- 運営しているクリエイター
#わたしの旅行記
世界でいちばん好きな疲労
やりたいことリストのひとつに「5つの国立博物館を制覇する」を挙げている。5つとは「東京国立博物館・奈良国立博物館・京都国立博物館・九州国立博物館・皇居三の丸尚蔵館」を想定しており、そのうち、前者の2つはすでに訪問したことがあった。
▼5つは国立文化財機構の施設
そして、先月の京都旅行にてようやく、念願の「京都国立博物館」へ行くことができた。以下、簡単な紀行文です。
きっかけ 国立博物館へ
みかえり阿弥陀のおもかげ
永観堂のご本尊である、みかえり阿弥陀の像を知ったとき、「なぜだろう?」とまず疑問をもった。阿弥陀如来像といえば、正面を見据え、静かに口を閉ざしている姿が、当たり前だと思い込んでいたから。手はしっかりと印相を結んでいるが、後ろを振り返り、何かを気にしている様子の姿。とても気になる。
サイトや本で背景を調べる前に、そのストーリーを自分勝手に想像してみる。例えば、背後から誰かに声をかけられた?……
波乗り観音に導かれて
Suicaで新潟駅に入場し、平木田駅をめざす。電車に揺られ、数駅を過ぎれば、窓の向こうは空の面積が多くなっていた。田んぼが広がり、停車する各駅は閑散としている。しかし、平木田駅は、まだ何駅も先だった。流れていく景色を見つめながら、ぼうと頭を空にする。この「考えごとをしなくていい時間」は貴重だと気づき、スマホをリュックの中へしまった。
***
数年前の春、社会人になりたてだった私は、「大きな
法隆寺から出られない
東京→奈良の夜行バスに揺られながら、この間にどれくらいの寺院を通り過ぎているのだろうとやきもきし、バイクの免許をとろうと決めた。数年前の秋口、まだ大学生の頃だった。
***
大学の講義で、概要ではあるが、仏教について教わった。古くからある「空」の考え方が、自分にとっては新鮮だった。目の覚めるようなおもしろさ。それに、日本文学とも密接に関わっていると知り、俄然興味がわいて、気付けば東京国立博