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乱反射

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noteで投稿する初小説。殺されて幽霊となった姉と彼女に対して劣等感を抱く妹が事件の真相に迫るヒューマンミステリー。
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2016年2月の記事一覧

乱反射 2.

乱反射 2.

 テーブルに家族四人が座っている。でも、姉の姿を見ることが出来るのは私だけのようだ。母が私と父の分の朝食を持ってくる。姉は自分の席にご飯や味噌汁を置かれないことに、ひどくもどかしさを感じているようだった。

「確かに幽霊はお腹が空くことは無いんだけど、ここまで見ちゃったら我慢するのも辛いわね」

 姉は私たちを恨めしそうに見ている。そして、私が姉の大好物だった玉子焼きに手を伸ばすと、姉は突き刺すよ

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乱反射 1.

乱反射 1.

 姉の告別式が終わった後、私は両親と一緒に家へ帰り、そのまま自分の部屋に入った。そして喪服を脱ぐことなく、ベッドにばたんと倒れこんだ。どっと疲労が溜まった。それだけ私は、姉に対して激しい劣等感を抱いていたということだ。

「美月(みつき)」

 どこからか私を呼ぶ声が微かに聞こえた。この部屋には私しかいないはず。不審に感じながら、私は辺りをぐるりと見回す。でも、誰もいない。私は疲れているのだろうと

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乱反射 プロローグ

乱反射 プロローグ

乱反射

 私は姉を超えることは不可能だと常日頃思っている。姉の香月(かつき)は私に無いものをすべて持っていた。頭の良さ、明るい性格、人望の厚さ、両親の期待、挙げるときりがないほど、彼女はすべてにおいて私を超越していた。不可能だと分かっていても、私はそんな姉をいつかは超えたいと思っていた。

 でも、その霞のように淡い想いは、突然嵐と共に消え去った。私は姉を超えることが永遠に不可能になってしまった

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