"いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書"を読んで
4冊目。
著者は水野学さん。
くまモン、相鉄ブランドアッププロジェクトなどを手掛けるクリエイター。
面倒臭がりの人ほど、段取りのプロになれる。この言葉に惹かれて読みました。今回はまちづくり系の本ではなく、ビジネス系のハウツー本的なものです。
本業を効率力やって、もっと別の時間がほしい。これがこの本を読んだ1番のきっかけです。
6時間程度でサクッと読める内容で、なんとなく分かってるつもりのことを言語化してくれる本だなと思いました。
印象に残った言葉
くまモンの誕生秘話〜「目的地」が決まっているか〜
くまモンの誕生は、最初はロゴを作ってくれという依頼だったそうです。
ロゴを作ることが目的なのか??
筆者は全てのことに、「本当にそうなのか?」「もっといいやり方はないかな?」と常に疑うそうです。
よくある手段が目的になってしまうことを避けるために、ビジュアルでリアルに想像して、しっかり目的を見極めるという部分にもすごく共感しました。
プロジェクト完了までの「その後」まで想像する
今、本業で建物を作るための計画という業務を担当しており、プロジェクト完了までの作るところまでの計画は立てますが、その後の管理部隊の動きまでは想像しきれていないかもなと思いました。
計画と管理が揉めるのはあるあるで、役所でもよくあります。こんな公園を作るぞ!という、夢を実現するは案外簡単な場合がありますが、その後、何十年という管理を見据えていないことで、たくさんの苦情を生んだり、多くのランニングコストが見込まれていなかったりと色んな問題に発展することがあります。
再認識させられたな、と思いました。
すべての仕事は「ルーティン」である
クリエイティブの仕事をされている方がこんなこと言うなんて、面白い!というのが、ファーストコンタクトです。(クリエイティブな仕事をしたことはないので、先入観ありきですが。)
何が同じなのかですが、
・すべての仕事には締切があること
・やり遂げるためのタスクは同じ
つまり、あらゆる仕事は、細かい部分や対象が違っても、大きな流れは同じは「ルーティン」になっている。
本質的には、プライベートでも同じで家を借りるとき、料理、旅行…も同じ。
調べる→大まかな方向性を決める→具体的なプランを決める→仕上げ作業をする→完成
基本はこの流れに尽きるのでは、ということ。
クリエイティブな仕事こそ、答えがあると考えて、様々な視点でルーティン化しているそうです。
特に刺さったのは、「自分が特別な仕事をしていると思いがち」という部分です。
うちは堅い会社で、意思決定が面倒だから…。特殊な仕事がたくさんあるんだよなぁ。実際に自分もそう思っている節があります。
もちろん"決める"の部分に面倒な会議などが多くあったりするのも事実ですが。実はそこも含めてルーティンといえばルーティンではあるなぁ…と再認識させられました。
「すごいこと」を目指してはいけない
すごいことを目指すと、力が分散してしまう。野望にとらわれて、スタートで力を使い果たしてしまうと最後までやり遂げることができなくなってしまう。
なんだか2枚目の名刺を探す私には、グサッと刺さりました。いつの間にか2枚目の名刺を持つことが目的化していたのかもしれません。それが目的ではなくて、それを持った先に、何をやれそうかを想像しきれていないのかも。
「すごいこと」を目指さずに、淡々と段取りをしていくことが大事なんですね。
長期のプロジェクトでもカップ焼きそばのつもりで
カップ焼きそばを作るとき、お湯を入れて3分待ってお湯を捨てて、ソースを和える。
短い時間ならルーティンのようにこなすことができるけど、長いプロジェクトだとできない。
どんな長いプロジェクトだとしても、カップ焼きそば焼きそば作る段取りのように意識することが大事。
それをやるために時間ボックスという考えが記載されています。要は工数はどれぐらいなのか。工数って言うと、わかりづらいですが、時間ボックスというと捉えやすいなと私は思いました。(個人の感覚ですが。)
「段取りを良くする」とは「空白をつくる」こと
最近仕事中、「ああ、これもやらなきゃ」「次はこれも…」「え、それも?」的な感じで、膨大なタスクに頭の中が一杯になって、本当に考えるべきことを考える脳の空きメモリが足りてないなと思うことがあります。
当たり前のことと言えば、それまでかもしれませんが、段取りを良くして、意図的に空白を作ってしまうという発想は今の自分にはしっくりきます。
わかっているけど、言語化されるとハッとしたなぁという感じです。
繰り返しになりますが、総じてなんとなく分かってるつもりのことを言語化して、再認識させてくれる本だと思いました。(自分的にはですが。)
本業に余裕が出てくるきっかけになるとよいのですが。。。
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