わたしを守ってほしい(20200427)
病院に近付くにつれ、看護服や事務服を着た人たちが入り口前に待ち構えているのが目に入り、反射的に音楽を止めてイヤホンを外した。早速医師らしき人に呼び止められ、入る前に検温をと言われる。前髪を掬い上げられて、こめかみと額の間あたりに検温器がぽんと乗る。風邪の症状はないですかと横から看護師の女性に聞かれ、また反射的に「ないです」と答える。本当はこの春のせいで喉も痛いし鼻炎もひどいけれど、それを言ったら追い返されそうで、実際、きっと追い返されていたと思う。
ひとつめの自動ドアをくぐり