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詩 人生

人生が映画なら、と君は言うけど
私はやっぱり言葉を選ぶよ。
あの日の強くて優しい風を
花と一緒に揺れていた心のことを
昨日見上げた月の大きさを
それを君に教えたかったことを
朝になれば忘れるような
静かな静かな夜の音を
私だけが知っている君の横顔を
忘れてしまっても思い出せるように
どれだけ過去が増えていっても
何ひとつ取りこぼさないように
全部を言葉にしてしまいたい。
走馬灯にもならない
小さな小さな今日のことを
失いたくなくて必死なんだ。
だから君の今日のことも
私に言えない悩みのことも
少しだけ言葉にしてくれないかな。
いつか消える君の大切な今が
少しでも私に残るように。


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