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NO MUSIC NO BALLPARK

野球場はおもしろい。だって、そこでしか感じることのできない音楽が流れているから。

甲子園球場に初めて行ったとき”登場曲”に興味を持った。球場の独特の空気感のなかでしか味わえない音楽は、ほんの数十秒のものもある。球場で聴こえる音楽は、ヘッドフォンから聞こえてくる音とは違う、臨場感溢れるもので、試合どうこうではなく、その場にいることが『 楽しいな』と思えるキッカケになった。

そうやって音楽と球場、そして野球との関わりを『もっと深く楽しみたい』色んな人と、この球場で聴くあの曲がすごく良い!なんてことを共有したい(私が知って聴きに行きたい)と思ったのでNFBのnoteで【NO MUSIC NO BASEBALL】というマガジンを始めます!!!!(サムネイルすごく可愛い...さかかなさんに書いていただきました!)


マガジンでしたいこと

一体マガジンで何がしたいのか...となると、このマガジンでは”球場でしか味わえない音楽”について、ただただ個人的な感想をたくさん書いていきたいと思ってる。というのも、野球選手は登場曲を1年に1度ぐらいのタイミングで変える人が多いのも現実。だからこそ、その年・その場所でしか聞けない”レア曲”を音楽好きの私が聞き逃すわけにはいかないのだ…。

ちなみに、以前書いた記事で触れた埼玉西武ライオンズの野田昇吾選手は今年もofficial髭男dismの「ノーダウト」を登板曲にしていて、ちょっと嬉しくなった。

そうやって昨シーズンに気になった登場曲がいくつかあって、noteの下書きに書き溜めていたものの、なかなか外に出す機会がなかった…だからこそマガジンをスタートさせた今回は、最大のチャンス!1発目のこの記事の中で成仏させてやりたいと思う。

「アイネクライネ/米津玄師」

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「もうすぐ夏が終わるんだろうな」

お気に入りのハイネックタンクトップの上に何を着ようか悩んだ。夜は寒くなりそうだから、何か羽織るものを...と、私が選んだのは透け感のある黒色のカーディガン。好きな古着屋さんで買った洋服は、夏の終わりだからこそ着れる素材で、着る度に”もうすぐ終わる夏”の寂しさを体感させてくれる。

9月中旬の雨が少し降ったある日の夕方、私は阪神甲子園球場に向かっていた。久しぶりに会う友人と一緒に野球を観に行くことになっていたので雨が降っていようがいまいが関係なく、気持ちは晴れていた。席に座る前に焼き鳥を買い、いつも通り3塁ブリーズシートに座りとりあえずビールを頼む。ここまではいつも通りのルーティーン。実は少し肌寒い位の時に飲むビールが、結構好きだったりする。

試合を見つつも、久しぶりに会った友達の近況報告に耳を傾けていたある瞬間、突然鳥肌がたった。肌寒いのにビールを飲んだことが原因ではない。友達の近況報告にゾワッとしたわけでもない。突然、私の耳に聞き覚えのある曲が流れてきた。伝統のある阪神甲子園球場で、まさかとは思ってたが、米津玄師のアイネクライネが流れ始めたのだ。その曲は登場曲で使われていた。

打席に立っているのは阪神タイガースの53番・島田海吏(しまだかいり)選手。

選手が打席に立つ前に流れる登場曲は、だいたいは”サビ”などの良いところから流れることが多く、今回もアイネクライネのサビが流れていた。

正直な話、こんな曲を登場曲に使う選手がいることに驚いた。でも、私の身体に鳥肌がたったのはそんな理由だけじゃない。甲子園で流れる爆音のアイネクライネがあまりにも美しすぎたから、鳥肌が立ってしまったのだ。

これは以前書いた記事の中にもある、”perfumeのFLASHが甲子園ではすごく印象に残る現象”と似ているようにも感じた。米津玄師の声と曲の音が広い甲子園球場に響き渡ったあの瞬間。猛虎魂阪神タイガースファンは一体何を感じたのだろう。もちろん、それがシーズンの中での初打席ではないはず。ただ、2017年のドラ4ルーキーの彼は開幕1軍だったものの、シーズンの多くをファームで過ごすことが多く1軍での試合数は12試合だった。ということは、きっとこの瞬間に初めてこの場所でアイネクライネを聴いている人がたくさんいるはず。そう思うと、『絶対に次の打席、周りの人の顔がみたい…』と気になってしまい、彼の2回目の打席が回ってくることだけを考えてしまっていた…。

そして時はやってきた。2度目の打席、恐る恐る周りを見渡してみると、みんなスンッとした顔をしていた。きっと受け入れているのだろう。そりゃそうだ。選手が自分で選んだ曲を否定する権利なんて誰にもない。もちろん、私だって否定はしていない。むしろ、この伝統ある甲子園球場に米津玄師の雰囲気を持ってくる島田海吏という選手に新しさとワクワク感すら感じていた。そうやって登場曲として受け入れられる新しい音楽が流れる球場はやっぱり面白いな…なんてことを感じていたら、友達の話が全部頭の中から抜けていた9月のある日。

島田海吏の登場曲”として甲子園に米津玄師が流れる夏の終わり、時刻はもうすぐ20時になりそうだった。「来シーズン、彼は何の曲を使うのだろう。」そんなワクワクした疑問を感じなからやっぱり私は野球と音楽を大事にしていきたいと改めて思うことができた良い日になった?

(2019年現在、島田海吏選手の登場曲は米津玄師の「灰色と青」に決まっている。4月現在、1軍登録はまだないが是非甲子園でまた米津玄師の曲を”島田海吏の登場曲”として、タイガースファンに伝えてほしい。)

楽しみな2019年シーズン

アイネクライネの衝撃から半年以上が経った今、まだまだ触れたい曲はたくさんある。このマガジンで大切にしたいのは【球場でしか聴けない音楽】があるということ。独特の雰囲気の中で流れる音楽の楽しみ方をたくさんの人に知ってほしい。

なので、『この球場で聴くこの曲がすごく好きで…』なんて話があれば是非教えてほしい。

そうやって”好きの共有”ができますように。
では、おやすみなさい。




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