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2024年6月23日 12:26
人生が映画なら、と君は言うけど私はやっぱり言葉を選ぶよ。あの日の強くて優しい風を花と一緒に揺れていた心のことを昨日見上げた月の大きさをそれを君に教えたかったことを朝になれば忘れるような静かな静かな夜の音を私だけが知っている君の横顔を忘れてしまっても思い出せるようにどれだけ過去が増えていっても何ひとつ取りこぼさないように全部を言葉にしてしまいたい。走馬灯にもならない小さな
上水春信
2024年2月10日 16:39
何も見えない漆黒の夜道を何も見えない光の海の中を前が見えない土砂降りの中を目を開けていられない激しい嵐の中を彼は感覚だけを道しるべにして生きている一番敏感な粘膜を闇に晒し光に晒し雨に晒し風に晒し体の奥深くで激しい拒絶反応を起こしながら絹の糸を口から吐き出し躰の周りに純白の繭を張るそれは自分を司り自分の心を護るためのそ