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☆ふくしのおべんきょう☆

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もぐりのソーシャルワーカーですが、こそっと福祉のお勉強をしています。
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#社会

90.働き方改革と社会福祉連携推進法人

私が福祉の業界から離れていた2019年秋から2023年夏の間にこんな変化が起きていたのかと思うような、私には新発見があったので、そのことを簡単にお勉強してみます。 では、早速…。 2022年4月に社会福祉連携推進法人制度が施行されました。 2024年3月の段階で、北海道ではないですが、全国的には21法人が実践しています。 政府の社会保障・働き方改革本部は2040年を目標に、医療と福祉サービスの改革を進めています。 その中で、社会福祉連携推進法人制度は医療法人や社会福

88.対話からの幸福論

今年も世界各国の幸福度をランキングで示した国連の世界幸福度報告書の2024年版が3月20日に発表されました。 今回初めて年齢層別のデータが公表されて、30歳未満の若者の多くが、中年期に陥りやすいとされている うつ などの心理的な症状に相当する問題を抱えていることが判明したとのことです。 30歳未満の幸福度では、リトアニアが1位で、2位にイスラエル、3位にセルビアと続きます。 フィンランドは総合的には7年連続1位になりましたが、30歳未満の幸福度は7位でした。 30歳未

80.AIの事

“音楽は機械ではなく、生きている人間が経験する苦しみなどの本当の感情の変化から生まれるべきだ” これはニック・ケイヴさんのお言葉です。 やはり、音楽には背景にあるその作った人の人生…体験みたいなものや感情の動きみたいなものが反映されていないと退屈なものになってしまうのかな…と思います。 そこで、今年話題になったAIによって完成したビートルズの新曲「ナウ・アンド・ゼン」の話なのですが、これを聴いて思ったのが、AIはやはり夢があるな…ということです。 使い方次第で良くもな

79.公共交通機関の優先席の事

日本の公共交通機関では日々、椅子取りゲームが繰り広げられています。 順番に並んで待っていっても、いざ車両が目の前に来ると、順番など関係なく我先にと猛進する人が大勢います。 私は多くの国を見たわけではないので何とも言えませんが、これは、かなりインパクトがある日本特有の文化だと思います。 そういう国ですから、日本の公共交通機関には優先席が設置されています。 多くの人は電車やバス、地下鉄といった公共交通機関を利用する時に、座席に座ることで体への負担が軽減します。 空いてい

73.多様性と包摂

まずは、東京オリンピックで柔道男子100キロ級の金メダリストになったウルフ・アロンさんの発言です。 “根底で多様性とか…そういうところを気にしてるからこそ、そのような言葉が生まれたり、言わないと分からない人がいたりする。 普段の生活から気にせず生活していけば、差別とか区別とか多様性っていう言葉もなく、みんな平等にやっていけると思います。” まさにその通りで、これができていれば、格差も争いもなくなってソーシャルワーカーも必要なくなり、その職種の人たちももっと違った形で社会貢

71.ケアマネージャー

2025年、約800万人いる団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になります。 国民の5人に1人が後期高齢者になる2025年に向けて介護サービスや医療サービス、その他の生活に必要なサービスと利用者やその御家族の架け橋…つなぎ屋になるケアマネージャーの役割は今後ますます大きくなると考えられています。 しかし、人員はなかなか増えていないのが現状です。 2018年に受験資格が厳格化(保有資格による試験免除科目の廃止、国家資格保有者又は相談援助業務に就いている人で実務経験が5年

69.社会と育児 ~ 完全版

少子高齢化と言われますが、日本の高齢化率が高くなり続けている大きな要因は、どちらかと言うと長寿化より少子化にあります。 日本の高齢化率は世界2位に君臨していて、29.1%になっています。 通常は21%を超えると超高齢社会と呼ばれるのでとてつもない数字です。 これはまだまだ途中段階で、2065年には40%近くまで上昇すると予測されています。 総人口に占める子どもの割合は1950年に3人に1人だったのが、現在は8人に1人と低下し続けています。 平均寿命の延びも高

