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開幕!石巻川開き祭り 3年ぶり夏のにぎわい うれしいけど感染不安

 石巻市の夏を彩る最大のイベント「第99回石巻川開き祭り」(同実行委主催)が6日、開幕した。コロナ禍による中止を挟み、3年ぶり。打ち上げ花火や陸上パレード、孫兵衛船競漕など主要行事が復活し、7日までの2日間の日程で行う。メイン会場の中心市街地は歩行者天国となり、各所で屋台が出店。色とりどりの七夕飾りの下では子どもたちの楽しそうな声と笑顔があふれ、まちは久しぶりのにぎわいに包まれていた。

 コロナ禍のおととしと昨年は集客行事を見送り、祭典行事のみ実施。いまだ県内コロナ患者は増加している状況で、祭りも完全復活とはならないが、感染対策を講じて規模縮小しながら開催にこぎ着けた。

七夕飾りの下を楽しそうに歩く子どもたち

 実行委は、より多くの人が参加できるよう今年は開催日を8月第一土、日曜日に変更した。大台となる来年の100回の節目へにぎわい再生と、感染対策の両立を目指す祭りとする意気込みだ。

 中央から立町にかけた大通りは車両通行止めの歩行者天国とし、軽食販売の屋台が軒を連ねた。初日は天候に恵まれ、コロナ禍前のにぎわいとまではいかないが、朝から多くの人が来訪。浴衣姿の子どもたちはマスク越しに笑顔を弾けさせた。

 友達グループで足を運んだ鹿妻小6年の遠藤漣さん(11)は「今夏もコロナ禍でどこにも遠出ができなそうなので、川開きがあって良かった。良い夏の思い出になる。夜の花火は家族で楽しむ」と話していた。長女(6)を連れて訪れた貞山の鎌田美代子さん(41)は「少しでも子どもに楽しい思いをさせようと足を運んだが、思った以上に人が多かった。いまだ感染不安は拭えないので、長居せずに帰ろうと思う」と語った。

 きょうは午後7時半から石巻大橋下流で6千発の花火が打ち上がるほか、7日は小学校鼓笛隊パレードや大漁踊りなどがある。【山口紘史】


船影浮かべ川面に水しぶき
水上バトル・孫兵衛競漕 心一つにオールさばく

 石巻川開き祭りの呼び物の一つである孫兵衛船競漕は6日、開北橋下流の旧北上川で予選レースが始まった。3年ぶりの開催となり、職場や地域の仲間で組まれたチーム同士が涼しげな水上で熱い戦いを繰り広げている。

 10人乗りの一般は第40回、女子のみ6人乗りのミニは24回目を数える手こぎのボートレース。一般は4チーム辞退の21チーム、ミニは8チームが出場した。今回はコースを上流側に変更し、開北橋から下流400メートルの区間で競った。

女子のミニ孫兵衛船競漕

 予選は最大3チームが同時に出艇。堤防沿いでは職場の同僚ら多くの人が観戦し、感染対策で大声を出さない代わりに熱い視線を送った。

 平成28年以来の優勝を目指して出場した南光エースの相沢尚輝さん(37)は「孫兵衛船は普段、部署が違う仲間が集まる機会。久しぶりの開催でも心を一つにでき、絆を感じた」と満足げ。

 ミニで初出場となったヒノケンGirlsの高橋美来さん(23)は「みんなで盛り上がるのが川開き。初めて船に乗って楽しめた。次は絶対優勝します」と予選敗退もさわやかだった。

 あすは午前9時から競技開始し、決勝はミニが10時半、一般が10時45分の予定。【熊谷利勝】


市街地に検温ゲート設置 感染拡大防止を徹底
歩き飲食はお断り

 祭実行委は感染拡大防止の一環で、来場者にマスク着用などを呼び掛けるとともに、立町大通りなど中心市街地の3カ所に検温、手指消毒ができるゲートを設置。また、スマートフォンなどからアクセスできる参加事前登録フォームに名前や連絡先、観覧プログラムなどの任意登録を求めた。

中心市街地3カ所に検温、手指消毒のゲートを設けた

 今年は屋台で購入した軽食なども歩きながらの飲食は禁止。家に持ち帰るか、いしのまき元気いちば前などに設けられた飲食スペースでの喫食を呼び掛けている。

 ゲート担当者は「それぞれに感染予防を心掛けていただきながら、祭りを楽しんでほしい」と話していた。【山口紘史】




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