【小説】眠れぬ夜のカップ麺
その日のお客は、品もあって気前もいい、関西弁の団体客だった。
「こいつなあ、いつまで経っても彼女できへんねん。もう30やから、俺も心配しとんねん。」と幹部らしき人が言う。
いや、ほっといたれよ、とその幹部の水割りをつくりながら、心の中でつぶやく。
この時代のひとたち。血縁を各共同体の中で絶対としているわけで、彼女ができないことが人との原初的な繋がりが皆無になってしまうような、そういう何かなんだよな。そうやって、頭の中でとりあえずの納得へ持っていこうとしたけれど、いや、でもあ