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海の日(18日)に初出荷 旧映画館跡のビール醸造所 地元産ホップで年40キロリットル目標

 石巻市中央一丁目にできた石巻市では初めてのビール醸造所が18日の「海の日」にお披露目される。当日午前11時から午後3時まで駐車場を会場に「初バッチ記念ISHINOMAKI HOP WORKS開放DAY」と題し、来場者に初出荷のビールを販売する。

 6月16日にクラフトビール「巻風エール」の初めての仕込みが行われ、順次、発酵タンクが稼働。いよいよ初出荷のビールを味わえる日が決まった。

 「イシノマキホップワークス」と名付けられた醸造所を手掛けるのは、一般社団法人イシノマキ・ファーム(高橋由佳代表)。5年前から北上地区の休耕地を利用し、ビールの原料になるホップの栽培を行ってきた。

仕込み作業を行う岡醸造所長

 平成29年にはクラフトビール「巻風エール」を発売し、新たな石巻の特産品として話題になったが、これまではホップを岩手県一関市の醸造所に委託し、商品化していた。

 高橋代表が、たまたま下見したのが29年に休館になった映画館の日活パール。かつて酒の製造が行われていたという歴史も聞き、自前の醸造所を持つ決断をした。

 醸造所は約150席あった「シネマ1」に仕込み釜2基、発酵タンク4基を備えた。角田市のビール製造会社の仙南シンケンファクトリーで経験を積んだ岡恭平さん(40)が今年1月に醸造長として入社。「一からビール造りに取り組めるのは珍しい」と仕込みに心血を注いできた。

 当面、巻風エールのほか、苦みの強いIPA(インディアペールエール)、フルーティな味わいのヴァイツェンの3種類を製造し、年間40キロリットルの出荷を目指す。高橋さんは「老若男女が集まって交流できるような場所になればいい。巻風エール以外にも地場産品とコラボした石巻らしい新しいビールも作ってみたい」と展望を明かした。

 18日は、出来立てのビールをグラスやビンなどで販売(一杯500円から)。キッチンカーも出てソーセージなども販売する。希望者は、工場の見学もできる。ここでのビールの直売は18日のみ。翌日からは同市穀町の四釜商店、魚町の「うまいものマルシェ」などで販売される。今後、市内の飲食店にも販売網を広げていく予定。【本庄雅之】





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