見出し画像

可愛い子(ミッション・バリュー)には、旅をさせよう。

ヘラルボニー代表の松田崇弥(双子の弟)です。この度、私たちは会社としての行動指針となる「バリュー」を再策定しましたのでご報告いたします。

「異彩を、 放て。」をミッションに、 福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット「ヘラルボニー」は、日本全国の主に知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、2000点以上のアートデータを軸に作品をプロダクト化するアートライフブランド「HERALBONY」、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」、使うたび、社会を前進させる「ヘラルボニーエポスカード」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開してきました。

障害福祉に関わる先人達のアクションがあり、福祉業界の世界は前進してきています。私たちはこの時代の「障害者」という言葉や括りに潜む、誤った偏見や先入観を正しくアップデートしたい。それは、障害のある方々が、自分らしく生きられる社会だと信じています。

私たちの活動をこのスピード感で進めていったとき、どれだけ障害福祉の世界が美しく楽しく軽やかになるのだろう?抽象的な成果に満足するのではなく、数字的根拠をもとに語ることのでき、障害のある人の生活が激変している・・・そんな未来を目指そうと決意したとき、事業をスピード感をもって拡大させる選択をしようと思いました。

「ヘラルボニーが、障害のイメージを変えたよね」

10年、30年、50年先に語られ続けるような、福祉業界を牽引するリーディングカンパニーになることを目指したときに、今回のバリューのアップデートが、100m走がはじまる前に地面に両腕をつけてクラウチングスタートのポーズを取るように「さあ、はじまるよ!」という社員に向けた、社会に向けた、号令になって欲しいと思ったのです。

HERALBONY NEW VALUE(6 RULES)

(1)じぶんが、主役だ。
好奇心や達成意欲など自分の感情を大切に、
思い描く未来を叶えよう。
主体的にみずから動き、遂行しよう。

社会貢献性が高い事業や業界には有りがちなことだと思っているのですが「役に立ちたいんです」という言葉の時点で採用することはありません。

自分の不全感を埋めるために人の役に立ちたいではいつか上手くいかなくなる。他者云々以前に、まずは自分が気持ちのよい幸せを感じられる仕事なのかどうか。じぶんの人生に彩りを与えるために、障害のある人がいる訳ではありません。自分の人生の主人公である自分を優先して、努力ではなく一緒になって夢中になって走りたい。

(2)ちがいに、リスペクトを。
仲間ひとりひとりの価値観や意見の違いを認め、
その違いをチームの強みに変えよう。
目標の達成に向かうために積極的に語りあおう。

「国籍」「人種」「民族」「宗教」「肌の色」「年齢」「性別」「性的指向」等々、ヘラルボニーはさまざまな多様性を尊重することを大切にします。

知的障害のある兄弟がいること、障害者手帳を持っていること、震災を間近で経験したこと、少年院で過ごしたこと、宗教を信仰していること・・これは全てが強い組織文化とプロダクト開発につながる重要な経験だと思います。

「ふつう」を肯定するのではなく「ありのまま」を肯定することで、リスペクトを前提とした積極果敢な組織文化に繋がっていくと信じています。

(3)クリエイティブに、はみだそう。
常識にとらわれない、新たな価値を届けるために。
アイデアを尊重し、より良いアイデアへとふくらまそう。
そして誇れるクオリティのアウトプットを探求しよう。

私たちの活動は、福祉の可能性を広げる実験であり、知的障害を取り巻く先入観を壊す実験でもあると思います。そう考えたときに、徹底的に「はみだした」アウトプットを実現することが重要なのです。

自分自身のアウトプットの基準を大切にするのではなく、将来的にはヘラルボニーとしてのクリエイティブの基準まで策定して参ります。

(4)作家ファースト。
多彩な作家がいてこそのヘラルボニーだ。
それぞれの魅力を深く理解し、強い伴走者を目指そう。
さらにその家族や、福祉施設の幸せまで追求しよう。

創業当初の3年前、ヘラルボニーは「障害者支援団体」と明記されそうになり、幾度となく赤字を入れてきました。

私たちは、知的障害のある作家を支援するのではなく、ビジネスパートナーであると捉えています。「支える」のではなく「支えられている」。「依存される」のではなく「依存している」。

