見出し画像

#25 繊細さん、敏感な人 HSPの特徴と対処法

『瞑想Cafe』では、ストレスを手放し、苦しみから解放されることをメインテーマにしています。

瞑想カフェにようこそ!
瞑想Cafeでは、瞑想に関すること、マインドフルネス、ヴィパッサナー瞑想、「ブッダの教え」など
心とからだの健康をテーマにした話をしていきたいと思います。

前回に引き続き、今回もHSPに関して、お話します。
「繊細さん」「繊細な人」「敏感な人」「心配性」など、HSPのキーワードの記事が掲載されない日がないほど、最近話題のHSP。
このHSPはあくまでも「気質」ですが、うまく付き合えずに、ストレスが高まり、不安になったり、自信をなくしたり、生きづらさを感じる方が多いようです。
前回にもお話したように、私もかなりのHSP気質です。
そこで、今回はHSPの特徴と対処法について、お話したいと思います。

『瞑想Cafe』では、瞑想に関することを中心に、心とからだの健康をテーマに話をしていきたいと思います。
特に、ストレスを手放し、苦しみから解放されるために役立つ情報を発信していきたいと思っています。
そのために役に立つ情報として、マインドフルネス、ヴィパッサナー瞑想、ブッダの教え(ブッダ・メソッド)、アーユルヴェーダなどを中心に、誰にでもわかりやすいように、私の体験を交えながら、ご紹介していきます。

この記事では第25回の放送内容を要約しています。


1.HSPとその原因

HSPとは、前回も説明していますが、

「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略称
感受性が極めて強い、超繊細な人のこと

HSPは、人口の15~20%の割合に当てはまる生まれつきの特性です。

HSPは、病気や障害ではなく、あくまで生まれつきの「気質」です。


HSPが刺激を感じやすい原因は、脳の「扁桃体(へんとうたい)」の働きが生まれつき強いのが原因だそうです。

扁桃体は、不安や恐怖を感じたときに活動する脳の部位です。

扁桃体が活発に働くHSPは、刺激に敏感で、細かいことに気がつくため、生活において精神的なストレスを抱えやすい傾向にあるそうです。


さらに、私たちの脳には2つの神経回路があり、その2つのバランスがHSP特有の敏感さをつくると考えられているそうです。

行動活性システム
このシステムが活性化されると、新しいことにチャレンジしたくなる、大胆になる、好奇心に満ちてくるなどの状態になる「ワクワク回路」です。
行動抑制システム
このシステムは、私たちにストップをかけてくれるブレーキ役のような「慎重回路」です。
何か新しい状況が生じたとき、過去や現在のこと、未来に起こるかもしれないことと照らし合わせて、自動的に比較して、自分の置かれた状況を理解するために行動しないようにブレーキをかける状態をつくります。


2.HSPの4つの特徴

HSPの提唱者である米国の心理学者であるエイレン・アーロン博士は、HSPには4つの特徴があると言います。

<DOES(ダズ)と呼ばれる4つの特性>

●Depth of processing(深い情報処理を行う)
物事を始めるのに色々と考えてしまうので、なかなか決断できなく、行動を起こすのに時間がかかります。
物事を深く捉えたり、考え込んでしまう傾向があります。
一つの出来事に対して、深く考えてしまうのが特徴です。
Overstimulated(過剰な刺激を受けやすい)
相手の言葉や気分、言動などに敏感で、何気ない言葉が気になったり、傷ついたりします。
また、大きな音や痛みに対して非常に敏感になりがちです。
映画や音楽、本などに深く感動するなど、周りの環境の様々な刺激を感じ取りやすい傾向があります。
些細な刺激に対して、敏感に受けやすく、過剰に反応してしまうのが特徴です。
Emotional reactivity and high Empathy(感情の反応が強く、共感力が高い)
共感能力が高いので、映画などの登場人物に感情移入して、喜んだり悲しんだりします。
また、人が怒られていると自分も怒られているように感じ、まるで自分に起こった出来事にように反応してしまう傾向があります。
過敏に反応し、高い共感力があることが特徴です。
Sensitivity to Subtleties(些細な刺激にも反応する)
冷蔵庫や時計の音など、小さな音が気になったり、人の体臭や口臭に敏感に反応してしまったりと、日常生活の些細なことが気になってしまったりします。
大きなストレスを抱えていたり、何か悩みがって落ち込んでいるときなど、その症状を悪化させてしまう傾向があります。
些細なことにすぐ気づける敏感さが特徴です。

