見出し画像

SESとアウトソーシング#1

ポートフォリオ(仕事の履歴)で自分の過去をほぼ丸裸にしましたが、その中から、いくつかエピソードや会社・顧客先の特徴などを含め、少し深堀したことを書いてみたいと思います。

僕は2000年初期からアウトソーシングの形態で仕事をしていたので、SES(System Engineering Service)を意識したのはかなり後になってからでした。
エンジニアとしての初めての仕事は、大学の情報システム部の仕事でした。

入社した会社では、システム運用をメインに

①情報システム部(基幹システムの運用管理)
②ヘルプデスク(IT機器全般のユーザーサポート)
③大学独自の事務局(教員・学生の授業支援)

の業務の受託をしていました。

僕は①に配属となり、②のヘルプデスクの橋渡し役のポジションから入りました。

SE4人のチームで、そこに僕と同期が入社し、合計6人のチームとなりました。今思えば、部類で言えば中小企業(小規模かも?)に値するその会社が、2000年前後にアウトソーシングという形で、まるっと業務委託を受けているのはかなり珍しかったと思います。
人数もそれなりにいて、会社の従業員の半数以上が顧客先常駐という、面白い会社でした。

アウトソーシングとSESの違いは、ネットで調べるとわかると思いますが、
SESはSystem Engineering Serviceというだけあって、基本的にはIT業界の用語になります。

また、アウトソーシングはIT業界以外でも使われる用語で、業務を企業が請け負うものというのが一般的な理解だと思います。

SESは労働力(=人材)に対して対価が支払われ、アウトソーシングは業務が行われたこと、あるいは何かしらの出来上がった成果物に対して対価が支払われるとされています。

SESでは、指揮命令系統についてもいろいろと指摘されることもありグレーな領域が多く、場合によってはブラック(残念)な勤務条件で働くケースもあり、ネットやSNS上でよく話題になっていますよね。

僕が配属された現場では、自社の上司がいて、その上司から指示を受けて業務をするという体制になっていました。なのでOJTにはなりますが、仕事をやりながら覚えていくという実戦形式の教育がありました。
実際は、キングファイルの分厚いドキュメントを渡されて、「わからなかったら聞いてね」というスタイルでしたが…(笑)

顧客先も法律や契約をしっかり守っていましたので、直接僕に指示をすることもなく、必ず上司(現場の責任者)に話を通していましたし、若手を採用して育成することにも理解を持ってくれていました。

その顧客先では、委託先と受託先という一線は互いにどこかで引きつつも、同じ職場で働く「同僚」という基本姿勢で仕事ができていたと感じます。(その後、転職で所属会社3社、顧客先も10数社変わりましたが、ここまで良い関係を構築できていたところはありませんでした笑)

こうして振り返ってみると、僕はエンジニアの駆け出し期にとても良い職場環境に恵まれていたなと改めて感じます。

そしてここでは、当時の上司のやることをほぼすべて丸々コピーすることから始め、メールの文面、手順書、報告資料などをゼロから上司と同じように作れるようになり、その上司だったらこういうだろうな、、、ということを予測して先回りして作業ができるようになったのですが、この経験が次の外資系コンサルでも大いに活きました。


SESの話に戻ります。
当時、大学生院生でTA(Teaching Assistant)のアルバイトをしていた子がいましたが、その子が数年後就職し、久々に再会したところ、5~6次請の小さな企業でめちゃくちゃ残業をして疲弊しているという話を聞きました。

もう20年近く前なので詳細な数字までは覚えていませんが、当初僕でも過渡期で100時間以内くらいでしたので、その子はその倍以上していたと思います。
その子とは数年後、同じ転職先で再び再会し、違う意味で仕事人間(残業まみれ)になることは、この時はまだ知りませんでした…。

その時、僕は初めてSESの存在を知りました。おそらく2005~2007年頃でしょうか。

いろいろとネットで調べてみると、どうやら2000年前後からSESが誕生して活発になっていったようです(確証のある情報は見当たらず…)。
なので、2005年頃はまさにSESが盛んになっていた真っ最中だったと思います。

当時はITバブル期といわれていたので、その時の流れが今も続いているんでしょうね…。その後、最後に所属した会社の時に、本当の意味でのSESの闇を見た気がします。

それはまた次回以降に。