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2日間で12万8500人 第99回石巻川開き祭り たおやかな大漁踊りで閉幕

 3年ぶりの熱気に包まれた「第99回石巻川開き祭り」(同実行委主催)は7日、フィナーレの大漁踊りで閉幕した。実行委調べで来場者は6日と合わせ延べ12万8500人。令和元年の19万4千人を大幅に下回ったが、コロナ禍では最も中心市街地がにぎわった2日間となった。感染対策とにぎわい創出の両立を掲げ、試行錯誤の末にたどり着いた異例の祭り。人々は思い出を胸に刻み、来年に控えた第100回記念に弾みをつけた。

 今年は2日間とも天候に恵まれ、最高気温は両日とも25度前後と過ごしやすかった。実行委によると、打ち上げ花火のあった6日は8万1500人、鼓笛隊パレードなどが繰り広げられた7日は4万7千人の人出。実行委は「基本的な感染対策を施し、来場者もルールを守って楽しんでいた」と総括した。

そろいの浴衣や法被姿で祭りの閉幕に彩りを添えた

 祭りのトリは港町の夏にふさわしい大漁踊り。7団体220人がそろいの浴衣や法被に身を包み、アイトピア通りから立町大通りにかけた約500㍍を踊り進んだ。

 まちなかに「大漁唄い込み」が流れ、音に合わせて太鼓も打ち鳴らされる中、それぞれがたおやかな舞を披露。終盤の立町大通りでは、まぶしい西日が踊り手と観客を照らし、マスク越しでも分かる笑顔とさわやかな汗が輝いた。

 立町の青山澄江さん(83)は「3年ぶりににぎわいが戻りうれしい。久々に石巻らしい夏」と語った一方、「昭和の最盛期は大漁踊りも1千人以上が出演した。あの時代を知る者からしたら少し寂しい気持ち。コロナが今より落ち着いたころには、もっと人が戻ることを期待したい」と話していた。
【山口紘史】


夜空と水面染める大輪
内海橋上流で打ち上げ花火

 川開き祭りの6日夜に花火大会があり、内海橋上流から約6千発が打ち上げられた。住吉町の大島神社周辺など北上川両岸に有料を含む観覧場所が設けられた。

 3年前の打ち上げ場所だった中瀬公園から、約900㍍上流の内海橋と石巻大橋の中間点に台船を設置。2.5号玉10連発やスターマイン(速射花火)などが夜空を焦がした。

内海橋も完成し、大きく変わったまちなかで花火が上がった

 花火大会は2部構成で、最初の15分間は供養花火「いのり」。次は疫病退散祈願花火「きぼう」をそれぞれテーマとした。

 同市八幡町の高須賀正忠さん(46)は「3年ぶりに職場から花火を見た。以前より遠くなったが、1発目が上がると周囲から歓声が聞こえ、いつもの川開きムードが戻ってきたと感じた。橋も増えて人の流れも変わったように思えた」と話していた。【渡邊裕紀】




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