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勝手に魔法少女にされたけどまぁいいか的な話

こちらの企画の参加作品です。考えていただいた設定からまたも大きく暴投してしまいました。8,000字よりちょっと少ないくらいの掌編です。

登場人物

マミちゃん:小学校5年生。勉強は中くらいだけど機転のきく頭のいい子。

おじさん:マミちゃんに話しかけてきた変な人。

勝手に魔法少女にされたけどまぁいいか的な話

はじまり

公園のベンチに座り、マミちゃんはプンプン怒っていました。ママが勝手に塾に申し込んでしまったからです。
マミちゃんももう5年生です。学校の勉強も難しくなってきたので、塾に行くことは嫌ではありません。でも行くならお友達の百江ちゃんと一緒の塾がよかったのです。ママが申し込んできたのは、厳しい授業で有名な久兵衛塾。一言も相談なく、来週から通いなさいなんて勝手すぎます。

「だいたい大人って勝手なんだから。」
うつむいてママへの不平不満をつぶやいていたとき。マミちゃんの前に誰かが立ち止まりました。顔をあげてその人を見た時、マミちゃんはびっくりして目がまんまるになりました。
立っていたのはおじいさん一歩手前くらいの雰囲気のおじさんでした。でもマミちゃんが驚いたの理由は、おじさんの服装です。

ピンと跳ね上がったちょびひげ、マンガでくらいしかみかけないモノクル。サンタクロースのようなあごひげで、ヘアスタイルはちょんまげでした。
奇妙なのは顔だけではありません。服装もひとことでいえば、ありえないコーディネートでした。
高そうな背広なのにその下に来ていたのは、いわゆる萌えキャラが描かれたTシャツでした。ネクタイは首の周りに巻きつけただけ。絵本でみた浦島太郎のような腰蓑をつけて、ピッタリした白いタイツをはいていました。そして、足は裸足でした。

ここ数百年の世界中のファッションをごたまぜにしたような感じです。

呆気にとられたマミちゃんですが、すぐに冷静さを取り戻します。そして、おじさんに向かって言いました。
「わかった!おじさんはユーチューバーでしょう。人を驚かせる動画を配信してお金儲けをしているのね。」
マミちゃんもパパのパソコンでユーチューブを見ることがあります。クラスの男の子のなかには、将来ユーチューバーになりたいと言っている子もいます。思わずその子が、おじさんと同じ格好をしている様子を想像してしまい、マミちゃんは吹き出してしまいました。

「何かおかしなことでもあったかね?」
おかしなおじさんが、偉そうに尋ねてきました。
「おじさん、いくらお仕事でも人を脅かすのはよくないことよ。その辺に隠しカメラでもあるんでしょう。」
マミちゃんはおじさんを、いたずら好きのユーチューバーだと決めつけて答えました。
でもマミちゃんの答えの意味がわからないのか、聞かなかったことにしたのか、おじさんは勝手に話を始めてしまいました。

おじさんの使命


「お嬢ちゃん、今この世界は悪の怪人組織『アークドイゾン』に狙われておる。奴らが地球に到着するまで、もうあまり時間は残されておらん。」
「そこで、奴らに対抗できる能力を持つ人間。すなわち魔法少女を大量に導入することにした。わしの使命は世界中の人間を、魔法少女にすることなのじゃ。」

どうやらユーチューバーさんのいたずらは、まだまだ続くようです。でもちょっと面白そうなので、つきあってあげることにしました。
「魔法少女になると何ができるの。魔法の杖からビームなんかもだせるの?」
「出せるとも。」
何を当たり前のことを、という口調でおじさんは答えました。
「魔法少女の力はそんな生易しいものではない。その子の素質にもよるが、才能のある魔法少女なら、この地球を千切りにするくらい朝飯前だ。」
おじさんは大威張りです。地球の千切り。ヒラヒラの薄切りになった地球が、宇宙を漂っている様子はなんだかとてもおもしろそうです。でもそんな状態になった地球で、生きていけるのでしょうか。おじさんにちゃんと聞いておこうと、マミちゃんは思いました。

