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「研究マネジメント職」は”推し活”である。【#天職だと感じた瞬間】


こんにちは、みねこです。

ジェトロ・アジア経済研究所、通称「アジ研」で、研究マネジメント職として働いています。
これまで60年以上にわたって、アジア、中東、アフリカ、ラテンアメリカなどの開発途上国・新興国の調査研究に取り組んできた学術機関です。

国内でも最大級の規模を誇る私たちの研究所は、地域研究、開発研究に取り組む研究者たちが100人以上在籍しており、さらに、開発途上国・新興国に関する世界中の資料を約70万冊も取り揃えた専門図書館が付設しています。

「非研究者」でありながら研究機関で働くということ

漠然と国際関係に興味を持っていた大学生時代。中華圏の政治・経済を対象に学びを深め、大学院に進学しました。大学院に進学したからには、研究に携わりたい、すなわち研究者を志すものだ、という思い込みがありました。
しかし、それと同時に、研究者にならないと研究に携われないのだろうか?という疑問も抱いていました。

人文・社会科学の研究成果がどのように発展していくのか。それらの研究成果を、どうすれば社会に活かすことができるのか。

私は、特定の研究テーマよりも、個々の「研究成果」に興味がありました。

自分自身が、1つの専門分野を持ち、研究者として研究を進めていくというよりかは、研究成果を社会に広く還元するために、より多くの研究成果を生み出す仕組みや環境づくりをやりたいのだ、ということに気づいたのです。

研究者の頭の中を覗いてみると…

どうすれば、研究活動が拡がるのか。
それを考える際、研究者をたくさん観察することで私はヒントを得ています。

なぜなら、そこに研究者がいてこそ、研究成果は生まれるから。

研究者の目には、どのように世界が見えているのか。
研究者は、日常生活のどんなところに、どんな意味を見出すのだろうか。

「その研究からどんなことが分かったのか」を突き詰めていくことも、もちろん大切なこと。
しかし私は、それと同じくらい、あるいはそれ以上に「なぜその研究をやろうと思ったのか」を知りたくなります。

自分も大学院に進学したからこそ、研究という営みが時に孤独であることを知っています。
だからこそ、少し研究者に目を向けてみませんか、研究者の見ている世界を皆で覗いてみませんかと私は声をかけてみたい。研究者や研究成果をもっと広く社会に繋いでいきたい。

そんなところを不思議に思うんだ!そんなところに問いが生まれるのか!

私は、彼らの話を聞くたびにワクワクする。
研究者の見ている世界は、とってもカラフルです。

新しい発見をすることが研究者の役割だとするならば、その発見がどんなところに役立つのかを解説すること。
研究者やその研究成果を社会に出すこと、そして社会からフィードバックをもらうこと。

それが私の「天職」だと感じた瞬間でした。

その解説をする手段の一つとして、私は研究所でSNSを活用しています。
私にとって、SNSは社会とのコミュニケーションツールです。


「研究マネジメント職」は、一種の”推し活”なのかもしれません。

研究は、研究者が営むもの。
私たちは、世間は、つい「なぜこうなるの?」に対する答えを求めがちです。だけど、研究の営みは小さな積み重ねによって形作られています。

その根っこの部分、「この人がどうしてこの研究テーマを選んだのか」。
それは、私たちの何気ない日常の、何気ない部分に疑問を投げかける挑戦でもあります。その挑戦を、私はもっと広く皆に共有したい。

私は、研究者の伴走者として、あるいは、《研究の世界》と《社会》の間に立つコミュニケーターとして、この職業に誇りを持っています。

※本記事に書かれていること、このnoteで発信していることは、全て個人の見解に基づくものです。いずれも所属機関の公式見解とは関係ありませんので、どうかご了承ください。


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