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施設でゆったり服選び フジヤ・初の移動販売 デイサービス「おながわ」企画

 衣料品や日用品を扱う(有)フジヤ(伊勢慎太朗社長)=本社・石巻市あゆみ野=は、女川町浦宿浜のデイサービスセンターおながわ(齋藤俊園長)で初の移動販売を行った。不織布マスクなどの日用品からしゃれたファッションアイテムまで約400点を搬入。同センターの利用者と併設する特別養護老人ホームの長期入居者のほか、地域住民も訪れ、会話に花を咲かせながら商品選びを楽しんだ。

利用者や近隣住民来場

 施設の利用者からは以前から「買い物を楽しみたい」「出掛けたいけど足がない」と声が寄せられていた。これに応じるため、在宅支援課長を務める所慎一郎さん(56)が中心に企画し、地元企業であるフジヤに訪問販売を提案した。

買い物を楽しむデイサービスの利用者

 県内の他施設で勤務経験のある所さんによると、介護施設への事業所の移動販売は、長期入居者を対象にしたものがほとんどという。今回は買い物を楽しむにも足がなく、出掛けるのをためらいがちなデイサービスの利用者にも声掛けしたほか、施設付近の住民も招いた。

 移動販売は25日に施設の一室を使って行われ、日用品や女性向けの衣料品が並び、価格帯は500―3千円ほど。来場者同士で試着しながらお目当ての品を探していた。

 デイサービス利用者の雁部ともゑさん(90)は職員に付き添われ、カーディガンや靴下を購入。「前から着ている服を手直しして着回しているため、新しい服を買ったのは久しぶり。とても楽しかったからまた来たい」と笑顔だった。

 地域の集会所で今回のイベントを知った柳澤芳子さん(86)=同町浦宿浜=は羽織ものや肌着、マスクを選んだ。「買い物は娘や孫に石巻の方へ連れて行ってもらうことが多い。大型店だと(フロアが)広くて商品を探しにくいが、ここだと目当てのものが探しやすく、歩いて来れるのも良い」と話した。

 企画を提案した所さんは「生活必需品だけでなく、おしゃれを楽しむ余裕も大事。協力いただいたフジヤさんに感謝」と語った。

 フジヤ経営企画室の伊勢瑛室長(35)は「想像以上に多くの方に来ていただけて正直驚いている。こうした形で買い物を楽しめる機会を作っていけたら」と展望した。【泉野帆薫】





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