「すごーい。ペラペラの地球がたくさんできちゃんだ。でも、そうなるとみんな死んじゃわない?」
おじさんはモノクルの向こう側の眉を顰めて、話を続けます。
「どうも君には魔法少女の真の力がまだまだ理解できていないようじゃ。」
「魔法少女の身体は魔法によって守られる。地球が千切りになろうが、みじん切りになろうが、何の問題もない。やろうと思えば、歩いて太陽まで行くこともできる。」
「理解の浅い君のことじゃ。太陽に行ったら燃えてしまわないか気になるのじゃろう?」
おじさんはマミちゃんの次の質問を言い当てました。変な格好で妙なことを言ってますが、それなりにしっかりしているようです。大人だからかな、とマミちゃんは思いました。

「魔法少女は魔力がつきない限り、太陽の中だろうとブラックホールの中だろうが痛くもかゆくもない。そのくらい、魔法というのはものすごい力を秘めているのじゃ。」
おじさんの説明でちょっと気になるところが出てきました。魔力がつきない限りというところです。

魔力って尽きるものなんだ。1回尽きたらおしまいなのかな。スマホみたいに充電はできないのかな。魔力が切れてからでは手遅れです。例えば半分減ったら、注ぎ足し充電できれば便利なんだけどな。
マミちゃんはおじさんに質問しました。おじさんはちょっと感心したような表情をみせ、満足そうにマミちゃんにの質問に答えます。

魔法少女システム


「いいところに気がつくのぉ。もちろん、対策ずみだとも。魔法少女1人につき1匹の使い魔がついてくる。」
景品のようなものかしら。
「使い魔は戦闘能力はないが、魔法少女の重要なサポート役じゃ。その能力には今の魔力残量を知らせる機能も、魔力注ぎ出しの機能もある。」
「そうはいっても、使い魔に無限の魔力を貯めておくことはできん。使い魔が蓄積できる魔力量には限界があるのじゃ。でも、心配はいらんぞ。翌月になると使い魔の魔力量は自動的にいっぱいに戻る。」

「それに魔力がつきてもそれほど心配する必要はない。強い魔法が使えなくなるが、最低限の魔法は使うことができる。宇宙空間で死ぬこともないし、地球の千切りがムリでも皮むきくらいは可能なはずじゃ。」
地球の皮むきってどういうことかしら。山を崩したり、TV番組のように池の水をからっぽにしたりということかしら。
「うむ。だいたいそんな感じで間違いなかろう。」
「ただし、さっきも言ったがどこまでできるかは素質次第じゃ。素質がゼロだと魔法少女になっても皮むきどころか、水洗いも無理じゃ。せいぜい後片付けくらいしかできん。」

料理の話とスマホのプランの説明を同時に聞いているような感じです。さすがにちょっと、マミちゃんも飽きてきました。
「私の素質って先にわかるの。ゼロやあっても少ないんじゃつまんないもの。じゅうぶん素質があるのなら、魔法少女になってあげてもいいわ。」
「素質があろうとなかろうと魔法少女にはなってもらわんといかん。何しろあの恐ろしい悪の組織『アークドイゾン』に狙われておるのじゃからの。まあ、あらかじめ素質を知りたいという君の希望もわからんではない。」
おじさんはそういうとリズミカルに手を叩きました。

パパン、パパン、パン、パパン。

乾いた手拍子の音が、いつのまにか誰もいなくなった公園に響きます。手拍子が終わると、マミちゃんの座っているベンチの下から、1匹の黒猫が出て来ました。
「うわー、かわいい!」
マミちゃんは黒猫を抱き上げてひざの上にのせ、頭を撫でてあげました。黒猫も気持ち良さそうに目をつむり、リラックスしているようです。

