逃避の散歩 160.国府道
◇
以前、都道14および432号・方南通り(153回)のルートを確認するため、グーグルマップを見ていたときのこと。同通りの南側に通る「国府道」と書かれた道が気になった。
事前に検索をしてみると、かつてあった武蔵国府(現在の府中市あたり)からの道だとか、鎌倉街道の一つだとか、この辺りから杉並区の大宮八幡宮までの道だとか話にばらつきがある。いわゆる古道だったらしいのだが、調べ方が悪いだけなのか決定的な根拠となる由来は分からなかった。
とりあえず、(少なくとも自分の中では)謎に満ちているこの道を東から西へ歩いてみようそうしよう。一部は方南通りと重複するから同通りの逆行版として楽しめそうだ。
東京メトロ西新宿駅2番口(98回)がある東京医大病院前交差点から都道4号・青梅街道を西へ4分。成子坂を下って成子天神下交差点の先にある都営バス成子坂下停留所そばの角がグーグルマップで国府道とされる道の東端とされる地点だ。道しるべもなく、道路番号が付いているわけでもない。
そうはそうと、今日はちょっと雲行きが怪しい。持ち歩いている折りたたみ傘くらいで済むくらいの降雨だったらいいけど。
最初はビル街の間を通り抜けるような感じだ。歩き始めてすぐ、右へクランクしていく。そして丁字路の突き当りに出たら左前にある区立淀橋第三小学校だった建物と土地を利用した施設の横道へ入り、左へのカーブを抜けていくと細かく蛇行を繰り返す道が続いている。
5分で十二社池の下停留所前に出て右へ。方南通りの終点でもある熊野神社前交差点に出たところでぽつりと雨が降り始める。まずは熊野神社前交番の方へ移動してから方南通り方面という2段階で横断歩道を渡り左折、十二社通りを少し入った最初の角に続きがある。
8分に住宅街の間を抜ける道へ入る。やはり細かい蛇行が続く道だ。進み始めてまもなく、雨の降りが強くなってきたので折りたたみ傘を開いて先へ。
10分に味わい深い店構えの店舗が並んでいる十字路でふと、以前この辺りを通ったことがあるのを思い出す。区内11駅ラリー(98回)で新宿駅西口から都営大江戸線西新宿五丁目駅へ向かった時の道だ。やはり、その先の左へカーブする角には同駅裏の自転車置き場に向かう小路がある。
今回はその角を曲がって先を進む。すぐに勾配のある上り坂がお出迎えだ。まだ細かく蛇行し、13分に区立新宿養護学校で坂上になり、さらに先を進むと突き当りで右、左の順で連続の直角カーブを通り、関東国際高校の裏側を抜けて二つ目の丁字路を右折する。
ガソリンスタンドとコンビニエンスストアの間を抜けて17分に都道317号・山手通り(154回)との交点である関東国際高校前交差点に出る。同交差点から北に渋谷区、南に新宿区の案内標識がある。ちょうど両区の境目にいる状態だ。
横断歩道を渡ると渋谷区に入る。少し進んで小中一貫校の区立渋谷本町学園に差しかかるところで下り坂になり、坂下で施設の建設工事のため仮囲いで覆われた同学園第二グラウンドの角を右へ入る。和泉川暗渠(117回)の地蔵橋跡を過ぎ、信号付きの交差点を渡って大きく左へカーブする。
区のコミュニティバスであるハチ公バスの本町五丁目停留所を過ぎ、幡ケ谷氷川神社の先で二差路になり、右の上り勾配がある道へ進む。坂上で進行方向左側にある日本郵便の社宅跡の出入口にある住居番号表示板で中野区に入ったことを知る。渋谷区、やっぱり短かったな。
同社宅跡の向かいは東京大学教育学部附属中等教育学校のグラウンドで、そのまま隣の区立南台いちょう公園前を通って信号付きの交差点を渡り、みなみ台商店街のゲートをくぐる。現在はぽつぽつと店がある程度になっているが、以前はかなりの数の店があっただろうことは想像できる。
