大しています。その中の一店が、ここ”生の松原店”です。  この店に入ったことはまだ一度も無いのですが、妻が買ってきた

いい国作ろう、鎌倉幕府

 その昔、日本史を習っていた頃には、年号を数字の語呂合わせで覚えることをやりました。例えば『鳴くよ(794)ウグイス、平安京』みたいなやつです。社会の先生から教えられたり、塾の先生に教えられたりした経験がある人は少なくないでしょう。その中でも、定番なのが『いい国(1192)作ろう、鎌倉幕府』です。  今年のNHK大河ドラマは『鎌倉殿の13人』で、今日も8時から見ました。鎌倉時代は長く続きましたが、”源氏”が支配していた時代はわずか30年位で、残りは北条氏が執権として中心的な

愛読書 『数理のめがね』

 坪井忠二先生は、日本の物理学者(地球物理学)で随筆家です。生前は、東京大学理学部の教授で、東京大学名誉教授でした。坪井忠二先生は、前回の記事に書いた寺田寅彦先生の弟子としても知られています。坪井先生は、地震や重力の研究が専門で、『地殻の物理的性状に関する研究』で日本学士院賞を受賞しているエライ先生です。残念ながら、今から40年前に鬼籍に入られていますので、直接お会いしたことはありません。  坪井先生は、師の寺田先生と同様に軽妙なエッセイを数多く残しています。その中でも私が

天災は忘れた頃にやってくる

 今日は3月11日。多くの人が忘れることのできない、東日本大震災の起こった日です。私も、あの日のことをよく覚えています。私が住んでいる場所は福岡市なので、地震の直接の被害はありませんでしたが、ある出来事があって、鮮明に覚えています。  当時、3月11日が締め切りの原稿を頼まれていて、締め切り日にようやく完成した原稿を東北大学の先生にメールで送りました。しかし、メールは届きませんでした。少しして、東北で大きな地震があったことを知りました。あとでわかった事ですが、この地震で東北

通勤途中の気になるお店#1 ウイラサクレックムエタイジム九州

 自宅から大学までの通勤には、自家用車を使っています。以前は、公共の交通機関を使っていたのですが、風雨によって筑肥線が不通になることが頻繁にあった年に、マイカー通勤に切り替えました。  車で通勤していると、通勤途中の何気ない景色が気になります。私は海岸沿いの道を通るので、奇岩/巨岩がある長垂のペグマタイトを毎日見ています。また通勤途中には、入ったことは無いのに、ちょっと気になる店がいくつかあります。  初回の気になる店は、何かを売っている通常の店ではなく、スポーツジムで