おじさんの正体


「なんと!君は使い魔が怖くないのかね?」
おじさんが驚いたように話しかけてきました。
「使い魔?猫じゃないの?」
「太古の地球に猫という生き物は確かに存在しておった。だが、とっくに絶滅しておる。」
そんな話は聞いたこともありません。
「君、わしを疑っておるな?これが太古の猫の姿じゃ。似てはおるが使い魔とは違うことがわかるじゃろう?」
おじさんが手を振ると、空中からふわりと一枚の写真が落ちて来ました。写真には猫と言われれば猫のようなちょっと下手な絵が書いてありました。子供の落書きのようにも見えます。

「これが太古の猫の姿じゃ。当時の地球には写真技術がなかったので、地面に大きく絵を描いてもらった。この写真は後に撮影されたものじゃ。実物もだいたいこんな感じじゃったぞ。」
「悲しいことに太古の猫は、『アークドイゾン』の襲撃で滅んでしまった。あれは『アークドイゾン』の恐ろしい脅迫なのじゃ。奴らに従わなければ、種族のひとつやふたつ簡単に絶滅させることができる、ということを見せつけたんじゃ。」
「アークドイゾン』の本格的な襲撃に備えて、我々は地球に見張り役として使い魔を残しておくことにした。そのうちの1匹がそいつじゃ。しかし、使い魔を瞬時に手なづけてしまうとはのぉ、魔法少女の素質はかなり高そうじゃぞ。」
ちょびひげが一段と元気よく反り返っりました。魔法少女の素質があるとわかって、マミちゃんはちょっと安心しました。

変なことばかり言っているおじさんですが、どうやら冗談やユーチューバーではなさそうだとマミちゃんは思いました。
恐ろしい怪人の組織『アークドイゾン』。やつらによって滅ぼされた太古の猫。そして、次の侵略に備えて世界中に生息する使い魔(どうみても猫ですが)。

おじさんの話は荒唐無稽ですが、ふざけているわけでないことは感じます。マミちゃんはおじさんに尋ねました。
「ねえ、もしかしておじさんは宇宙人なの?」
「いかにも」
大きくうなづくとちょんまげがてっぺんからずれてしまいました。おじさんはちょんまげのズレも気にせず、自分の過去を語り始めました。

「わしらの星は『アークドイゾン』によって2千年ほど前に破壊されてしもうた。宇宙空間を漂い、死ぬような思いで地球にたどりついた我々を、地球人は親切にもてなしてくれた。魔力と体力が早く回復するように、貴重な食料とゆっくり休める場所を用意してくれた。回復後にあらためて歓迎の宴を開いてくれた。全く言葉は通じなかったが、やさしい気持ちはしっかりと伝わってきた。それで地球への移住計画は取りやめて、土星の輪のなかでひっそり暮らすことにしたんじゃ。」
マミちゃんのおじいさんが。若い時の話をするときとそっくりな表情で、おじさんは話し続けました。話はまだまだ続きそうです。でも、辺りはすっかり真っ暗。喧嘩して家を飛び出したとはいえ、早く帰らないとママを心配させてしまいます。

「おじさん、せっかく話してるところ悪いんだけど、わたし家に帰らなくちゃいけないの。続きはまた今度にしてくれる?あ、この猫ちゃんは連れて帰ってもいいんでしょう?」
マミちゃんは、塾通いを承諾する代わりに猫を飼うことを許してもらおうと考えました。ママもパパも動物好きです。きっと許してくれるはずです。
「わしとしたことが、うっかりしておった。では別れる前に魔法少女になってもらおう。心配するな、すぐ終わる。」
マミちゃんの返事も聞かず、おじさんは先ほど使い魔を呼んだときのように手を叩き始めました。

パパン、パパン、パン、パパン。パパン、パパン、パン、パパン。パパン、パパン、パン、パパン。パパパパパパパパパパンパパン。

ちょっと回数が多いようです。手を叩き終えると、おじさんは言いました。
「これで君は立派な魔法少女じゃ。細かいことは使い魔に聞いてくれ。それではさらばじゃ。検討を祈る!」
おじさんは、その場でジャンプしました。するとどうでしょう。空気に溶け込むように姿が消えてしまいました。

