矢本西小におばけが大集合 懐中電灯が照らす先には 校舎1棟使って恐怖体験
■親子約300人 夏の思い出作り
懐中電灯を手に夜の学校を歩く、創作おばけ屋敷「第2回西小におばけが大集合」が2日、東松島市立矢本西小学校であった。親子約300人が恐る恐る暗がりの校舎内に足を踏み入れては、突如現れるおばけに悲鳴と笑い声を上げ、夏の夜を楽しんだ。
イベントは、おばけ屋敷創作団体「バケラッタ」(外処健一委員長)の主催。同校が全面協力し、校舎を丸ごと使った。矢本一中生や市内外の高校生、石巻赤十字看護専門学校と石巻専修大学の学生、保護者らが参加し、2日半かけて校舎内をおばけ屋敷に改装。段ボールなどでコースや装飾品を作り上げた。
校舎2階が「ちょっと怖い」、3階は「すごく怖い」に設定。参加者数は事前に学校で取りまとめたが、約7割が「すごく怖い」を選択した。感染対策で集合時間をずらし、2―5人で1グループを組んだ。
集合場所の体育館では酒井勝則校長が怖い話をし、子どもたちの緊張感は頂点に。希望コースに分かれ、校舎に踏み込むもいつもと違う凛とした空気を肌で感じ、足が思うように出ない。おばけ役は児童の様子に応じて怖さを調整した。
2階はかわいいキャラクターもいたが、3階はゾンビ、髪の長い幽霊などが潜んだ。出発口で1グループに2枚のお札が配られ、どうしても怖いときはこれをおばけに投げると10秒間動きを止めることができる救済措置もあったが、それでも恐怖のあまりにリタイアする児童もいた。
悲鳴や笑い声を上げつつ、ゴールにたどりついた子どもたちは皆笑顔。1年生の沼倉理玖君は「怖くなかったけど、血まみれのピエロが少しびっくりした」、同じく奥田乃衣ちゃんは「とっても楽しかった。また次も参加したい」と語った。
外処委員長は「おばけ屋敷という非日常の体験は、普段と違う行動が現れる。怖くてふさぎ込むのか、逃げるのか、仲間を助けるのか。この行動こそ有事の対応。疑似体験したことで子どもたちが万が一のとき、しっかりと命を守る行動に結びつくきっかけになればよい」と話していた。
バケラッタは、10月30日に矢本東市民センターで一般向けにおばけ屋敷「化けものフレンズ」を開く。参加費は大人300円、小学生200円(予定)。時間は午後2時から同8時半を見込み、誰でも入場できる。【山口紘史】