脳腫瘍で光を失った息子と歩んだ15年の備忘録⑥2度目の手術、そして失っていくもの
手術当日、手術棟まで歩いて向かう息子に付き添うも、前回と違い、母親の入室は許されなかった。 今回もまた、オペ室まで同行できるものと思っていたのだが、自動扉の前で息子を見送らざるを得ない事になった。
その事実を知った息子の顔は不安で一杯になり、今にも泣き出しそうだ。 いってらっしゃい、待ってるからね、の声かけに一度振り返った息子の目からは涙が溢れていた。 意を決して自動扉の向こうへ足を踏み入れる様を見つめていた私は、ドアが閉まった途端泣き崩れた。
もう嫌だ。 胸が張り裂けそう