「最近のユーチューバーってすごいのね。」
話している間はおじさんの勢いで、信じてしまいそうでした。でも結局マミちゃんは、おじさんはユーチューバーだと思うことにしました。かわいい黒猫は出演料がわりにもらっちゃおう。そう決めたマミちゃんは、猫をしっかり抱いて家に走って帰りました。

家に帰るともう7時過ぎでした。6時までに帰るのがママとの約束です。マミちゃんは偶然見つけた猫が気になって、家に帰るのが遅くなった、と嘘の言い訳をしました。ママとパパからお説教されましたが、塾に行くから猫を飼わせてほしいというお願いは許してもらえました。

「それにしても変なおじさんだったなあ。」
遅くなった夕ご飯とお風呂の後、部屋のベッドに腰掛けてマミちゃんはつぶやきました。
黒猫はすっかりマミちゃんの部屋が気に入った様子で、のんびり毛づくろいをしています。
「きっと売れないユーチューバーなのね。」
「いいえ、本当に宇宙人ですよ。一応。」

ベベ

誰かがマミちゃんに話しかけました。びっくりしてきょろきょろすると、マミちゃんをじっと見つめている黒猫と目が合いました。
「話しかけたのはあなたなの?」
半信半疑で黒猫に尋ねると、
「ええ、わたしですよ。マミさん。あらためてはじめまして。使い魔のベベです。」
「ベベ?」
『はい、わたしの名前です。使い魔としてあなたのお手伝いをいたします。」
「といっても、別にすることなんてないんですけどね。」

ベベと名乗った黒猫は言いました。
「だって、『アークドイゾン』はとっくの昔に地球から逃げ出してしまっているんですから。」
「えっ、それっていつのこと?」
「1,500年くらいまえですかね。脅迫といっても人類と『アークドイゾン』では言葉が通じません。なので、彼らは大地に大きな動物の絵を描き、その種族を消してみせることで人類をおどそうとしました。」
「なんていったかな。そうそう。現在のペルーという国で起きた話です。絵を描くのにちょうどいい平原があったからでしょうね。」
「でも絵を描いているうちに、体調不良を訴える怪人たちがどんどん増えていったんです。」
「それでそれで。」
マミちゃんはベベの話の先を早く知りたくて急かしてしまいました。

おじさんの話は、全部作り話と思いかけていました。でも黒猫が話しかけてきて、自己紹介までしたのです。つまり、自分は魔法少女になったということ?何かと戦わなきゃいけないの?そんな暇ないんだけどなぁ。塾も始まるし、百江ちゃんとも遊びたいし。もちろんベベのお世話もしなきゃだし。

「そのうち怪人たちだけでなく、幹部や司令官も体調が悪くなってきました。具体的には、鼻水やくしゃみが止まらない。目がかゆい。鼻づまりで呼吸が苦しい。妙に身体がだるいという症状です。」
どこかで聞いたことある症状だなぁ、とマミちゃんは思いました。
「えーっと。それってもしかして…」
「あ、察しがつきました?さすがは私がおつかえするご主人ですね。」
べべが嬉しそうにしっぽを振ってみせました。そして、マミちゃんのひざに飛び乗り、『アークドイゾン』が逃げてしまった理由を教えてくれました。
「花粉症です。ご想像のとおり。」

仮に人類を降伏させても、住むことができないのでは征服する意味がありません。事前調査ではよい星に見えた地球ですが、『アークドイゾン』の居住には適さないと判断し、征服計画も中止になったのです。

「でも、自由に種族を滅ぼすことができるんでしょ?スギだかヒノキだかわかんないけど、滅ぼしちゃえばよかったのに。」
「その通りです。でも彼らには原因がわからなかったのです。きっと彼らの星には花粉アレルギーという病気がないのでしょうね。」
しっぽをふりふり、ベベの解説が続きます。
「もし植物の花粉が原因だとわかっても、どの植物か特定することができません。片っ端から植物を滅ぼしてしまうと、それこそ酸素が供給されなくなって生物が住めない星になってしまいます。」
「結局、彼らと地球の相性が悪かったんです。」
そういって、ベベは右前足をペロリと舐めました。

