見出し画像

コミニケーション不全だとしても、まずは自分をご機嫌にしてみる。

最近、整体指導において記憶に残るほどカラダが硬張っていたのは

日々、精神科の患者さんの対応をされている先生だった。

取り付く島もないほどの硬さ。

それほどまでにガチガチのカラダの持ち主が病院の先生だなんて

ちょっと笑えないよね。


整体指導を受けに来られた大学病院の先生にその話をすると

興味深いお話を聞かせていただいた。

大学病院の医師の仕事ってかなり過酷な労働環境。

そんな先生たちの疲労がどうしようもなく溜まってくると

同じ病院内の鍼灸の先生にカラダを診てもらうんだそう。

その鍼灸の先生曰く

うちの大学病院の先生の中でもっともカラダが硬張っているのが

精神科の先生なんだそう。


通常の内科の患者さん以上に精神科の患者さんとの対応では

伝えた言葉がどのように受け取られるか

言葉のひとつひとつを選びながら会話をしていかざるをえない。

なかなかに骨が折れる作業。


今までの職務経験ではクレーム対応を任されることが多かった。

通常の会話が成立する人と対応するのと

通常の会話が成立しない人と対応するのでは

こちらのくたびれ方がまるで違ってくる。

大声を出して凄んでくるヤクザよりも、

法律などの理論武装して揚げ足をとろうと狙っているヤクザや

理論が破綻して狂っている奴のクレーム対応するほうが遥かにくたびれる。

予測しがたい対応が飛び出す相手だと

自分が発する言葉ひとつひとつに注意を払わなきゃいけない。

そんなコミニケーションが日常生活で継続的に行っていれば疲労の色は濃い。


去年、久々に怒鳴りそうになった相手は

一見すると普通なんだけどおそらく発達障害だと思われる方だった。

ふだんそういった方と接する経験がほとんどないので

そんなことまで言わないと分からないの?というレベルが

初めての水準で猛烈に腹が立ってしまった。

会話が成立するって実はすごく恵まれているんだと痛感させられた出来事だった。


そのことを記事に書いた翌日に

整体指導で心身が緩んだ後に泣きだされた方がいらっしゃった。

押さえこんでいた感情を外に出せるようになったわけだけど

その原因は発達障害のお子さんだった。

子供がときどき感情が激してしまうのが

どうしても慣れることが出来ずに堪えがたいって。

我が子だから捨てることも出来ないって。

言葉のやり取りが成立しないコミニケーションが日常にあるとくたびれてしまう。


その日、その次に来室されたのは

何度もカラダを拝見している方だった。

ところがふだんとは異なる在り方になっていて頭が非常に緊張されていた。

頭を緩めて愉気をしていくと

ご家族が警察沙汰を起こされて

関係各所への応対で疲れましたって。

そのご家族は病院では問題なしと診断されているが

長く時間を過ごされた心理療法の先生からは発達障害グレーゾーンと言われたことがあるらしい。

ご本人に改善を求め続けて40年。

って、そりゃ無理だよね。


連続して整体指導に来られた方のカラダが滞っている原因が

発達障害のご家族とのコミュニケーション不全というシンクロニシティ。


家族という一番身近なコミニケーションが機能していなければ

とってもストレスに感じてしまう。

その状態が長く続けばこころもカラダも相当硬張ってしまう。

その硬張りは触れて確認することができる。


くたびれて煮詰まっているのであれば

大きく育ってしまった硬張りが解消すれば

少なくとも今までとは異なる在り方に近づける。

整体指導を受けた方から

ずっと悩んでいた娘とのコミュニケーションでストレスを感じなくなっている自分を発見したと嬉しいご報告をいただいた。


ずっと緩められずに育ててきた硬張り。

その硬張りが解消されることで

心地よい在り方を取り戻すことができた。

自分が息深く心地よいもんだから

ついうっかりお嬢さんに対してもご機嫌に応対してしまった。

気が付いたら娘に対してイライラしなくなっていたらしい。


相手を変えることはできない。

出来ることは毎瞬、毎瞬、ただ自分をご機嫌に調律していくことだけ。

距離を置くことが難しい家族。

出来る範囲から、家族のケアより、自分のケアを優先してみてはどう。

忘れても、忘れても、自分にそうささやき続けたい。



※うっとりさせられるピアノの響きをどうぞ。



















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?