HSPには、このような4つの特性(DOES)があり、“こういう気質なんだ“、“HSPの人は、こんな感じなんだ“と理解いただければと思います。

ただ、HSPという気質は、その人が生まれ持ったものの一部であり、同じHSP同時だとしても、人それぞれ性格は違います。
HSP気質を持っていたとして、人の性格や個性はさまざまであり、HSPだけでその人の個性が決まるわけではありません。


3.HSPが気になるワード

敏感で繊細、感受性が高いHSP気質を持っている人には、なぜか気になる、なぜか引っかかる言葉が多くあります。

その言葉を聞くと、悲しい気分になったり、ワサワサしたり、ザワザワしたり、ネガティブな気分になりやすいワードがあります。

考えすぎだよ
気にしすぎだよ
神経質
面倒くさい人
無理しすぎ
考えすぎ
いつまでもくよくよしすぎ
まだ落ち込んでいるの?
そんな細かいこと、気にしなくていいよ
そんなの気にしていたらやっていけないよ

など、このような言葉を言われるだけではなく、SNSやメールなど文字で見るだけでも、無意識に過剰に反応してしまう傾向があります。

その結果、自己肯定感を下げてしまったり、自分を責める言葉に繋げてしまったりしがちです。

前回もお話しましたが、私もかなりのHSP気質で、言葉に敏感に反応してしまう傾向があります。

自分なりに気になるワードが存在しているようで、その言葉には無意識に敏感に反応してしまい、感情的になったり、不安になったり、ネガティブになったりしてしまいがちです。
気になるワードと過去の出来事の強い感情とが、強く結びついてしまっていて、無意識に過剰に心が反応してしまい、感情が噴き出てしまいがちです。

悪気あるわけでも、嫌みでもないとは思っても、何気に発言された言葉、書いてきた言葉に、敏感に反応して感情になってしまい、人間関係が悪化したり、相手を逆に傷つけてしまったりしたことがあります。
その後は、そんな反応をしてしまった自分を責めて、そんな自分が嫌になった時期もありました。


4.HSPが抱えやすい4つの心の問題

「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」イルセ・サン (著)
この本の中で説明していますが、HSP気質の方には、共通して抱えやすい心の問題があるそうです。

【心の問題1】自分自身に高度な要求をしてしまう

・いかなる状況でも100%ベストを尽くさなければならない
・周りの人に弱みをみせられない
・自己中心的であってはならない
・一緒にいる人に注意を向け、楽しませなければならない
・完璧でいなくてはならない
自分に課したルールに縛られ、自分がどうあるべきか、高い基準を設けてしまう。
また、自尊心が低いからこそ「優秀」でいようとする。

ただ、自分にどんなルールを課しているのか、自分で認識・把握しているわけでもなく、無意識のルールに従ってしまっている傾向があります。


【心の問題2】罪悪感と羞恥心にさいなまれてしまう

自分の力が及ばないことにまで、罪悪感を抱いてしまう。
ほかの人が不幸なのが自分のせいだと感じてしまう。
また、自分の何かが間違っているのではないかと思い、それが明るみに出てしまうことへの恐怖が入り混じった羞恥心を抱いてしまう。
恥じていることを恥じることが多い。

恥じていることや隠したいことが多いと、秘密を守ることにエネルギーを使うため、言葉がスラスラ出て来なくなり、会話が難しくなる傾向があります。


【心の問題3】恐怖心を感じ、憂鬱になりやすい

敏感な人の多くは、恐怖心と闘っている。
物事が悪い方向に行く可能性を考え、不安を募らせてしまいがちである。
<恐怖によって現れる症状の例>
・激しい鼓動
・心臓の圧迫感
・呼吸困難
・震え
・発汗
・うまく立てない
・めまい
・飲み込むときにのどが痛む
・ソワソワして不安になる など

憂鬱な気分になると、自分自身のことや将来の可能性について、ネガティブに考えてしまいがちであり、疲れてしまいます。
疲れるとよりネガティブに考えてしまい、悪循環に陥ってしまう傾向があります。


【心の問題4】怒りをうまく放出できない

共感力が高く繊細なため、怒りや言い争いのダメージを受けすぎる。
また、誠実で思慮深いゆえに、諍(いさか)いが苦手である。

HSPの人が怒ってレッドゾーンに入ると、すぐに白黒をつけたがり、他の人の立場に立って考える能力を一時的に失ってしまいがちです。
これはHSPの人たちが、自分でも好きになれない傾向です。


5.HSP気質への対処法

過敏に過剰に反応してしまいがちなHSP気質、陥りやすい心の問題にどうのように対処していったらいいのでしょうか?