作家に対して、その家族に対して、福祉施設に対して、強い尊敬が前提にあります。私たちは支えられている立場なのです。だからこそ、支援者ではなく伴走者として協働する。

(5)変化を、届ける。
社会や、会社や、自分自身の変化を歓迎しよう。
そして福祉領域における変化の作り手となり、
積極的に“変化の兆し”を発信していこう。

ヘラルボニーは、前提として、よりよい変化を歓迎する組織です。それは、社会のことも、会社のことも。

障害福祉の問題は「これって触れて良いんだろうか?」「間違ってしまったらどうしよう?」など、オブラートに包まれて語られている気がします。だからこそ、障害福祉の制度や歴史、障害のある人たちの"変化の兆し"を伝達し、遠い世界の話を身近な話にすることを目指します。

(6)福祉領域を、拡張しよう。
新たな文化を築くためにも、
営利企業としての成長にこだわろう。
福祉領域の経済循環をつくりだし、
しっかりと利益を生み、正当な対価を届けていこう。

福祉でお金儲けするのはどうしていけないのでしょう。知的障害の特性は可能性だと言葉にしてはいけない空気感があるのはどうしてなのでしょう。

私たちは彼等が大好きなことをして、そこにお金がまわる仕組みを作りたい。だからこそ、しっかりと利益を生み、彼等の生活水準すら変えていく。

かわいいミッション・バリューには、旅をさせよ

「崇弥、起業おめでとう!起業祝いにミッション・バリュー書くよ!」

あれは3年前のこと、創業したばかりの私に向かって、新卒からお世話になった前職の先輩である田村大輔(現「PARK Inc.」代表 / クリエイティブディレクター / コピーライター)は言い放ちました。

「え・・・!いいんですか・・・?」

ランチ終わり、尊敬する先輩からの一言からミッションである「異彩を、放て。」は誕生しました(もちろんその後、双子を含めて何度も何度もディスカッションさせていただきました)。少しばかり、自慢をさせてください。

「痺れました」「最高です」「よくその言葉を選びましたね」「会社のクリエイティブ会議でお手本になります」

この言葉は会社のミッションを飛び越えて、たくさんの解釈を生み、人々の思考を刺激してきました。言葉は、知らず知らずのうちに親元を離れて旅をして成長していくのだと理解しました。

今回の大切な子供(バリュー)も、ヘラルボニーメンバーから、ヘラルボニーファンのみなさまから、福祉施設から、作家から・・・そして今現在ご覧いただいているみなさまから可愛がられて、すくすくと成長して欲しいと願います。

HERALBONY MISSION

異彩を、放て。

知的障害。その、ひとくくりの言葉の中にも、無数の個性がある。
豊かな感性、繊細な手先、大胆な発想、研ぎ澄まされた集中力・・・

“普通”じゃない、ということ。それは同時に、可能性だと思う。

僕らは、この世界を隔てる、先入観や常識という名のボーダーを超える。
そして、さまざまな「異彩」を、さまざまな形で社会に送り届け、
福祉を起点に新たな文化をつくりだしていく。

福祉実験ユニット
ヘラルボニー

初募集!エントリーフォーム、開設しました!

株式会社ヘラルボニー、「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験ユニットとして、「障害」という言葉がまとうネガティブな先入観を拭い、個人の生き方(選択肢)を増やすことで、平等に光があたる社会を目指しています。

創業から3年、今現在では顧問・複業・インターンも含めて30名近い組織に成長してきました。外部資本も受け入れる急成長中のスタートアップです。今までは全て個人間の出会いを重視しており、公的に採用募集をしたことがありませんでした。

しかしこの度、新しい文化づくりを目指す永くお付き合いができる仲間と出会いたく、初の社員採用フォームを作成いたしました。尊敬できる方と出会いたいです、下記の設問に必要事項を記入し、ご応募お待ちしております。

募集要項

●Corporate
CHO(Chief Headquarter Officer)候補
経理マネージャー候補
経営企画(岩手)
●Retail
ストアキャスト(岩手・関東圏)
ECマーケター
生産管理
●Account

アカウントマネージャー候補
プロジェクトマネージャー
●Marketing/Communication
BtoBマーケター
Webデザイナー
フロントエンドエンジニア/UXエンジニア
●Art
ギャラリストマネージャー候補

SNSデータから見る「学生の注目企業2021」に「メルカリ、サイバーエージェント、サイボウズ、KDDI、LINE、ヘラルボニー…」フェイクニュースかと思うぐらいの衝撃的な記事がありました。

岩手発の知的障害のある作家のクリエイティブエージェンシーが学生の憧れの企業へと変貌を遂げた新しい時代の到来を意味します。

この結果は若い世代が障害福祉への目線が確実に変わってきているということです。多くの出会いがありますように。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?