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エッセイ集 へいたのはなし

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エッセイ集です。ここに書いていることだけは本当の話です。おそらく、多分、だいたいは。
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2023年8月の記事一覧

エッセイ よく働いた日(2023年8月のネコ戦記)

エッセイ よく働いた日(2023年8月のネコ戦記)

毎月、月末あたりにその月の公募活動などをあけすけに書いています。
なんてあけすけな! 恥を知れ!

と、いうわけで、今月はnoteと並行でいくつかの公募を出しました。少し数が多いです。一本一本が短いことが大きいけれど、生活のリスケの成果が出たと思っています。

加えて、星々さんのワークショップに参加させていただいたことで、少し文章の書き方も変わったと思います。準備をするようになった、正確には準備の

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エッセイ 同じ顔の、違う店(#最近行ってよかった店)

エッセイ 同じ顔の、違う店(#最近行ってよかった店)

ふと気がつくと、ずいぶん外食をしていない。
自粛自粛と言われた頃は「外食しなくなった」と思っていたが、もうそれが日常化してしまって特に寂しいとも思わなくなっていた。
出先で朝食をとったり、元気のない時に夕食を食べたり、外で食事をとること自体はするようになったが、誰かと外食をすることは最後がもういつだったかわからないくらいに前のことになってしまった。

「行っとく?」
帰社のタイミングで突然言われた

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エッセイ 「正直」な人【山本伸子「fumbling」ほか感想】

エッセイ 「正直」な人【山本伸子「fumbling」ほか感想】

 私は日中、どちらかというとサービス業に従事していて、顧客や関係業社と話をする機会が多い。勤め出して20年近くになる。けれどいまだに対人対応が不得手である。
 接客が苦手、というよりそもそも人との対話が苦手なのだと思う。「裏表」とよく言ったりするけど、私はこれを認識するのが昔から著しく下手だ。
「今度、食事に行きましょう」から「よろしく言っといて」まで全部忘れないように手帳に書いてしまう。他人に話

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エッセイ 「「だって」つって大泣きしたい」【#あの選択をしたから】

エッセイ 「「だって」つって大泣きしたい」【#あの選択をしたから】

 働こう、と思ったのは大学生の時で「働きたい」と思ったわけではない。
 私はいわゆるDV家庭で育っており、経済的な主導権が暴力的支配の根源になる、と思い込んでいた。(今は必ずしもそうは思っていない)暴力の重さは日に日に増していて、夜中に救急車を呼ぶような事態にまで発展していたため、私は今すぐにでも一家の稼ぎ手になる必要があった。少なくとも私はそう思っていた。

 院に行きたい気持ちはあったものの、

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エッセイ 狭間の向こう【#未来のためにできること】

エッセイ 狭間の向こう【#未来のためにできること】

 今、時代の狭間にいるな、と思うときが時々ある。

 40代の上司と一緒に女性連れの比較的高齢の取引先と会っているとき。
 ピカピカに光る時計と重厚なスーツに身を包んだ初老の男性がこれみよがしに笑って綺麗な顔の女性部下を見る。部下も上司に合わせて笑う。横を見る。上司も笑っている。乾いた笑い。みな笑っているのに、なんだか居心地が悪い。

 上司は昭和の産まれだが、比較的世情に敏感な人だ。女性の自分を

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エッセイ ハートマン(ねこの悪だくみ2023年8月)

エッセイ ハートマン(ねこの悪だくみ2023年8月)

 こんばんは。がっつり休んで後の再開です。少しnoteのスケジュールを変えてみました。
 具体的には、週末(金曜日)に出るお題以外の全ての記事を事前に前の週に予約投稿できるように調整しています。いろいろ考えたんですが、毎日、朝の時間に公募を書くことにしたんです。以前は土日に固めてやろうとしていました。しかしそれだと時間のとれる週ととれない週とで作業量にかなりの差が出てしまいます。突発的に固めてやる

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