詩 世界
一日、一日、
生きていくほどに
この世界を
少しずつ嫌いになっていく
居場所だったインターネットは
悪意と金が渦巻いて
神様だったあのバンドは
今のわたしを救えない
親友だったあの本は
埃を被って背を向けたまま
思えばわたしは昔から
性にこころを殺されてきたなぁ
この世界から
遠く離れたところに行きたいと
ずっと思っているけれど
この世界が時折みせる
美しさが
優しさが
愛しさが
またわたしを引き止める
母のようです
たしかに、この苦しみの根源でありながら
あなたの愛ばかりを思い出して
憎みきれない
愛したいと願ってしまう
憎めたら
手放そうと思えたら
きっとどんなに楽だろうか
この世界の
醜さだけに目を向けて
いのちを呪って死ねたなら
どんなに
今日も、わたしは
朝日に目を細めて
小鳥のさえずりに耳を傾け
母の作ったご飯を食べて
毛布の中にくるまって
なんの意味もなく涙を流して
生きている
なんて贅沢
なんて自分勝手
わたしが本当に憎いのは
世界でも
母でもなくて
わたしなんだな
それでも今日も
生きている
世界のせいにして
生きている
ああ情けない
世界を愛する勇気すら
わたしにはないのだ