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2020年12月7日(月) 日曜から夜ふかし 笑の大学,セールスマンの死
NHKBSプレミアムでは毎週日曜夜23時20分頃から舞台やオペラ,バレエ,コンサートを明け方まで放送しているのを知っていますか.
毎月第1日曜日はプレミアムステージと題して国内で上演された演劇作品を放送しています.
今回は三谷幸喜演出の笑の大学(1996,青山円形劇場)と以前視聴したセールスマンの死(2018,KAAT神奈川芸術劇場)のアンコール放送があるということで久しぶりに見ることに.
笑の大学
日本が戦争へ突き進む時代.市民の娯楽は制限され,演劇界でも台本の検閲が行われるようになった.
劇団「笑の大学」の脚本家椿一も,向坂睦男から台本の検閲を受ける.
演劇に明るくない上に一度も心から笑った事のないという向坂から「そこで笑いが起きる意味が分からない」「舞台は外国ではなく現代日本にしろ」「警察官の役を足せ」など無茶な訂正を求められるが,なぜかそのたびに台本は更に洗練されたものになっていき….
文章力の無い自分のあらすじはこんな感じで勘弁していただきたい.
初めて見ましたがとても面白かったです.
検閲室という1つの場所で物語が進行する感じとか,検閲というシリアスな状況のはずなのに思いもよらず台本作りが進んでしまう感じとか,ああこの感じ舞台らしい!と改めて感じました.
コロナもあって今年は全然観劇できていないのですが,やっぱり色んな舞台を観にいきたいですね.
登場人物が2人とも洋服なので昭和15年が舞台というのは最初驚きました.
内容としては喜劇の脚本作りだから終始コメディなんだけど,やっぱり戦前という時代の死の気配がすっと首元に突きつけられるような,そんな不安定さもあって.
でもどんな悲しい時代でも,そこに人はいて,そこに喜劇はあって,みんな生まれてしまった時代で精一杯生きているんですよね.
椿一に召集令状が届いたこと,
それを聞いた向坂の表情がこわばったていたこと,
「死んではならない」「必ず生きて帰ってきなさい」と言っていたこと(セリフは曖昧です),
なんとなく,椿はもう日本に生きて帰れないであろうことを感じてしまう.
それでも,だからこそ,この台本だけはと最後の最後まで書き続ける2人は,悲しいとか美しいとかそんな簡単に言葉の枠にはめられるものじゃなかった.
笑の大学を観終わって1時前,まだ寝る気が無い自分への後悔も感じつつセールスマンの死を見始める.
流石に明日が辛いので,子供たちがまだ高校生の時代をウィリーが回想する場面あたりまでを見たのち寝ました.
今回見たのは途中までなのでこれと言って感想は言えませんが,やっぱりこれも興味深いお話です.
ウィリーが解雇される場面とかチャーリーにお金借りに行く場面とかは見られてないので,録画データを漁って続きを見返したいですね.
せっかくなので色々考察されていた論文を置いておきます.
セールスマンの死,来年1月に同じキャストで再演されるそうですね.
コロナの心配は勿論だけど,演劇が後世まで受け継がれてほしいし,もっと演劇に触れる人が増えてくれると嬉しいです.
夜ふかししていい舞台を摂取したおかげで比較的気分のいい月曜日だったように思います.
日曜夜,月曜日が嫌だ,寝たら明日が来てしまう,という気分の時は,よかったらNHK BSプレミアムをつけてみてください.
いろんなものが「無駄」として切り捨てられてしまうような社会から離れて,夜ふかしして音楽や演劇を楽しむ贅沢なひと時は,明日を生きるための希望と余裕になるかもしれないです,多分.
ここまで読んでくれたあなたがだいすき!