35分に都道420号・中野通り(鮫洲大山線、65回)との交点となる交差点に出る。横断歩道を渡り、また同商店街のゲートをくぐる。それから2分ほど進んだところでまたゲートがあり、そこで商店街が終わる。そして左へ大きくカーブしつつ勾配のある坂を下っていく。
右前方にコイン―パーキングがある十字路で坂下になり、そこで右折。そこから2分ほど進んだところで右へ大きくカーブし、区立南台三丁目公園を経て中華料理屋が向かい合いに2軒ある十字路に面した多田神社を過ぎると左へ曲がる。
曲がった先で少し直線になり、神田川に架かる角田橋を渡ったところで44分が経過。この橋の隣が方南通りを通す栄橋だ。ここから少しずつ上りの勾配になり、信号がある名無しの交差点で信号待ちをする。
この交差点は右折すればすぐに方南通りの丁字路交差点へ合流する位置にある。グーグルマップによると進行方向から見て右奥の車両用信号がある細い道が続きらしい。横断歩道を渡り、左右に蛇行しながら坂を上る。
坂を上り切ったところで杉並区に入る。それは電柱の広告看板の下にある町名表記でわかる。そしてそのまま進んでいき48分に方南通りへ合流。ここから同通りとの重複区間を進むことになる。
路面の水たまりに雨粒の波紋が見られなくなってきた。東京メトロ方南町駅(66回)の2番口がある方南銀座アーケード街を通り、環状七号線との交点となる方南町交差点で雨が止んだのがわかったので、傘をたたむ。そして横断歩道を2段階で渡り、歩道を対向の北側に変更する。
あとは以前と逆方向にしばらく進むだけだ。
59分に大宮八幡入口交差点から右に見える一方通行の道に入る。この道はこの先で都道428号・荒玉水道道路(136回)と都道427号・瀬田貫井線(137回)に交差していて、通航制限のある時間を除き、新宿方面へ出る抜け道として車がよく通る。
こちら側から入り、商店が並んでいるところは道幅が狭いが、少し進むと2車線分の広さになる。途中で荒玉水道道路との交差点を経て、1時間5分に突き当りで瀬田貫井線と合流し、大宮八幡宮の表参道、一之鳥居前の丁字路に出る。(トップ画像参照)
横断歩道を渡ってから同鳥居前を左折。歩行者用の白線がないので、向かいから来る車の動きに気を付けながら瀬田貫井線から方南通りに戻り、大宮八幡前交差点を右折して西永福方面へ進む。
1時間9分、交差点がある大宮八幡宮の南大鳥居前に出る。進行方向から見て社合碑の右側にある道に入り、また方南通りから離脱する。ここまで来るとあと数分で終点に着く。なぜわかるかというと、この辺りは学生時代から自転車で通過したり、歩いたりして少しだけ土地勘があるからだ。
右へカーブしながら進むと右側に高千穂大学の柵が目に入り、同大学の校門前を通過すると更に右へカーブする。そのカーブを抜けると目的地が目に入ってくる。
1時間12分、グーグルマップで西端とされる四差路交差点に到着。交差点として形状が特徴的ではあるけど、正直地味だ。右の道は23区役所巡り(130回)で善福寺川(27回)の大成橋を渡り、和田堀公園と善福寺川緑地の間を抜けたときに通った。
さて、ここから近い鉄道駅は京王井の頭線西永福駅だが、ちょっと遠回りして浜田山駅まで行こう。行き方はまず左の道をずっと直進する。1時間13分に大宮児童館前交差点、1時間18分に浜田山四丁目交差点、1時間19分には区バス「すぎ丸」の浜田山小学校南停留所を過ぎる。
1時間20分、浜田山歩道橋を過ぎて浜田山駅入口交差点に出る。進行方向前方を見ると、同交差点をはさんで都道14号・人見街道(141回)の起点がつながっているように見える。実は国府道の終点からここまでの道は、都道として定められていない古道としての人見街道の一部だそうな。
あとは左折して3分ほど南下すれば京王井の頭線浜田山駅に到着。そして渋谷方面の電車に乗ってこの場から撤退だ。
◇
◇