白きマスク、白きブラウスのアグネスはカメラ越しに見つむわれの自由を 大口玲子 歌に詠まれたアグネスは、香港の民主活動家・周庭さん。歌集『自由』(2020・書肆…
もし明日さびしかったらどうしよう。こんなに全部持つてゐるのに 小佐野彈 『サラダ記念日』を読んで短歌を始めたという人にはけっこう会うのだが、『チョコレート革命…
「生きてゐてくれるだけで」と子らは言へどその生きてゐるだけがたいへん 林みよ治 平成二十九年に百一歳で亡くなった林みよ治さんの歌集『詠みしわが歌』は、まことに…
われというひっくり返せぬ砂時計きょうはピンクのセーターを着る 清水あかね 清水あかねさんとの出会いは、三十数年前。お茶の水女子大学の教授が、学生たちに短歌の話…
さみどりの風が無色となるまでに道の段差を覚えおくなり 苅谷君代 短歌を作りはじめたころ『処女歌集の風景』というアンソロジーを手にしたのが、歌人苅谷君代との出会…
黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える 掲出歌が、そのまま歌集のタイトルになっている。収録されている短歌の作者は、26人のがんサバイバーだ。 雨…