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参加サークル:水と心

文学イベント東京 参加サークル 「水と心」の紹介ページです。


■ 「女子大生純文学作家は異世界に転生したくない!?」

 翌日、ひまりと十郷は再度の異世界への移動に備えて、異世界の現状の把握と確認を行った。
「異世界は単純に乙女ゲーム『フレデリアの為に鐘は鳴る』の世界ではないと言うのだな?」
「そうです、ゲームの世界では、王城は、ウィーンの宮殿がモデルになっているのですけど、わたしが異世界で見た王城は、ブダペストのブダ城でした」
「若干の差異があると云うことか、おもしろい、しかし、その差異の原因は・・?」
「わたしがケイティ・ペリーのMVでブダ城を見た記憶はあります」
「なんと?、君がケイティ・ペリーのMVで見たイメージが強く反映されている・・、だから一番最初に君が異世界でさまよった公園、あそこがのん気にのんびりしているのは、君の精神の影響が強いのか・・・、おもしろい」
「のん気?ですか?」
「美人女子大生作家、どうやら物語の時間軸は、乙女ゲーム『フレデリアの為に鐘は鳴る』の終盤で、ライトノベル『悪役令嬢は渡る異世界で溺愛ばかり』の序盤のようだな、そして君は、異世界の新しい登場人物ではなく、ライトノベル『悪役令嬢は渡る異世界で溺愛ばかり』の主役、ブルック・エレノーラに君は転生している」
「そうみたいですね」
「それでは『悪役令嬢は渡る異世界で溺愛ばかり』の序盤を読めば今後の展開がわかると云うことになるぞ!」

 ひまりと十郷はソーシャルディスタンスを保ち、『悪役令嬢は渡る異世界で溺愛ばかり』の序盤を読んだ。

17P:
 どうやらわたしはテンプレで乙ゲー『フレデリアの鐘鳴る』の悪役令嬢ブルック・エレノーラに転生したようだ。ブルック・エレノーラは、乙ゲー『フレデリアの鐘鳴る』の最終イベントで、メイドのメイサに花瓶に入れた豚の血をヒロインのフレデリアにぶちまけるよう命令した。真面目なメイサはそれを拒んだがブルック・エレノーラはかまわず命令した。結果、メイサはフレデリアに花瓶に入れた豚の血をぶちまけたが、レヴィ医療師がフレデリアをかばい、ブルック・エレノーラの企ては失敗した。この企ての失敗が後々に影響し、ブルック・エレノーラは婚約破棄の憂き目にあう。
 この後待ち受けるのは、王城都市からの追放、バッド・エンドか・・・。いや、その前に企ての失敗で鞭打ちにしたメイサに恨み殺されるかもしれない・・・。

「どうやら君はあの召使い・メイサを逆ギレして鞭打ちにしたようだな」
「え?、わたしそんな宿命を背負わされるんですか?、ヘッドスライディング土下座しても足りないじゃないですか・・・。」
「まあテンプレだと君はみんなに優しくすることによって、最後は優しいだけがとりえの貧乏な男と小さな幸せを見つけて終わりのようだな、ミニマリスト万歳か」
「そんな話なんですか?」
「COVID― 19の二年前にライトノベルが完結している、ちょうどミニマリストが流行った時期だな、背伸びをしない精神的な幸福が一番というやつだ」
「みんなに優しくするというより・・・、みんなに謝らないといけないような気がします・・・(汗)」



「女子大生純文学作家は異世界に転生したくない!?」は、文学イベント東京 販売予定作品です


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