魔法少女

「おじさんはそのこと知らないの?何だか来週にも『アークドイゾン』が来るような口ぶりだったけど。」
マミちゃんが尋ねると、今度は左前足を舐めて質問に答えてくれました。
「知らないと思います。わたしたちの先祖は、ちゃんと『アークドイゾン』がやって来る前にテレパシーで呼びかけたそうです。でも、返事がなかった。どうやら彼らが普段暮らしている土星の輪まで、テレパシーが届くのに時間がかかりすぎたみたいです。通信速度が遅すぎたのです。」

また話がスマホみたいになってきました。
「テレパシーって一瞬で繋がるわけじゃないんだ。」
マミちゃんは、今まで思っていたテレパシーの印象を口に出してみました。
「ええ、魔力性能にもよりますが、だいたい時速100kmくらいですね。」
「つまり、敵襲に気がついてテレパシーで連絡したけど、土星に届くまで1,500年くらいかかちゃったんです。その間に全て解決しました。彼らは瞬間移動の技術を持っています。といっても、せいぜい光速の100分の1くらいの速度なので、ご先祖の通信を受け取り、どんなに急いでも地球にくるまでに1週間くらいはかかってしまうのです。」
「だからあんなにせっかちだったんだ。」
なんとなくマミちゃんは納得しました。

でも、可愛くてかしこいベベが一緒にいてくれるし、怪人と戦わなくてもいいし、マミちゃん的には何の問題もありません。

「あ、そういえばわたし魔法少女になったんだよね。」
「はい、おっしゃるとおりです。」
ベベは答えて、しっぽを3回振りました。するとマミちゃんの目の前に布切れが落ちてきました。
「なにこれ?」
あちこちつまんだりひっぱったりしながら、べべに質問します。
「それが魔法少女用の服、コスチュームっていうんですか。そういうものです。それに着替えたら魔法が使えるようになります。」
布切れを丁寧に広げると、ビキニの水着にフリルがついたような服だとわかりました。

「これに着替えるということは、今着てる服を全部脱いで、これを着るということ?」
「はい、おっしゃるとおり。素肌とぴったり密着しないと効果が出ないのです。」
「でも、この服ずいぶん大きいみたい。着替えてもぶかぶかで肌に密着しそうにないんだけど…」
コスチュームは大人用のようです。着てもあちこちがずり落ちたり、だぶついたりして、とっても恥ずかしいことになりそうです。
「すみません。ワンサイズしかないんですよ。もうちょっと成長してからでないと無理そうですね。」
右前足でコスチュームを持ち上げながら、ベベは言いました。

おじさんは全人類を魔法少女にすると言ってました。全人類ということは、老若男女区別なしということです。
「ねえ、デザインも1種類なの。男の人用デザインとかあるの?」
なんだか嫌な予感がして、マミちゃんはべべに尋ねました。
マミちゃんの問いに、ベベは淡々と答えました。
「ワンデザイン、ワンサイズです。」
嫌な映像が、マミちゃんの頭に浮かんできました。慌てて頭を振って浮かんできた映像を追い払います。
「せっかく魔法少女になっても、コスチュームが合わないんじゃしょうがないわね。もっと大きくなってから考えるわ。」
そう言ってマミちゃんはタンスの奥にコスチュームをしまい込んでしまいました。

こうしてマミちゃんの不思議な体験は終わりました。ベベという新しい友達が増えたので、マミちゃん的には何の不満もありません。
ただそれから数ヶ月の間、ビキニの水着をきた男性が。あちこちに出没する事件が頻発しました。
警官に連れて行かれるとき、彼らは揃って叫んだそうです。
「俺は魔法少女だー!」

おしまい。


仕事がひと段落して時間があったので、一気に書いてしまいました。お読みいただけたら、感謝です。スキ・フォロー・コメント・感想などいただけたらもっと大感謝です。


本質的に内向的で自分勝手なわたしですが、世の中には奇人もいるものだなぁーと面白がってもらえると、ちょっとうれしい。 お布施(サポート)遠慮しません。必ずや明日への活力につなげてみせます!