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「ローカルという罠」②新型コロナで地方への移住・転職が加速するの?編

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ローカルという罠②となります。①はこちらからどうぞ。ローカルという罠①都市と地方ってやめませんか編。この②は、都市と地方という2つで分けるのではなく、4つに分けて説明してますので、前編にその分け方について記載をしているので、①もみていただいてから、こちらの記事を見ていただければ幸いです。

新型コロナウイルスによって、地方に転職希望者が増えてるってなんか記事で見たけど、それって本当に移住する人増えるの?でも「したい」と「実際にする」って全然違う話だよねという記事です。地方ちゃんと細分化しようということも踏まえて書いていきます。話す前にこちらの文章を書くきっかけとなった記事をどうぞ。

「地方」への転職は増えるのか

地方に転職したい” 都市部の若者に意識広がる コロナ影響か
2020年5月17日NHKニュースより

新型コロナウイルスの影響で、地方に転職したいという意識が都市部の若者に広がっているとみられることが就職情報サイトの調査でわかりました。感染が収束したあとはUターンやIターンの転職が増えるのではないかとみられています。
就職情報会社「学情」は先月24日から今月1日にかけ、インターネットを通じて20代の転職希望者に新型コロナウイルスの感染拡大の影響についてアンケート調査を行い、およそ360人から回答を得ました。
このうち「地方への転職を希望する」と答えた人は36%と、ことし2月の調査と比べるとおよそ14ポイント多くなりました。地方への転職を希望する理由については「テレワークで場所を選ばずに仕事ができることがわかった」とか「都市部で働くことにリスクを感じた」、「地元に帰りたい」といった答えが目立ったということです。
調査を行った会社は今後、感染が収束して地域をまたいだ移動がしやすくなれば、UターンやIターンの転職が増えるのではないかとみています。

とのことです。都市と地方やめませんかの後なので、ここでも神脇が劇怒りしそうですが、一旦それは置いておいて。希望者の数が増えていて、「なるほどそうですか、でも実際ならないよね。」では終わらず、もう少しこの内容を見ていきます。
答えが目立った転職希望理由について。これだけで判断するのは危険だとは思うのですが、、みなさん気づきました?ここに書いてある理由が「消極的な理由」ですよね。都市部がリスクだから、仕事がテレワークで問題ないから、地元に帰りたいから(これはどちらとも取れますが)。地方に転職したい。けどそれは「都市部である必要がないだけ」であって、「地方が良いから地方に行きたい」ではないんですよね。(もちろんそういう回答もあるかと思います。けど学情さんのHPぱっとみてなかったのであきらめてしまいました。。見つけた方いらっしゃれば教えてほしいです。)

この消極的な理由でも転職・移住する人も一部はいると思います。ただ、積極的な理由が増えない限り、例年どおりのままでそんなに変わらないだろうと思います。その理由も踏まえて、ここから都市⇒地方の「地方」部分をもう少し細分化して話していきたいと思います。

「ローカルという罠」地方・ローカルを細分化して人の流れ(移住)を考えてみる。

移住の流れを下記の4つに分類分けして、考えてみる。
A.①都市(CoC)   ⇒  ②都市郊外(LoC)
B.①都市②郊外    ⇒  ③地方都市(CoL)
C.①都市②郊外    ⇒  ④地方(LoL)
D.③地方都市       ⇒  ④地方(LoL)

A.都市(CoC)⇒ 首都圏郊外(LoC):利便性の壁

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たぶんもっとも起こりうるのが、これですよね。
今の仕事を変えずに住む環境を変える。ここででてくるのは利便性の壁です。前職は住まいの不動産開発の仕事に関わっていたので、多くの方を見てきました。とりわけ実家が首都圏郊外にあるような方の場合には、実家の近くなどを選ばれることが多いと思います。ここででてくるのは、住まいを変えることに伴う、通勤が大変になるとか、教育の選択が狭まるという利便性の壁であることが多いと思います。

B.都市(CoC)・首都圏郊外(LoC)⇒ 地方都市(CoL):仕事の壁

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もうここは、仕事の壁ですね。支店があったり、フルリモートのできる人であれば、ある程度の商業環境も整えられているのでしやすいと思いますが、そうではない人がほとんどで、転職をしないと得れないことが多い。企業側とのマッチングがうまくできるのか。収入が担保できるのか(ほとんどのケースで収入が下がることが多い)。働く人との相性がいいか。という仕事の環境を変えざるを得ない仕事の壁が立ちはだかる。東日本大震災の際、知人が地方都市に年収が下がりながらも転職移住したが、会社と相性が合わずすぐに会社をやめて東京にもどってきたケースを見たりしました。

C.都市(CoC)・首都圏郊外(LoC)⇒ 地方都市以外の市町村(LoL):仕事・選択・目的の壁

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さらに地方・Localな地方都市以外の市町村への移住となると、ここは正直これまでの壁よりもより大きな壁になると思います。ここでは、地方都市以上に仕事が少なくなり、生活する上での選択が狭まる(例えば教育など)というこれまでの2つの壁をさらに大きくしているため、なかなか乗り越えるのが難しい。

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そのため、この壁を乗り越えるためには、そのまちがいいという積極的な目的意識が必要。そう、消極的な「都市部でなくてよい」という理由ではなく、積極的な理由がないとこの壁を乗り越えることができないのです。

D.地方都市(CoL)⇒ 地方都市以外の市町村(LoL):利便性・目的の壁

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ここは、都市⇒地方にはなっておらず、地方⇒地方の流れだが、場合によっては、都市⇒地方都市⇒地方のような段階を踏むケースもあると考えうるため記載してます。地方都市からほかの市町村に行く場合には、比較的心理的ハードルが下がると思いますが、やはり利便性と目的という壁がでてきます。なんなら仕事あるけど、地方都市から車で通えるなんて人もいると思います。


まとめ

首都圏郊外(LoC)は、都市からの移動が起こりうるかもしれません。
その一方で地方都市(CoL)へはどうでしょうか。移住希望は増えるかもしれませんが、企業の業績は厳しくなることが予想される中で、地方転職者の希望しうる仕事を維持していくことができれば可能性があるのかなと思います。
そして、全国の市町村のほとんどをしめるLocal of Localの市町村は、新型コロナウイルスのみの影響で人がくるということはなかなか厳しいのではと思います。
とはいうものの、「地方全体」に意識が向いているということは事実なので、ここでいかに魅力を訴求できるかどうかは、結局のところこれまでの各まちのブランディングの蓄積と、先を見据えた慣例にとらわれない柔軟な施策を行い、消極的な理由の転職希望ではなく、積極的な前のめりな理由をいかにつくることができるかが必要になってくると思います。

次回は都市や首都圏郊外の実践方法は横展開できるの?地方創生セミナー系の横展開時の注意点についてです。まあもう、多くの方が言おうとしていることわかると思いますが笑 記事が短くなりそうであれば、人口やら人口密度やらの話も入れ込もうと思います。興味あれば、お付き合いいただければ幸いです。

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