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こころとことば

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最近の記事

詩 手紙

きみに贈るように 言葉を選びたいと思った。 わたしが綴る全てを きみが知るわけではないけれど、 わたしが選ぶ愛の言葉は いつでもきみの匂いがすること、 きっといつか気付くでしょう。 きみが、わたしのこころに ひょっこり顔を出す度に、 渡せない手紙が増えていきます。 ひとつ、ひとつ、 言葉を拾って息をしては きみに愛されたいと願ってしまう。 わたしの選んだ全てが きみの夜を照らすための 一本のマッチのようであれたら 灯火でなくたっていいよ。 なんてのはうそで 本当はね、 山積み

    • 詩 独白

      幼い頃の記憶は いつもつま先とアスファルト 本の世界への旅がえり ぼやけた頭が心地いい 大切なものが あまりなかった 今も、ないけれど 私は嘘をつくのが下手らしい なんでも顔に出るらしい でも、私はわたしを 嘘つきと呼びました 楽しみだけを抱えて生きたら それは楽しいかしら 楽しさは、いつも 寂しさと手を繋いでいて 仲間はずれなんかには 決してさせない 最近の私は いつも空ばかりを見つめて この世界がまだ美しいと 必死に唱えている 言葉さえも 戦争をするようになった世界

      • 詩 野原

        空が好きだから、土になりたいと思った。 決してあなたに染まることなく、 ただあなたが 泣いたり笑ったりしているのを 見ていたかった。 そうして咲いた心の花を、 あなたに見せてあげたかった。

        • 詩 人生

          人生が映画なら、と君は言うけど 私はやっぱり言葉を選ぶよ。 あの日の強くて優しい風を 花と一緒に揺れていた心のことを 昨日見上げた月の大きさを それを君に教えたかったことを 朝になれば忘れるような 静かな静かな夜の音を 私だけが知っている君の横顔を 忘れてしまっても思い出せるように どれだけ過去が増えていっても 何ひとつ取りこぼさないように 全部を言葉にしてしまいたい。 走馬灯にもならない 小さな小さな今日のことを 失いたくなくて必死なんだ。 だから君の今日のことも 私に言え

        詩 手紙

          詩 青梅

          まだ柔らかな 生まれたての青空 今日は洗濯物を干そう 明日からはまた雨が降る 頬を赤らめた初夏の実は 次の夏まで旅に出る 一人ひとり、丁寧に身支度をして きっと素敵になるんだよ 今日のわたしの晴れたこころが 季節と一緒に過ぎていっても 君たちがずっと覚えているなら わたしはね、また次の夏も怖くない

          詩 青梅

          詩 光

          光になりたかった あなたみたいに 悲しみを湛えたこころが 今日の朝日できらきらしては あなたの指先を通って 或いは あなたの喉先を通って わたしを照らすみたいに たんと悲しんで たんと苦しんで 流した涙をしまっておいて とびきり綺麗な宝石を こころのなかに飼ってしまう あなたみたいに わたしの涙はいつも まばたき一つで 嘘になってしまいます 他人なのです 悲しみも 苦しみも わたしではないのです 傷一つ、痛み一つも背負わずに ただ在るだけの そんないのちがあって あな

          詩 光

          詩 世界

          一日、一日、 生きていくほどに この世界を 少しずつ嫌いになっていく 居場所だったインターネットは 悪意と金が渦巻いて 神様だったあのバンドは 今のわたしを救えない 親友だったあの本は 埃を被って背を向けたまま 思えばわたしは昔から 性にこころを殺されてきたなぁ この世界から 遠く離れたところに行きたいと ずっと思っているけれど この世界が時折みせる 美しさが 優しさが 愛しさが またわたしを引き止める 母のようです たしかに、この苦しみの根源でありながら あなたの愛ば

          詩 世界

          詩 月

          あなたが好きだと言った わたしの言葉は あの人の輝きでしかないのよ。 あの人の美しさに照らされて ほんの少し光って見えただけで わたしひとりでは あなたの瞳には映れないことを わたしだけが 本当に分かっているのです。

          詩 月

          詩 天使

          いつも、あなたになりたい。 確かにあなたに救われて 同じくらい殺されていること。 何かを愛するとか 愛だと口にするとか 愛さないと言うこととか、 顔も知らない 名前も知らない あなたの美しさだけを知っていて、 決してあなたになれない 自分のことも知っていて、 だから、全ての言葉が ただあなたにだけ微笑む世界を 少し憎んでいたりします。 いつも美しいのは あなたの言葉だけで あなたの思想だけで あなたの世界だけだと 思い込んでしまうけれど、 きっとそんなこともない。 わたしは知

          詩 天使

          詩 春眠

          きみがあの子の夢を見た 夜は三度寝 いつかはひとりだ ぼくもきみも そうだといい つめたい布団で目を閉じたい ぬくもりは朝日だけでいいよ いつかぼくが終わるとき きみがまだ寝ていたらいい

          詩 春眠

          詩 まぼろし

          幽霊になりたかったんだ。 誰にも知られずに 息をしていたかった。 わたしの 髪の匂いも 瞳の色も 手の冷たさも 誰にも教えずに 閉じ込めておけたらよかった。 わたしを愛するには それしかなかったのに。 わたしのこころは きみにはわかんないよ。 言葉に預けて 仮初のこころで満足して わたしをまるで全部 知り尽くしてしまったみたいな きみの表情がすきだ。 わたしはもう あとは消えてしまうだけ、 きみに夢だと思わせるだけで ひとつの季節が終わります。 幽霊になろう。 美しくて曖昧な

          詩 まぼろし

          詩 心

          ぼくがいなくなった部屋は 暑いままだったかな 今がいつか消えること きみもきっと気づくよ あの道も、 あの歌も、 あの味も、 あの花も、 失うのはきみで 忘れるのはぼくだ 空が明けなければいい

          詩 心

          乱文

          大切なきみが わたしにとっては 姉で 友達で 子供で 神様だった きみが きっと泣いていることを 知っている 知っているだけだ、いつも もう空気の中に溶け込んで 私たちを汚していく 闇に きみが、傷つけられていて わたしは ゆるせないなと思うしかできなくて なにもできなくて わたしもまたその闇のなかで きみを傷つけたなにかを 切りつけてやりたいと思ってしまう ねえ せかいで いちばんにしあわせでいてほしい きみが大切だよ きみが きみがせかいなのに どうか どうか どうか き

          詩 ともだち

          もうすぐ誕生日だね きみはいつもかわいい もうきみのことをあまり知らない わたしたち、違ってしまったね 旅に出た夕焼けと コンクリートの冷たさを まだ覚えているよ あの本はいま何してるかな 誰かに愛されていますように きみみたいに

          詩 ともだち

          詩 夢占い

          何度も 何度も だいすきって思いながら だいきらいって呟いた 酷い寝癖 生まれてこなかった あの子の夢をみたよ 続いていく わたしもきみも だからいつか きっと雲になる 風が優しいといいな きみの空だけ

          詩 夢占い

          詩 窓

          言葉でしか生きられない。 わたしをつくるのは かわいいお砂糖とか 指先の愛とか まぶしい夜とかではなくて わたしをつくるのは 朝の青さとか 砂利を踏んだ音とか きみの心音とかで それがわたしの内側で きらきらするから あなたはやっと わたしが見えるのよ

          詩 窓