私は「うつ依存症」の女 エリザベス・ワーツェル
彼女が鬱を発症したのは小学生のころ。自傷癖があり恋愛にのめりこむ性格である。ハーバードに入学してからも症状は続き、精神科のケアをいくつも受けた。20歳で良い薬に出会い、自殺未遂などを経てようやく症状が落ち着く(というところで本書は終わる)
クリスティーナ・リッチ主演で映画化もされています。映画で見ると怒鳴り合う夫婦の姿がリアリティすごい
主人公はステレオタイプな「メンヘラ」であり、とにかく他人に構ってもらいたいタイプ。うつ病というより、うつ症状を伴う何か別の精神疾患のように見える。
第13章で、医者から「不定型性うつ病(atypical depression)」と診断されたが、それもプロザックが効いたことから逆算してつけられた病名である。
母親が過干渉であり毎日電話する必要があるなど、親子関係に問題があることが繰り返し描かれている。
(離婚した父親は娘に無関心だが、ときどき関心を持つようなそぶりを見せるタイプ。記事によると実は生物学的な父親ではなかったとのこと)
書籍が出版されたのが1994年なので、今読むとあまりセンセーショナルな感じはしない。当時はまだ「毒親」などの概念もなく、映画「17歳のカルテ」が1999年なので、メンヘラものとして新しかったかもしれない。
「うつになれば優しくしてもらえる」と無意識に学習してしまうと、そのメカニズムによって落ち込みが反復されるケースがあるらしい。
著者は2020年1月に癌で亡くなっている。享年52歳
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