リピートでミスらない慢性痛の問診の仕方
なぜ、慢性痛の対応でミスるのか?
ギックリ腰、骨折、肉離れといった急性の痛みについては、こちらから特別な通院指導をしなくても、ある程度リピートしてくれるかと思います。
しかし、こと慢性痛になると、セラピストはリピートの獲得でミスることが増えます。
もしくはリピートを獲得できたとしても、長続きしないという事態が生じます。
なぜこのようなことが起きるか?
治療計画が伝わっていないから?
回数券に繋げるトーク力がないから?
治療の技術がないから?
違います。
その大概の場合は、
具体的にいいますと、
思っていたほど良くならなかった
思っていた対応と違った
思っていた通院プランと違った
思っていた雰囲気と違った
思っていた経過と違った
こんなところです。言い換えれば、
これを回避する方法は、ただ一言、
診察の最後に、
という質問をクライエントに向けるだけで、
「2回目のリピートが得られない」といった事態を回避できる確率は、ぐんと高まります。
ちなみに、マニュアルでよくみられる、
…では、いけません。
面接でもこの質問は答えづらいですよね?。
これでは患者は本当のことを答えてくれません。
例えばセラピストが「あなたは週に3回この運動をしに来てください」と説明したとすれば、
「運動はしたくないんだよね」とか、
「明日から出張で、帰るの2週間後なんだよね」とか。
それを言い出すためのターンを、セラピスト側から忘れず事前に設けてあげること、
そして、クライエントが思い描いているものと、こちらが提供しようとしているものをすり合わせることが、
「リピート」につながる必須最低条件だとハナダは考えています。
2回目を割引してリピートさせようとするのに比べれば、コストゼロです。
もっと良いやり方があるよ。
だからといって、
クライエントの言いなりになればいいというわけではありません。
先生ご自身の、プロとしての意見もしっかり述べるべきです。
そのためには、
こちらが症状やプランを“説明する前に”、相手のイメージを尋ねた方が、全体として上手く行きやすいです。
クライエントがイメージを話す前に、こちらが説明してしまうと、
その場を取り繕う形で「通います」と言うような、こちらに忖度した本意ではない回答をクライエントは選択します。
クライエントがあなたに対して「建前で乗り切ろう」とした時点で良い関係性は築けませんよね?
なので、なるべくオープンに話し合える状況をプロとして整えてあげなければなりません。
特に、
初めて来られる方であれば、
“気になる症状にマッサージをしたら良くなる”
くらいのイメージしかありません。
ですからハナダはまず、同じ「通う」にも人によっていろいろある、とお伝えするようにしています。
といったように、
“人によって通い方が異なる”ということ。
そして、
“提供するサービスをカスタマイズする構えである”こと。
それを相手に示した上で、
相手が現在イメージしているものを話すターンを設けるようにすると、何をどう答えたらいいかを迷わせることなく、クライエントが今どんなイメージで来院しているのかをオープンに聞くことができます。
相手が何を求めているのか分からない手探りの状態で、良い提案はできませんよね?
この質問を通じて「相手の求めているもの」が分かれば、
セラピストは自信を持ってプランニングや説明に移れるわけです。
ですから使い方としては。
相手のイメージを話してもらうことには、これだけの奥深さがあります。
さて、
みなさんの問診に、
こういった質問や視点はございましたか?
おそらくですが、
慢性痛の対応で困っているセラピストは、
原因を探る診察や、計画の説明に注力するがあまり、
漠然と症状を拾う問診していたり、自分が上手く立ち回るための質問ができていなかったりするのではないかと思います。
もし振り返ってみて不足があったと感じる方は、
この先を読んでいただければきっと、
クライエントに向ける質問が
「意図を持った戦略的な質問」
に変わります。
以下で紹介する問診は、皆さんが既に行なっていたり、ご存知のものもあったりする思いますが、それを活用して、どう推論して、どんな伝え方をするべきかについて詳しく考察を深めます。
本文の末尾で改めてお会いできることを心待ちにしております。
それでは本題に入りましょう。
「現在の認識は○○○○○に依存する」
ここから先は
¥ 1,980
▼コチラから花田に「投げ銭」が出来ます。 いただいたお気持ちは、次回コンテンツに使用する有料画像素材の購入や、文献準備代に充てさせていただき、より良い発信づくりに役立てさせていただきます。