見出し画像

18日から大川小震災遺構公開 伝承館で「事実」向き合う 遺族代表ら招き開場式

 石巻市は5日、東日本大震災犠牲者の追悼と教訓を伝える遺構として周辺整備した旧大川小学校について、18日午後1時半から一般公開すると発表した。被災校舎は外側からの見学となり、管理室や展示室、多目的スペースを兼ねた「大川震災伝承館」を置き、10年前の事実を伝える。入場無料。18日は午前10時半から国、県の関係者や遺族、大川小津波訴訟原告団の代表者ら約70人を招き、開場式を開く。

 整備面積は約3万3千平方メートル。被災校舎などを経年劣化も含めて現状のまま手を加えず残し、西側に芝生敷の広場や伝承館、北側に駐車場を整備した。校舎は安全を確保するため原則的に立ち入り禁止とし、校庭や中庭からの見学となる。

大川小震災遺構 (7)

 大川小では震災の津波で児童、教職員84人が犠牲になった。木造平屋約300平方メートルの伝承館では、壁面のパネルや模型、映像の展示により、学校を含む大川地区を襲った津波や被害を伝える。学校や市教委の事前防災の不備を認めて原告遺族への賠償を命じた大川小津波訴訟の判決内容も事実として示す。総事業費は約4億5千万円。

note用大川小遺構 (2)

 19日以降は年中無休で午前9時-午後5時に開場。伝承館の開館時間も同じ(最終入館4時半)だが、年末年始と水曜は休館(毎月11日など特別開館)になる。当面は市直営で、来年4月公開の旧門脇小震災遺構と合わせて民間に管理委託することにしている。

 5日の定例記者会見で齋藤正美市長は「同じことが二度と起きないよう、学校の避難に在り方を伝承しないといけない。多くの人に視察してもらい、防災の検証や教育の場に役立ててほしい」と願った。【熊谷利勝】


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。