63.XYZと学校教育

同じ日本人でも、生まれた時代とその環境…社会の変化による影響から、世代間で異なる特徴が見られ、その世代によって肩書があります。 昭和の勝ち組世代が名付けたかっこいい名称です。 “団塊世代”、“団塊ジュニア世代”、“バブル世代”、“就職氷河期世代”、“ゆとり世代” などです。 そこで“Z世代”…、今これからの社会の中心に立つ世代の特徴を少し見てみたいと思います。 Z世代は既にインターネットが普及していた時代に生まれた、デジタルネイティヴと呼ばれる世代のことです。

62.社会と育児

社会の変化が、子どもの成長に大きな影響を与えていると考えられます。 まずは地域社会の中での子どもが育つ環境の変化を見てみます。 子どもが成長して自立する上で、多様な経験をすることが不可欠です。 実現や成功などのプラス体験だけではなく、葛藤や挫折などのマイナス体験もとても重要な経験です。 しかし、少子化や核家族化が進行して、ここ数年は新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、子ども同士が集団で遊びに熱中したり、時には葛藤しながらお互いに影響し合って活動する機会が減少

59.労働者とお金

コインや紙切れに人生左右されるなんて、人間なんてチッポケなものです。 今の福祉業界の問題点は、その業界で働く職員が社会福祉に携わる仕事をしているのにも関わらず、職員にとっての福祉は蔑ろにされているということだと思います。 様々な理由で困っている人の、その困っていることを解消して、なんとか豊かな生活をしてもらおうと頑張っているのに、その支援をしている側の人が豊かでないことが多々見られます。 そこが大きな問題です。 各職員の善意…自己犠牲に頼っていて、その職員の生活

49.格差社会

日本国憲法第14条に…、 “すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない” …と書かれています。 所謂、法の下の平等の規定です。 しかし現実はと言うと、かなりかけ離れた社会になっているように思えます。 格差です。 両親の世帯年収や学歴と子どもの学歴や生涯年収の間には、相関関係があると言われています。 義務教育期間は教育の機会が保証されているとはいえ、学校外支出…つまり習い

47.こどもの社会

結論から言いますと、学校に行かなくても何も問題ではないですし、生きる術を身につけていればちゃんと生きていけます。 子どもにとっての世界は学校だけではありません。 反対に不登校になる原因は人それぞれですが、学校に適さなかったのは場合によっては健全な心を持っていたとも捉えることができるかもしれません。 多数派による同調圧力にイヤになったとか…そういう人もいると思います。 それは大人になって社会で働き始めてもどこでもあることですが…そういうところから避難するという行

45.外国人労働者

多くの業界で外国人労働者の受け入れが活発化しています。 将来的な労働人口の減少を見据えて、官民一体になって進められています。 2016年に初めて100万人を突破した外国人労働者数は、一時はコロナ禍による出入国制限で勢いが抑えられましたが、2021年には約172万人と過去最高を記録し…今後更に増え続けると予測されています。 2030年には500万人を超えるとも言われています。 労働者の国籍は香港、ベトナム、フィリピン、ブラジルなどが多く、近年では特にベトナム人の増加が

44.就職氷河期世代

厚生労働省によると、今春の高卒者の求人倍率は3.49倍(前年同期比0.6ポイント増)と…過去最高だった1992年の3.34倍を上回りました。 少子高齢化で社員の年齢構成が高くなったのと同時に段階世代の中に退職している人が増えていることも、若い人材の確保に動く企業が多いことに影響しています。 でも、これは就職氷河期世代には良い影響にはなっていない…と実感しています。 前回の「43.団塊 jr. 世代」とは違った角度から、就職氷河期世代を見てみます。 氷河期世代はこれ