喜多川泰「スタートライン」
去年からハマっている作家さん、喜多川泰さんの「スタートライン」を読んだ。
数えてみたら、喜多川作品を読むのはこれで8冊目。
今更ながら喜多川さんのプロフィールをウィキペディアで調べ、愛媛県育ちであること、教育者であることを知った。
今回読んだ「スタートライン」には、とりわけ喜多川さんの人生が反映されていたように思う。
主な登場人物は、高校3年生の大祐と真苗。
2人の恋愛模様をベースに、将来の夢や希望、自分の可能性についてしっかり考えさせられる内容になっている。
大祐と真苗の周りには、将来に夢や希望が持てず、周囲と足並みを揃えて安定した道を歩むことを目指し、それを勧めてくる友人がいる。
同時に、夢を追うことの大切さについて教え、導き、手本となってくれる大人がたくさんいる。
そんな環境の中、大祐と真苗がそれぞれの想いで一歩一歩前進していく姿は、多くの若者に勇気と希望を与えてくれると思う。
作中にもあるように、現実には大祐たちの周りにいるような大人と出会える確率はそれほど高くないだろう。
だけど、もしも出会えたとしたら、ひょっとするとその子の人生は大きく変わるかもしれない。
私自身、中学生ぐらいでこんな本に出会いたかった。
喜多川作品の登場人物は若い人が多いし、内容的にも学校の課題図書に向きそうだなと思った。
ちなみに、個人的には大祐がその後どんなことを成し遂げたのかがとても気になる。
真苗のことは書かれていたけど、大祐については書かれていなかったので。
でも、真苗とハッピーエンドが迎えられたことはとても嬉しい。
そしてまたひとつ、喜多川さんの本から多くのことを学べた。
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