東北1部・コバルトーレ女川 5年ぶりにリーグ優勝 ＪＦＬの登竜門「地域ＣＬ」へ
女川町をホームタウンに活動するサッカーチーム「コバルトーレ女川」は25日、女川スタジアムであった東北リーグ1部第15節を3―1で勝利し、5年ぶりの優勝を決めた。これによって11月11日から国内3カ所である全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2022（地域ＣＬ）への出場権を獲得。アマチュア最高峰のＪＦＬ昇格を決める登竜門に2年連続で挑む。
コバルトーレのリーグ優勝は、ＪＦＬ昇格を決めた2017シーズン以来。5月15日に開幕した今季の東北1部は例年より2チーム多い12チームが参戦した。1位にはＪＦＬ昇格チームを決める地域ＣＬへの出場権が与えられるが、下位の9―12位は同2部に降格するという厳しいルールが採用された。
この日は勝てば優勝が決まる試合。ホームの女川スタジアムには約300人が来場した。感染症対策で声を出した応援は禁止されているが、スタジアムに響く太鼓のリズムに合わせ、サポーターたちが拍手で選手を鼓舞した。
試合は仙台大学のセカンドチーム「ＦＣ・ＳＥＮＤＡＩ・ＵＮＩＶ」と対戦。コバルトーレは先制点を奪いたかったが、12分に失点を許すと敵陣で攻撃を仕掛けきれず苦戦。しかし、42分に主将の黒田涼太が同点弾を決め、後半1分にはリーグ暫定得点王の野口龍也が粘りの逆転弾、同9分には吉森海斗がミドルシュートをたたき込み相手を突き放した。その後は守備陣が体を張ってゴールを守り、3―1の逆転勝利で優勝を決めた。
就任1年目でリーグ戦制覇を達成した中村雅昭監督は「大勢の応援のお陰で勝ち切ることができた。目標はＪＦＬ昇格。全国大会に向け、しっかり準備をしたい」と語った。
次の16節（10月2日）はリーグ最終戦。前期、唯一敗戦したブランデュー弘前ＦＣ（暫定2位）と女川スタジアムで戦う。午後1時キックオフ。試合後には優勝セレモニーが予定されている。【石森洋史】
2年連続で地域ＣＬへ 苦戦も仙台に逆転勝利
最終節残しリーグＶ
東北社会人サッカーリーグ1部の第15節が25日にあり、コバルトーレ女川はＦＣ・ＳＥＮＤＡＩ・ＵＮＩＶ（仙台）と女川スタジアムで対戦。3―1で逆転勝利し、最終節を前に5年ぶりとなるリーグ優勝を決めた。ＪＦＬ昇格を掛けた全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2022（地域ＣＬ・11月11日から）への出場権を手にした。
終盤に差し掛かったリーグ戦は14節を終えた時点で、1位のコバルトーレが勝点39、2位の弘前と仙台は勝点35で並び4ポイント差を維持。15節を勝利すれば、最終戦となる16節を前に優勝が決まる状況となっていた。
この日の試合はＧＫ末次、ＤＦは右から増崎、小川、酒井、中盤はアンカーに法師人、インサイドハーフに吉森と田原、ウイングバックの右に船木、左に池田、ＦＷは黒田と野口が組んだ。フォーメーションは後期から適応している守備重視のＭＦアンカーを置く「3―1―4―2」を採用。守備能力の高い法師人がゲームの舵取りを担った。
試合は両チーム、慎重に立ち上がったが、仙台は前回の対戦となった全社東北予選代表決定戦（8月28日）とフォーメーションを変更。ＤＦを5人配置する守備重視の「5―4―1」を採用しコバルトーレ対策の陣形で挑んできた。
ボール回しから攻守のリズムを整えたいコバルトーレだったが、中盤でボールを握れず、押し込まれる苦しい展開に。12分、中央を崩され先制点を許した後も相手の攻勢を抑えきれず守備に回った。自陣でのパス交換から前へ出るタイミングを探り、42分、右サイドを突破した船木からパスを受けた黒田がシュート。同点弾を決めて前半を折り返すと、後半キックオフ直後の46分、田原が前線へ放り込み野口が競って粘りのシュート。逆転ゴールを決めてリードした。
その後も、3バックの間からゴール前を狙われたが、守備陣と末次が落ち着いて対応。54分には右サイドでボールを持った増崎が前線へボールを運び、逆サイドへ展開。受け取った吉森のミドルシュートが決まり、相手を突き放した。
後が無い仙台は前掛りに攻め込んできたが、全員でゴールを守りきり試合は終了。相手の陣形変更にピッチ内で選手たちが対応し、逆転して地域ＣＬへの出場権を獲得した。
■ここからが本番
昨季、東北リーグはコロナの影響で中止。暫定1位だったコバルトーレに地域ＣＬの出場権が与えられたが、試合数がリーグの成立条件を満たさず、リーグ優勝とはならなかった。今季は15節終了時点で14勝1敗。勝利を積み重ね成長してきたチームは、5年ぶりのリーグ優勝を達成した。
ＪＦＬ復帰へ向けて、ここからが本番だ。10月15日には、鹿児島県志布志市で開かれる地域ＣＬの前哨戦「全国社会人サッカー選手権大会」へ出場。32チームによるトーナメントをどこまで勝ち上がれるかに注目だ。地域ＣＬは11月11日から群馬県前橋市、新潟県新潟市、徳島県鳴門市で1次ラウンドが開かれる。全国に9つある地域リーグのうち8地域で優勝チームが決まっており、ＪＦＬ昇格へ名乗りを上げている。
コバルトーレはリーグ最終戦を10月2日に残している。対戦相手はここまでのリーグ戦で唯一敗戦したブランデュー弘前ＦＣだ。まずは、東北を完全制覇し、全社とその先の地域ＣＬへ弾みを付けたい。最終戦は午後1時、女川スタジアムでキックオフ。【石森洋史】
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