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いい国作ろう、鎌倉幕府

 その昔、日本史を習っていた頃には、年号を数字の語呂合わせで覚えることをやりました。例えば『鳴くよ(794)ウグイス、平安京』みたいなやつです。社会の先生から教えられたり、塾の先生に教えられたりした経験がある人は少なくないでしょう。その中でも、定番なのが『いい国(1192)作ろう、鎌倉幕府』です。

 今年のNHK大河ドラマは『鎌倉殿の13人』で、今日も8時から見ました。鎌倉時代は長く続きましたが、”源氏”が支配していた時代はわずか30年位で、残りは北条氏が執権として中心的な役割を果たしていました。鎌倉幕府の成立は、”源頼朝が征夷大将軍となった”1192年が昔の常識でしたが、現在は”平家が滅亡した”1185年が鎌倉幕府の成立した年と考えられています。そのため、イイクニ(1192)ではなくイイハコ(1185)と覚えるのだそうです。”いい箱=武士団をまとめる(箱の役目をする)幕府”なのでしょうが、イイクニで覚えたオジサンには、いまいちピンときません。

 何年か前に、三遊亭円丈さんの創作落語で、”父親が子供に日本史を教える”話を聞いたことがありました。その中で、答えを知っている子供が父親に尋ねます。「父さん、鎌倉幕府が成立した年号を知ってる?」。「もちろん知ってるさ。ヨイクニ作ろうだから、4192年だ」と父親は即答します。「父さん、今はまだ21世紀だよ。4192年は未来のことだよ」と子供が言いますが、父親は負けていません。「お前は物事を知らないなぁ。”歴史は繰り返す”と言うだろう」と言って、子供を煙に巻きます。

 人類は忘れっぽいようで、これまで不幸な歴史が何度も繰り返されてきました。しかし、戦争だけは繰り返して欲しくないと切に願います。

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