自分がHSP気質なんだと、認識して受け入れるだけでもだいぶ楽になると思います。

今まで「内向的」「心配性」「恥ずかしがり屋・シャイ」「神経質」といった言葉で片付けられてきましたが、自分では納得していなかったのではないかと思います。

私はかなりのHPS気質であるとお伝えしましたが、HSPという言葉をしったのは、半年ぐらい前です。
そして、セルフチェックしてそうだったんだと実感・納得したのは、つい最近です。

小さいときから、生きづらさを感じたり、なんで自分はこうなんだろう、こんなに繊細なんだろう、感情的になりやすいんだろうと悩んでいたことがあります。
過去にいろいろ傷つきやすかったり、神経質になったり、敏感に反応して心が折れてしまったり、そうした原因の大きな要素にHSP気質があったんだと納得できて、少し救われた気分です。


ただ、日々の生活の中で、どう対応したらいいか、こんな自分は嫌だとか、自分に自信がなくなっていると、自分がHSP気質なんだとわかっただけでは救われませんよね。

「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」イルセ・サン (著)
この本の中では、次の8つの方法が挙げられています。

【「敏感な自分」とうまくつきあう方法】

1.HSPの能力を楽しむ機会をつくる
2.五感から過剰に刺激を受けないための対策をとる
3.過剰な刺激を受けたら、じっと自分の内側に集中する
4.自分自身へ愛情を向けて、自分を守る
5.自分自身に思いやりを持つ
6.自分自身と和解する
7.心理セラピーを受けてみる
8.自分らしくいることの喜びを感じる



HSPの原因は、扁桃体が活発に働いてしまうため、刺激に敏感になり、過剰に反応してしまうことです。

そのため、生活において精神的なストレスを抱えやすい傾向にあることが問題なわけです。

そして、HSPが抱えやすい4つの心の問題が生じてきます。

私の経験からのHSP気質への対応策としては、

1.外部からの刺激に敏感に無意識に心が反応してしまう「心の反応の癖」、「心の反応の習慣」、それ自体を変えてしまう 

すなわち、「マインドフルネス瞑想」、または「ヴィパッサナー瞑想」を実践することです。

この瞑想では、感情を抑え込もうとするのではなく、平静な心で、今この瞬間の自分を観察します。そして、快・不快の判断せずに、今の感情、心の動き、身体感覚に気づき、反応しないことで、感情をコントロールします。
それを習慣化することにより、心の反応の癖を変えることができるようになります。

すなわち、五感+心(意識・思考・煩悩)の刺激により、無意識に反応してしまう心の働きを意識化して、制御できるようになります。


2.自己肯定感が低くなりがちなので、自己肯定感を高め、ネガティブな感情に陥りづらくする

扁桃体が活発に働きやすい本能的な反応を、理性的な大脳新皮質(哺乳類脳)で押さえていくことです。

そのためには、自己肯定感を高めることができる「セルフ・コンパッション」、または「慈悲の瞑想」を日々実践することです。

この瞑想では、愛と慈しみに満ちた思いで祈る瞑想です。
そして、自他ともに慈悲を祈り、自他ともに許しを請う祈る瞑想です。

この瞑想では、心に安らぎを与え、自分の心を清らかにするためのものであり、ネガティブになりやすい心を抑えることができます。

そのため、自己肯定感を高めることができます。


このように言っても、簡単に言うな!と怒られそうですが、、、

私もかなりなHSP気質で、自分の苦しみから抜け出すために、ヴィパッサナー瞑想を日々実践しています。

そのヴィパッサナー瞑想を実践して感じるのは、HSP気質の方にはこの2つの方法はかなり効果的だと実感しています。

また、瞑想効果によって、脳が変化していくことも科学的に証明されてきています。

この二つの方法は、HSP気質の高い方には、必須スキルかもとさえ思っています。

もし悩んでいる方がいれば、一度実践してみてください。



<イルセ・サン氏プロフィール>
心理療法士。
デンマークのオーフス大学で神学を学び、C・G・ユングとキルケゴールに関する修士論文を執筆。
デンマークの心理療法協会の会員でもある。
数年間、デンマーク国教会の教区司祭を務め、現在はスーパーバイザー、トレーナー、講演者、セラピストとして活動している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?