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これからの時代に必要な"地域データ分析"その1

こんにちは!早川都市計画の稲垣です。
事業開発部所属になってから毎日、新たな経験ばかりであっという間に3ヶ月が経とうとしています!

さて、今回は事業開発部で推し進めている”地域データ分析”についてお話していきたいと思います。
弊社では、ソフトなまちづくりを進めていく上で"地域データ分析"が非常に重要な要素になると考えていますので、興味がある方はぜひ最後までご一読くださると嬉しいです!


1. 地域データ分析の概要


【地域データ分析とは】

「RESASやe-Statといったオープンデータの活用、現地調査やヒアリングといった一次情報の取得を通して、地域の特性内在する課題を明らかにすることで、データ(EBPM)に基づいた確度の高いプロジェクト企画提案を行うこと」です。

【地域データ分析の目的】
 現在、全国の自治体では、人口減少、経済の衰退、財政難など様々な課題を抱えています。
”まち”としての機能を維持し、持続可能なまちづくりを実現するには、地域再生地域活性化を進めていくことが必須であり、そのために、流行り思いつきのアイデアに頼ることではなく、”まち”の現状を分析し、内在する課題を抽出、解決策の提案へ繋げる”地域データ分析”が重要となる、と私たちは考えています。

 実際にいくつかの自治体とお仕事させていただいていますが、役所・役場の関係者の中でも把握していなかったような"まち"長所課題、意外な一面を知ることができたという声を頂いております。

2. 地域データ分析の手法 その1「基礎データ分析」

では、具体的に何をするのか。
地域データ分析を進める手法について説明していきたいと思います。

地域データ分析の工程は、フェーズ1の「基礎データ分析」、フェーズ2の「地域データ分析」の2つに分けられます。

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フェーズ1の「基礎データ分析」は、オープンデータをもとに、「歴史文化・気候風土」「人口動態分析」「経済循環分析」「マッピング分析」「仮説推論」の順で調査・分析を行う工程です。

【歴史文化・気候風土】
 はじめに、「歴史文化・気候風土」では、"まち"の表情をおおまかに知るために。その”まち”の成り立ち等の歴史、お祭りや特産品といった文化、平均気温や降雨量といった気候について調査・分析を行います。

【人口動態分析】
 次に「人口動態分析」では、RESASe-Statといった政府のオープンデータをフル活用して、年齢別・男女別人口、世帯数、合計特殊出生率、将来人口推計、昼間・夜間人口等、様々な人口に関するデータを集めます。

対象自治体のみに限らず、周辺自治体類似自治体との比較も行うことで、その”まち”の広域における立ち位置特徴を明らかにします。

【経済循環分析】
 次に「経済循環分析」では、こちらもRESASやe-Statといった政府のオープンデータに加え、地域経済循環分析ツール等を用いて対象自治体の経済循環状況、基幹産業・成長産業を明らかにします。

こちらも対象自治体のみに限らず、周辺自治体類似自治体との比較も行うことで、その”まち”の広域における立ち位置特徴を明らかにします。

【マッピング分析】
 続いて「マッピング分析」では、今までの「人口動態分析」「経済循環分析」で明らかになったデータを”見える化”します。
その他にも鉄道やバスといった交通ルートや学校、病院、公園といった各種施設、用途地域や工業用地、DID地区といった都市計画に関するデータをマッピングします。

【仮説推論】
 さいごに「仮説推論」では、今までの調査・分析結果から見えてきた”まち”の特徴を整理し、「それら強み・弱みを活かす、もしくは克服するために最適な計画は何か」というテーマでブレスト(ブレインストーミング)を行います。

そして、ブレストを行った結果、導き出された2,3通りの仮説が果たして現実味のあるものかどうか、を再度「人口動態分析」「経済循環分析」「マッピング分析」等でさらに深堀りしていくことにより検証をします。

 その結果、仮説が正しくなければ再度ブレストを重ね、新たな仮説を立てまた検証を行う、このサイクルを行うことで徹底的になんとなくのアイデアや根拠のないデータといった不安要素を削ぎ落としていきます。

【まとめ】
 これらサイクルを何度か繰り返し、確度の高い数通りの仮説を立てるまでがフェーズ1「基礎データ分析」となります。
基本的にはすべてオープンデータで分析を行いますが、その段階でオープンデータではどうしても分からないことが幾つか出てきます。

 フェーズ2の「地域データ分析」では、それらオープンデータで把握できなかった情報を確保するための調査を行っていく・・・という流れです。



 以上、ここまでフェーズ1について簡単にご紹介させていただきました!
想定していたよりも長くなってしまったので、フェーズ2「地域データ分析」に関しては次回の投稿でお伝えしようと思います!

最後までご覧いただきありがとうございました!


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