見出し画像

パーソナル・ブランディング(PB)の時代

会社にキャリアを預けっぱなしで、1社で42年も過ごしました。
中には、ニューヨーク駐在や、大阪での会社合併を成就するために出向した会社の社長ポストなど、自分で強く望んで辞令を出してもらったこともありますが、自分のブランディングを考えたことはありませんでした。
しかし今はVUCAの時代、自らの成長を考えると生涯1社での経験で終えることは、もうあり得なくなっていくのではないかという気がします。

オンラインセミナー講師としての自覚からPBへ

Zoomを使ったオンラインセミナー

退職後はセミナー講師として独立することを真剣に考え始めた3年前、世はコロナ禍真っ只中で、オンラインでもセミナーをできないとだめだと思い、その名も「オンラインセミナー養成講座(OKY)」に通いました。写真にあるとおり高性能のマイク、女優ライトなども揃え、受講者の見る画面の中で自分をどんな大きさに見せるかなどテクニカル的なことも習いました。
たまたま、その講座の先生がパーソナル・ブランディングの専門家でもありOKYと並行してPB講座を受けました。
先生の最初の質問が「あなたは何者ですか? 会社名や部署名を言わずに、端的に自己紹介して下さい」でした。会社生活40年、初めてのことでした。

自律的ライフキャリアの形成に欠かせない自己理解

そこからさらに一歩進んで、セミナー講師として箔を付けるためにキャリアコンサルタントの資格取得に挑戦しました。難しいキャリア理論やメンタルヘルスなどの科目とともに学んだのが、将来のライフキャリアを考えるのにまず必要な「自己理解」について。キャリアコンサルティングの面談で往々にして「自己理解不足」がキャリア迷子になる原因だからです。
プロティアン・キャリアでは、自己理解をアイデンティティ(自分らしさ)の発揮と表現し、特に、自分の強みや得意なこと、個人の価値観などに焦点を当ててコンサルティングをしています。

自己理解ツール5選

ところが不思議なことに、キャリアコンサルタント試験(学科試験)には、職業選択に役立つ「適性診断ツール」に関する出題はあるのに、自己理解を促進する診断ツールについては出題はありません。従い、僕が自己理解ツールについて学びを深めたのは資格取得後のことでした。
ここからは、私が勉強し、物によっては診断士の資格を取得した自己理解を深める診断ツールをご紹介していきます。

自己理解を助ける「ジョハリの窓」

①IKIGAIチャート

今回のブログの冒頭に画像を掲載したのがIKIGAIチャートです。仕事をするのに、自分の「好きなこと」×「得意なこと」の両方が重なることを選べば、自分らしさが発揮され、どんどん仕事に情熱を傾けられるようになりますね。<下の図では、好き:黄色の枠内、得意:緑の枠内>
さらに、その自分の「好きで、得意な」ことを活かすことができる、即ち「ニーズがあり」×「稼げる」仕事であれば最幸ですよね。
<下の図では、ニーズあり:ピンクの枠内、稼げる:青の枠内>
この4つが重なった部分が「生き甲斐」(赤枠内)になると言うのです。

ハーレー君の「IKIGAIチャート」

②MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)

ONE PIECEも16タイプ

スイスの心理学者カール・ユングが提唱した心理学的「タイプ論」に基づいて、キャサリン・ブリッグス、イザベル・マイヤーズ母娘が開発したのがMBTI。人間の「心の利き手」が左右どちらかを診断するツールです。人の心は二律背反構造で成り立っており、個々人の心のエネルギー配分に違いがあります。それを4つの指標に分けて、それぞれ夫々左右に分かれると定義分類したのです。詳しい説明は割愛しますが、4指標は以下のとおりです。
1)主に関心を向ける方向:外界(E)か、内界(人の内面)か(I)
2)情報の取り入れ方の違い:感覚機能(S)が強いか、直観機能(N)か
3)判断の仕方・結論の導き方:思考(T)優先か、感情(F)重視か
4)外界への接し方:論理的態度(J)中心か、知覚的態度(P)を好むか
因みに、僕のベストフィットタイプは、ENFJです。
「タイプ論」に基づく診断ツールでは「エニアグラム」とうのも有名です。

③ストレングス・ファインダー(クリフトンストレングス®)

この本を買えば無料診断付き

MBTIと違い、心理学的には「特性論」をベースとしたもので、人の持つ「能力や志向、特性」を34種類の資質に分けて測定し、それぞれの強度に基づき、個々人の上位資質・下位資質を診断するツールです。
34のうち上位資質の10個(特に上位5個)を強化し、その他は確認するだけであまり気にしなくていいという、割と気分の良い診断ツールです。
因みに、僕の上位資質は、1.達成意欲、2.最上志向、3.自己確信、4.戦略性、5.学習欲、6.社交性、7.ポジティブ、8.活発性、
9.未来志向、10.コミュニケーション でした。

④HRパーソナル診断

③のストレングスファインダーと同じく「特性論」に根ざしたもので性格・パーソナリティが5つの因子で決まるとする「Big Five Personality」が世界的に有名で権威あるものと言われています。
これをもう少し細かく12の因子で分析する診断ツールを、京都在住のお坊さん(和田真雄氏)が開発したのが、HRパーソナル診断です。
人の性格的傾向を12要素で分類し、それぞれの要素の程度を数値化して表す診断ツールです。
個人の性格や特性がどの職種に向くか(適職診断)とか、上司部下の関係やカップルの相性はどうかということを見極めるのに役立ちます。

⑤プロテア

2016年に「LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略」(ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン、アンドリュー・スコット共著)が発刊されて以来、日本でも人生100年時代と言われるようになりました。この本の第4章に、「無形の資産」(生産性資産、活力資産、変身資産の3つ)が長く生産的な人生を送るためにカギを握る要素と書かれています。
この3つの無形資産を夫々5つの要素に分け、合計で15の要素でキャリア資産が構成されるとして、プロティアン・キャリア協会と提携しているパーソル・プロセス&テクノロジーという会社が開発した新たな診断ツールです。
生産性資産は、ビジネススキルなど過去からの積み上げで蓄積した資産、
活力資産は、健康とか自己納得感など、現在の行動の源泉となる資産、
変身資産は、アイデンティティ、アダプタビリティなど未来の可能性を開く資産が含まれていると整理分析し、個人の無形資産を可視化しました。

今回は超大作となりましたことをご容赦下さい。
ぜひ、皆さんの今後のキャリア戦略構築に役立てて頂ければ幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?