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横綱白鵬引退 感謝と惜しむ声 震災後2市1町訪問 土俵入りに元気もらう

 大相撲の横綱白鵬が引退することが27日、明らかになった。インターネットや多くのメディアで「日本相撲協会に引退届提出」と報じられ、石巻地方でも驚きが広がった。東日本大震災直後には女川町、東松島市、翌年には石巻市を訪れ、多くの人を励ました。史上最多45回の優勝と14年以上頂点に立ち続けた大横綱に被災地で勇気づけられた人々は、感謝の思いを口にした。

白鵬が女川で土俵入り 018

女川町を訪れた白鵬(平成23年6月)

 「横綱が女川に来てくれて、町民の皆さんは大喜び。気さくに接していただいて感謝している」。当時、女川町総務課の広報係だった鈴木麻子さんは、当時を振り返った。土俵入りの際は、町民みんなが「よいしょ」の掛け声で盛り上がったという。「力士は皆さん大きかったけど、横綱は風格が違った」という。

 白鵬は、大震災後の平成23年6月7日に日本相撲協会の被災地巡回慰問に参加。避難所近くの女川町総合運動公園を訪れ、犠牲者に黙とうを捧げ、住民と交流。土俵入りで人々を元気づけた。同18日には東松島市の小野市民センターを訪ねた。

③大相撲フェスタ294

石巻総合体育館で行われた「復興応援フェスティバルin石巻」では大関稀勢の里と迫力ある取組を披露(平成24年8月7日 ※番付は掲載当時のまま)

 また、翌年8月10日には石巻市総合体育館を訪れ、小学生らと交わった。石巻相撲協会の鈴木剛副会長は「本当にありがたかった。子どもたちがとても喜んでいた」と感謝。「長い間、お疲れ様でした」とねぎらった。

⑦大相撲フェスタ 395

駆け付けた相撲ファンたちにサインをする横綱白鵬(平成24年8月7日)

 同協会の事務局長の平塚宏行さんは、今年で30回目を迎える石巻わんぱく相撲選手権大会を主催しており、白鵬は全国の小学生を対象にした白鵬杯を継続してきたことを評価。「相撲の伝統文化の継承、普及に力を入れてくれた」と感謝した。

 その上で「モンゴル出身で日本文化に溶け込むのに大変な苦労だったと思う。お疲れさまとありがとうと言いたい」と言葉を送った。【本庄雅之】


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