喜多川泰「手紙屋 〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」

喜多川泰さんの「手紙屋 〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」を読んだ。

これで喜多川さんの作品を読むのは4作目。

今回読んだ「手紙屋 〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜」は、就職活動中の大学生「僕」が、偶然知った「手紙屋」と手紙でやりとりをする物語。

手紙屋から送られてくる10通の手紙を通じ、「僕」は就職活動や仕事、人生についていろんなことを学び、悩み、考えていく。

就職活動中の学生が読んだらストレートに内容が刺さるだろうし、そうでない人が読んでも、働くことについて考えさせられる内容だ。

手紙屋が「僕」に伝える内容は、どれも心に響くものばかり。

だけど、実際世の就活生がこれらのことを念頭に置いて就職活動ができるかといえば、おそらく9割の学生はできないと思う。

だけど、それらを実践できるほんの1割の人たちは、きっと将来すごく大きなものを得られるんだろうなと思う。

物語のほとんどは「僕」と手紙屋との手紙のやりとりが綴られているけれど、合間に語られる「僕」の近況も面白い。

喜多川さんの作品にはいつもどこかで泣かされるけれど、今回もうるっとする場面があった。

物語ラストで、「僕」が手紙屋の正体を知る場面。

読み進めながら誰が手紙屋なのか自分なりに予想して読んでいたけれど、まさかあの人だったとは!という驚きとともに、そんな知られざるエピソードがあったなんて、と感動。

まるで「あしながおじさん」みたい。

正直、最初は「就活生向けか〜」と思って読むのをためらったのだけれど、読んで良かった。

学びのある物語って良い。

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